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東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第一章 識鏡録
52/77

識鏡録 51 一夜の誤ち

この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。

「ん……。んん……?」


鏡也は、気配を感じて目を覚ました。


「あら。起きたのね。寝ているうちに済ませようと思っていたのだけれど……。ふふ、これはこれで楽しそうかしら」


目に入るのは知らない天井。それが紅魔館の一室であることは何となくわかった。


「……介抱してくれたのか」


そう言って鏡也は起き上がろうとしたが……


「うわぁ……。身体、動かない……」


無理をし過ぎたせいで、まともに力が入らない。手を動かすことすら難しい。


「そうなの。それは、都合がいいわね」


「は……?」


妖艶に微笑むレミリア。

鏡也は嫌な予感がして唾を飲んだ。


「大丈夫。痛くはしないわ。むしろ……とても気持ちよくさせてあげるわよ?」


そう言ってレミリアはベッドににじり寄る。


「ちょ!? おい!? 何をする気だ!?」


「ナニって……言わせる気なの……?///」


レミリアはわざとらしく頬を赤らめて照れてみせる。


「いやいやいや! そもそもなんで!?」


「貴方なら。我が子の父とするに相応しいと思ったから」


そこだけ真面目な声で、レミリアは言う。

レミリアは紅の王家の当主だ。

そこには当然、傘下の者達を率いる責務と、次代に繋ぐ義務がある。

いずれ絶対に跡取りはつくらなければならない。


「うん。なんで???」


疑問が三倍増しになって鏡也はただただ混乱するのみだ。


「私の立場はとても微妙なの。下手に貴族から婿を迎えたりしたら……実権を奪われかねないわ」


パチュリーや咲夜は、レミリアを慕って着いてきている。

しかし、吸血鬼達はそうではない。

レミリアの人柄に惚れ込んでいるのはほんの一部……否、一毛程度。具体的に言えばノクティスくらいのものだ。

しかし彼もまた当主なので、家の存続のために()を探さねばならない立場だ。婿()に行くわけにはいかないのである。


「でも貴方なら……吸血鬼族(ヴァンパイア)でない以上、婿には出来ないわ。それでいて優秀な遺伝子を持っている。だから……ね?」


レミリアは、鏡也のズボンに手をかける。


「これは一夜の誤ち。貴方の気にすることじゃないわ」


「まてまて! そういうのはちゃんと好きな人とだな……!」


好きな人同士でなければしてはいけない。別に本気でそう信じているわけではないが、とにかくこの場を潜り抜けなければならなかった。


「大丈夫。私は貴方の事、嫌いじゃないわ。それで充分なのよ?」


この説得は無意味だ。鏡也は即座にそう悟る。


「(なら……!)」


思考を高速で回転させ、どうにか次の方針を導き出す。


「だいたい、俺はもっと大人な人が好みなんだ。レミリアさんは充分魅力的だけど、流石に幼過ぎる」


「あら。レミィと呼んでくれていいわよ。それに、見た目なら……」


レミリアはそう言うと、目を瞑って僅かの間瞑想する。


「《血醒》……!」


その瞬間、レミリアから強烈な霊波が撒き散らされ、巨大化した翼がレミリアの身体を包む。


「なん……!?」


ゆっくりと翼が開かれて中の様子が見えるにつれ、鏡也は息を飲む。


「どうかしら? これなら文句はないでしょう?」


レミリアはどう見ても、大人の姿だった。

髪は真紅に染まり、身長も少し伸びて、顔つきも大人びて見える。

もはや、容姿に文句を付ける余地はなかった。


「たまげたなぁ……」


《血醒》。それは真吸血鬼(ハイヴァンパイア)にのみに許された、一時的に肉体の全盛期を超える力を引き出す種族権能だ。

本来の外見的変化は全盛期の肉体まで若返り、そこからさらに翼が2枚生えるというものだが、まだ成長途中のレミリアは完全な血醒には至らず、未来の全盛期の肉体まで成長するところまでだった。


「さあ……。むつみあいましょう?」

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