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東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第一章 識鏡録
8/72

識鏡録 07 過激な修行

この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。

修行開始から一月が過ぎた。

少し肌寒かった気候も、すっかり春の陽気に移り変わっている。

しかし、鏡也と萃香のいる場所は季節など関係無い。


最初は博麗神社の裏山で修行していたのだが、すぐにそうもいかなくなった。

修行が実戦形式に変わると、すぐに地形が持たなくなったのだ。

鬼の拳を山をも穿つ。それは誇張どころか謙遜ですらある。

上位十種族中最高の物理火力は伊達ではない。

そのため、被害を避けるために修行場所を魔界へ移した。


魔界。そこは瘴気の吹き荒ぶ異界である。

幻想郷成立より遙かな昔、神代の終わりの頃に創造神によって創り出された、魔人と夢魔と妖怪と吸血鬼らの生きる空界だ。

太陽の光もささぬその常闇の荒野に、強烈な霊波を撒き散らしながら闘う二人の姿があった。


「鬼道術法:闇鬼千将」


瘴気を固めて暗闇の死鬼を産み出すその術自体は、そんなに珍しいものでは無い。しかし……


「それズルいって! 反則!」


萃香は霊術だけではなく権能も交えて行使するため、効率が段違いなのだ。

一体だけでも厄介なのが、一息に千体も出てくる。鏡也にしてみればたまったものではない。


《識眼》を有する鏡也ならば霊術部分はコピー可能なので、再現は出来る。

しかし《粗と密を操る程度の能力》を持たないため、効率に差がありすぎた。

同じ手で対抗しても押し切られるだけなのだ。


「ふふふ。そっちだけに気を取られていてはいかんのぅ!」


いきなり萃香の姿が霧散したかと思えば、次の瞬間には三人に増えて拳を構えていた。

厄介なことに全部本物だ。

分裂している分火力は落ちているが、それでも人を消し飛ばすには充分過ぎる。


「おわっ!? 殺す気か!?」


なんとか躱したが、このままでは長くは持たない。


「陰陽術:人形召成(ひとがたしょうせい)


霊夢から教わった陰陽術の初歩の術だ。

簡単なゴーレムのようなものを生成するものだが、これだけでは萃香には通用しない。


「スペルカード発動!!」


鏡也はどこからともなくカードを取り出し、高らかに唱える。


「鏡符:ミラーイリュージョン!!」


人形の土塊が、鏡也と瓜二つな姿に変わる。


「じゃが、本体は変わらん!!」


「それはどうかな!?」


鏡也は続けてスペルカードを発動した。


「鏡符:ミラーシャッフル!!」


今日は鏡裏空間を通して身体を入れ替えた。


数瞬遅れて萃香の拳が偽物を粉砕する。


「ご丁寧に質量と密度まで揃えよって……! 芸が細かいのう!」


萃香の権能ならば、質量や密度から本体を割り出す事はたやすい。しかしそれと知っている鏡也はしっかり対策していたのだ。


「ならば全て砕くまでじゃ!」


千の闇鬼が鏡也のダミーに襲いかかる!


鏡也は稼ぎ出した僅かな時間で練り上げた精神力をスペルカードに込めた。


「スペルカード発動!! 鏡符:シュピーゲル・ランツェ!!」


あるはずのない太陽の光を反射しているかのように煌めく鏡槍が無数に現れる。


「穿てッッ!!」


渾身の攻撃だったが、萃香は意に介さず突っ込んでいく。


「ウソだろ!?」


鏡也の放った鏡槍は、萃香が纏った鬼気に激突しては弾かれてしまう。


鬼気は鎧気(オーラ)の一種で、身体や武器に纏わせて保護するのが一般的な使い方だ。

萃香の鬼気の使い方は特段珍しいものではない。恐るべきはその強度と密度なのだ。


まさに圧倒的なスペックの暴力。

一見して鬼人族らしい闘い方だが、確かな技術を有しているだけに隙がない。


鏡也は少しずつ反撃の手段を削られていく。

玄人らしい隙も油断もない立ち回りだ。

僅かの勝ち目すら貰えず嬲られる。

それでも最後まで諦めず、鏡也は勝利を目指すのだった。

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