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拓海のホルン  作者: 鈴木貴
第1章 迷い(終了から始まり)
19/132

19.ホルンの音が出た、それだけで変わる世界

朝の女子2人組が話し始める。


「ホルン、いきなり音出してたじゃん!」

「すごいよー! 私、ホルン音出なかったもん!」

「私もー。唇をぶるっと震わせるのができなくて、それでフルートにしたの。

家でヤクルトの空き瓶で練習したんだよー。」

「私も最初、先輩が優しそうだったからホルンを選んだけど、音が出せなくて…。

クラに行ったら出たの。

それで先輩が『確定!』って言ってくれたから、そのままクラにしたんだ。」


練習が終わっても、このマシンガントーク…。よくしゃべるなあ…。


黒沢が

「で、どうよ、吹部。俺、一発で音出せるとは思ってなかったから、控えめにアピールしてたんだけど、音出せたとなると話は違ってくるな。

ちゃんとした音になるまではもうちょい練習が必要だろうけど…コンクール、一緒に出よう!」

と圧強めに言ってきた。


珍しく何もかも忘れて没頭した。

あれは気持ちよかった。

サッカー以外で、ここまで夢中になったことはなかったかもしれない…。

あ、ゲームは別だけど。


「うーん、もうちょい考えるかなー。内田先生、めっちゃ怖かったし…。」

そう言うと、3人がそろって、

「それな。」

と声を揃えて言い、俺もみんなも一緒に笑っていた。


部活での内田先生の厳しい指導の後、それでもこうして笑っている。

この切り替え、どこから来るんだろう…。

今の俺は…?


それでも、今日の体験は今までにない興奮だった。


発見の連続で、時間があっという間に過ぎた。

内田先生は「1時間で終わらせる」と言っていたけど、結局2時間も居てしまったな。

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