識鏡録 05 修行への流れ
この作品は東方Project様の二次創作です。
※オリキャラ多数
※独自設定多数
※キャラ崩壊そこそこ
※投稿不定期
以上の点に注意してお楽しみ下さい。
「どうしてそこまでするわけ?」
萃香の申し出に、霊夢は不審に思う。萃香は気まぐれではあるが、それにしても度を越しているいるように見えるのだ。
「霊夢よ、鏡也の霊力を見てみるがよい」
「霊力を?」
霊力とは、魂から漏れ出てくるエネルギーのことで、魔術や陰陽術などは霊力を燃料にしている。生物であれば多かれ少なかれ持っているものだ。
霊夢の瞳に複雑な紋様が浮かび、ほのかな光が発される。
本来霊力とは眼に見えるものでは無い。霊覚という感覚器官で感じるものだ。
それを可視化するのが博麗一族が継承する《源の聖眼》の持つ瞳力の一端なのである。
「え……? 霊力が……ない…………!?」
霊夢は驚きに目を見張る。
そんなはずはないのだ。霊夢の鋭い霊覚は確かに鏡也から漏れ出る霊力を捉えているのだから。
「そうではない。こやつの霊力には色がないのじゃよ」
「な……!?」
《源の聖眼》は、霊力に様々な色を見せる。
光のように、波長によって見え方が変わるのだ。
鬼道術に合った霊力なら赤色。法術に合った霊力なら白色。通常であればこういった色を誰もが持っている。
「い、色がないってことは……」
適性に関係無く霊術を使える。
「で、でも……そんなことあるの……?」
霊色が全くの無色透明だなんて例は、萃香すら一例しか知らない。
「現に目の前に証があるじゃろう」
霊夢はそこでふと気付いた。
「……つまり、オモチャにするつもりなのね……」
「おいおい、なんか不穏なセリフが聞こえたぞ」
鏡也は思わずつっこむが、萃香はイイ笑顔でふんぞり返った。
「うむ! 霊真がおらなくなって暇じゃしな。わしの弟子として鍛えてやるのじゃ」
「えぇ……? 俺の意思は……?」
「このわしの弟子になれるのじゃ。文句などあろうはずがあるまい」
萃香の弟子と言えば、後の《鬼王三童》霧島童子など、覇権戦争でも活躍した錚々たる顔ぶれが揃っている。
少女のような外見に見合わず、師匠としての技量は備えているのだ。
「まあ、鍛えてもらいなさいよ。身を守る術は知っておいて損はないわ。そうでしょ霊奈?」
霊夢は普段人と会わないせいで人見知りしている妹に話を振る。
「う、うん。そうだね……」
霊奈は恥ずかしそうに姉の後ろに隠れながらも頷いた。
適当そうな霊夢はともかく、マトモそうな霊奈が言うならと鏡也も納得するのだった。
「わかった。よろしく頼む」
こうして、修行の日々が始まる。
投稿遅くて申し訳ありません……