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拓海のホルン  作者: 鈴木貴
第1章 迷い(終了から始まり)
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10.選択を待つ

職員室の隅で、内田先生と有岡先生が話し始めた。


「鈴木、入りますかね?」


有岡先生が静かに尋ねる。


内田先生は腕を組み、少し考え込む。


「どうかな……。

まあ、運動部より厳しくて面食らうかもしれない。

それですぐ辞めてしまうよりは、鈴木自身が納得する部活を選んでもらえたら、それでいいと思ってる。」


有岡先生も少し間を置いてから言った。


「ただ……もう他の部活は雰囲気ができ上がってしまっています。

途中入部で、本音で歓迎されるというのはなかなか難しいでしょうね……。

レギュラー争いで心が折れている鈴木にとっては、吹奏楽部か情報技術部、囲碁将棋部、美術部あたりになるかと思うんですが……。」


内田先生はゆっくり頷く。


「もう一回黒沢にかけてみます。」


有岡先生も同意した。


「そうですね。私もちょっと声をかけてみます。」


そう言って、自分の席へ戻る。


内田先生は考えていた——


本当に嫌だったら、断るはず。


断れないほど弱っているなら、音楽は力になれるかもしれない。


——現に、あの子は少し反応していたように見えた。


音楽の世界には、色んな景色がある。


今度は、ステージライトと拍手を浴びる景色を——。


その先は、自分で歩けるはずだ。


吹奏楽部とは、そういう部活なのだから。


鈴木——。

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