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東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第二章 濃霧異変
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濃霧異変 29 御方の思惑

Twitter→https://x.com/yudora_naruse?t=NXot8S_6i15vALkK1tmwyg&s=09


この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。

御方と呼ばれるその者は、己が家臣の暴走する姿を空中に映し出して観賞していた。


「ほら雅姫(みこ)、ああやって力を制限して周りに被害が出ないように戦うのも修行になるよ?」


膝の上に座る元鬼人族の小さな女の子にそう言いながら、御方はとても楽しそうにルージェと背理神の分霊との戦いを眺めている。


「んー……。雅姫、しゅぎょうきらい」


雅姫は御方に頭を擦り付けて甘える。

鬼人族は額からツノが生えているものだが、うら若くして外見の変化が止まった雅姫にはほとんどツノが無いのだ。


「そっか。まあ、気が向いたらでいいよ」


雅姫は天賦の才を持っている。これ以上修行などしなくとも、充分にやっていけるだろう。

しかしだからこそ、鍛練を積んだ後を見てみたい気もするというものだ。

とはいえ、彼は命令しない。

雅姫はマイペースだが、それでも御方の命令であれば嫌々でも従うのだ。

彼は、嫌がられるような命令はしたくなかった。


「ん。気がむいたら……」


雅姫は御方の髪を触って遊び始めた。

彼女は一度仕事をこなすと、会えなかった分を取り戻すようにしばらくこうして甘えてくる。

しかし根は素直な良い子なので、しばらく他の九騎士の仕事ぶりを見ていればおのずと「雅姫も役にたちたい」と言い出すのだ。

一度始めた仕事を途中で放り出したりはしないので、彼もまた甘えることを許していた。


「さて。そろそろ連れ戻さないとかな」


いつまでもルージェを放っておくわけにもいかない。

他の九騎士への示しがつかないからだ。

彼自身が出てもいいが、まだ時期尚早だろう。

彼が出るのは、彼でなければどうにも出来ない状態になってからでも遅くは無い。

彼がその気になれば、ことは終わるだろう。

しかしそうなれば、御方もアルファ達九騎士もやることが無くなる。

平和になったと言えば聞こえはいいが、それは御方という強権がもたらした平穏だ。

上から押さえつけるだけが統治ではないし、そもそも彼は統治者ですらない。

彼は本来傍観者に過ぎないのだ。

助けを請われたわけでもないのに助けるのは理屈に合わないだろう。


彼は最愛の妻からささやかに協力を請われた。

解決ではなく、協力を。

故に、彼は己の手先を動かすことでそれに応えたのだ。


「まあ、終わらせてしまったら暇になるしね」


最愛の妻が自らの権能の在り方に悩みながらも最善を求めて日々彷徨っているというのに、彼だけが愛する妻達と憩いのひとときを過ごしているというのでは居心地が悪い。

最愛の妻のために何かが出来る状況を、彼は楽しんでいた。

彼が望むことは昔から変わらない。

最愛の(ひと)の助けになること。

最愛の(ひと)の隣に堂々と立てる男であること。

存在の頂点、あるいは存在すら超越せし者となった今ですら、その心はただ一人に捧げられていた。

故に嬉しかった。妻から助けを求められたことが。

権能の在り方に悩む妻を、彼は助けてあげられなかったのだ。

それは自分で答えを導き出さなければならないことだったから。


「さてさて。じゃあ……アルヴィーラ。今回も頼むよ」


この場には、雅姫と御方しかいない。

それでも彼はこの場にいない者の名を呼んだ。

《虹の九騎士》の一人、青の騎士アルヴィーラを。


「はいはーい! お任せあれ!」


時空が歪み、どこからともなく金色と青色の混じった髪と瞳をもつ少女が現れる。

アルヴィーラの二つ名は《極克の最速機神》。

御方から《変転》の力源の力を借り受ける権限を与えられた皇神だ。


「ええと、何をすればいいの?」


繋がりを通して呼ばれたからかけつけただけで、話を聞いていたわけではない。

この空間は絶対時間に同調しているため、過去に遡って会話を盗み聞きするのも楽ではないのだ。


「ルージェを連れ戻して来るんだ。場所は――」


御方はそんなアルヴィーラに命令を下していく。

《最速》をコンセプトに造り出されたアルヴィーラは、いつも彼の伝令役を担っているのだ。

それもあって九騎士の中では最も御方庇護下の者達に顔を知られている人気者だ。


「りょーかいです! では()()()! 行って参ります!」


アルヴィーラは特別だ。

彼女は御方が機械族(エクスマキナ)を参考にして造り出した、言わば娘のような存在なのである。


統御機構(コントロールシステム)――正常。

極克連環式動力増幅器(イクシードエンジン)――起動。

霊素推進器(エーテルスラスター)――展開。

衝撃保進器(インパクトアクセル)――接続。

反次元(アンチディメンション)加速器(ブースター)――解放。

青の騎士アルヴィーラ――発進!!」


時空が歪み、アルヴィーラの姿が掻き消える。


「おお~!」


雅姫は目をキラキラさせてアルヴィーラのいた辺りを見ていた。

素直な子供は変形するロボが大好きなものである。


「まったく。演出家め」


本来こんなにゆっくりガシャガシャやる必要は無いのだが、そこは雅姫の期待に応えたというところだろう。気が利く奴だ。


「さて。少し待とうか。すぐにアルヴィーラがルージェを連れてきてくれる」

遅れてすみません。検討の結果、拙作の幻想郷マップを修正していました。既に投稿済みの分も時間を見つけて修正しておきます。


もうあまり出番の無い御方について触れるかで迷いましたが、全能者たる彼がどうしてすぐに解決しようとしないのかについてはもう少し触れておくべきと判断しました。

御方や九騎士はともかく、《力源》は今後もちょくちょく話題にあがると思いますので、そちらの紹介も兼ねています。

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