表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第二章 濃霧異変
55/78

濃霧異変 02 妖魔の気配

この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。

迷いの竹林には飛行制限と方向感覚撹乱の効果を持つ結界が張られている。

しかしこの結界が気配察知撹乱の効果も持つことは、ほとんど知られていない。

霊夢達もまた、知らなかったのだ。


「「「ッ……!?」」」


目に見えぬ結界の中へ踏み入れた瞬間、霊夢達は自分達が選択を間違えたことに気付いた。


「何よ……この異質な気配は……!?」


霊夢達は一瞬で臨戦態勢を取った。

この気配は神でも妖怪でも、妖獣でも魔物でもない。


「これは……妖魔の気配かな……? でも、ここまでのものは……」


妖魔と言うが、別に妖怪や魔族とは関係無い。

背理神の眷族をそう呼称するのだ。

幻想郷にも稀に妖魔が入り込んで来ることはあるが、そのほとんどは最下級のもので、何の力も無い人間の成人男性でも運が良ければ勝てる程度の雑魚に過ぎない。


「既に気付かれているようです。今さら引いたところで、逃がしてはもらえないでしょう……」


だが、霊夢達の感じる妖魔の気配は、どう考えても雑魚のそれでは無かった。


「戦って……倒すしかないってわけね……」


息苦しくなるほどの圧迫感を感じるのに、気配のヌシがどこにいるのか判然としない。

恐らく竹林の結界によるものだろう。


「どうしようか。進むべきか、あぶり出すべきか……」


進めば、竹林の中で戦うことになる。

群生する蓬莱竹を遮蔽物に使えるが、その分動きずらくなるだろう。

あぶり出せば、この場で戦うことになる。

遮蔽物が少なく動きやすいが、その分劣勢に陥った時の全滅のリスクは上がるだろう。


「ここで戦うべきよ。最初にどデカいの、かましましょ」


ここで戦うのであれば、敵が出てくるまで初撃の準備が出来る。


「よし。じゃあ、それでいこうか。あぶり出しはボクがやるよ」


村紗はすかさずそう言って、複雑な術式を用意する手間を避けた。

スペルカードでもいいが、あれは殺傷用ではない。

確実に仕留めるためには、それ用の術式を編むべきだろう。


「なら……。スペルカード発動。霊符:夢想振興」


霊夢の瞳に、聖眼の紋様が浮かぶ。

夢想振興は本来使えない程の規模の霊術を行使するための術式、補助術式だ。

やる気満々である。


「ちょっと。何をやらかすつもりですか?」


何もそこまで……と言わんばかりに薙渚は顔を顰める。


「いや。妖魔どもは霊術や権能が効きにくい。思いっきりやっていい」


妖魔は背理神の眷族だ。そのため奴らにも、あらゆる力を内包しあらゆる力に背く背理の法則が働いているのだ。


「……わかりました」


根が真面目な薙渚は周辺への影響を危惧したが、渋々といった様子で了承する。


「では、私も出し惜しみ無しでいきます」


そう言って、術符を飛ばして足元に術陣を構築し始める。


「特大のを頼むよー」


気楽そうに装っている村紗も、その実緊張していた。

この場の最年長として狼狽えたところを見せる訳にもいかないので強がってはいるが、感じ取れる妖魔の気配は彼女には荷が重い程のものなのだ。


「(まったく。もう死んでるってのに、身の心配事が尽きないなぁ……)」


心の中でくらい、そうぼやくのも仕方の無いことだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ