濃霧異変 04 案内人参戦
この作品は東方Project様の二次創作です。
※オリキャラ多数
※独自設定多数
※キャラ崩壊そこそこ
※投稿不定期
以上の点に注意してお楽しみ下さい。
◆登場人物紹介◆
藤原妹紅
種族:元人間(蓬莱人) 年齢:1000歳以上
血統能力:無制限再生、不死、無念無想、鳳凰加護、浄炎、浮遊、低次物質顕現。
程度の能力:老いることも死ぬことも無い程度の能力
得意な霊術:無し
たまに使う霊術:妖術、陰陽術
◆不老不死の霊薬を飲んだ元人間。現在は迷いの竹林の案内役のようなことをしている。
外部からは竹林勢力の一人と数えられているが、その実竹林の奥に住む者達とは別勢力。
口調と態度は荒いが、根は面倒見の良い性格。
「インペリシャブルシューティングッ!」
もうダメかと思われたその時、羽根のような形をした弾幕が頭の妖魔へ横殴りに叩きつけられた。
「やっと見つけたぞ。テメーらだな? この霧の元凶はよぉ!?」
両手に炎を纏わせたその者の名は……
「妹紅!?」
藤原妹紅。迷いの竹林の案内人をしている、不老不死の霊薬を飲んで蓬莱人となった元人間だ。
「助かった! ありがとう」
「村紗! 今のうちに!」
「任せて!」
村紗は妹紅登場の隙を突いて包囲を突破し、四つ腕の妖魔を誘導し始める。
「ハッハァ! よくわかんねーけどコイツは任せなぁっ! オラァ!」
妹紅は炎を纏った拳で頭の妖魔に殴りかかった。
しかし妖魔も負けてはいない。触手を振るって打ち合いに発展していく。
「あっちは任せて良さそうね」
これで目の前の敵に集中出来る。
さっさと手の妖魔を片付けて、三人で四つ腕の妖魔を叩くのだ。
とはいえ戦況は有利になったわけでない。
敗勢だったのが劣勢に持ち直した程度だ。
村紗がやられれば崩壊してしまう危うい状況であることは肝に銘じておかねばならない。
「霊符:夢想封印・散!」
拡散型の夢想封印を撃つが、動きの速い手の妖魔には当たらない。
「これでもダメ……。なら……! 陰陽玉……起動しなさい!」
幻想郷に住まう神の一柱、玉造魅須丸が作った量産型神器。それが陰陽玉だ。
使用者の霊力を使って陰陽弾と呼ばれる弾幕を発射するだけのもので、神器とは言っても強力なものではない。
しかし、攻撃の密度を上げることは出来る。
「まったく。あんまり使いたくないのよ。これ……」
魅須丸とて、ただで神器をくれたりはしない。
これは借り物で、使う度にチビチビと使用料を取られてしまう。
製作者である魅須丸は陰陽玉をはじめとした量産型神器にその使用を感知出来る仕組みを搭載し、その使用料を新たな神器の素材の資金源にしているのだ。
「霊符:夢想封印・散!」
先程と同じ攻撃だが、今回は陰陽弾によるサポートがある。
手の妖魔も流石に避けきれず、何発か命中した。
「キキキ!」
だが、効いている様子は無い。
「チッ。霊術が効きづらいとは聞いていたけれど……」
まずは動きを止める必要がありそうだ。
しかし、それもそう簡単にはいかないだろう。
「(対妖抑圧領域で抑え込む? いや、妖魔と妖怪は違う。効くか分からないわね……)」
対妖抑圧領域は随意領域と呼ばれる、結界術の真髄とも言われる霊術の一種である。
随意領域は強力だ。決まれば勝敗を決定付けることも珍しくない。
だが、その分通用しなかった時のリスクも大きい。
「(なら……!)」
霊夢はお祓い棒を構え、聖眼を光らせる。
「霊符:夢想振興!」
大技の準備に入るが、それを見逃す妖魔では無い。素早い動きで距離を詰めてくる。
「キキキッ!」
速い。が、眼で追えない程では無い。
手の妖魔は背後に回ると、前足を振り下ろしてくる。
「博麗流護身術……」
呼吸を整え、神経を研ぎ澄ます。
「麗甲閃添」
裏拳を合わせて妖魔の前足を弾く。
思想としては合気道に近い、最低限の力で効率良く相手の力をいなす技だ。
真面目にフェイントでも入れられたら厄介だったが、霊夢をナメている妖魔はそんなことしないと読んだのである。
「(ここッ!)」
前足を弾かれ、妖魔に僅かな隙が出来る。
悠長に術式を用意するにはとても足りないが、スペルカードを使うならば話は別だ。
「神技:八方鬼縛陣ッ!」
手の妖魔の足元に術陣が展開され、八方から鎖が勢いよく飛び出し絡みつく。
本来は対鬼人族を想定して編み出された術で、ちょっと強い鬼人族くらいなら無理矢理拘束出来るくらいには強力だ。
もちろん萃香などにかかれば一瞬で振りほどかれてしまうが、あれは例外である。
鬼人族は妖怪族などとは異なり、特殊能力を持つ個体が少ない。
そんな鬼人族を拘束するため、八方鬼縛陣は物理的拘束力に特化している。
妖魔にはこの世界とは別の法則が流れているとはいえ、現世に居る以上物理法則の影響を完全に無効化することは出来ない。
霊夢の推測は当たり、手の妖魔は拘束された。
「(捕まえたはいいけど……)」
霊壊術式ならあるいは倒すことが出来るかも知れないが、準備する時間が足りない。
どうしたものか。そう思っていた時だった。
「そのまま捕まえといてね~」
聞き憶えの無い声が、霊夢の耳朶を打った。
「!?」




