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東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第一章 識鏡録
44/77

識鏡録 43 霧也VS寅丸

この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。



◆登場人物紹介◆



識神霧也

種族:概念神(イデア)(大天神)♂。年齢:約3000歳

血統能力:神通力、神気、神意霊鋼創造、神王資質、霧系支配、霧源空間、浮遊、霧化、眷属召喚、加護付与

技能権能:闘気、超威圧、闘包霊力

程度の能力:霧を操る程度の能力

得意な霊術:無し

たまに使う霊術:無し

◆識神の子にして霧の化身たる概念神。

識神鏡也の弟。何故か霊夢達と敵対している。

「はぁ……はぁ……」


見捨てられることも考慮して、ナナティは出来れば自力で逃げたかった。

しかし寅丸は想像以上の強敵で、逃げ出す隙などどこにもない。


「(このままじゃまずい……)」


ナナティはともかく、妹は飛ばしすぎてそろそろ危ない。


「そろそろ大人しく捕まって欲しいものです」


捕まえるとなれば、宝塔は牽制にしか使えない。

消し飛ばしてしまうからだ。

そうでなければ、もっと早く決着していただろう。

だが、それでも寅丸の優勢は変わらない。


「次で決めるとしましょうか」


寅丸が、そう呟いた時だった。

空間に歪みが生じ、転移門(シフトゲート)が開く。


「助けに来たよ。ナナティ」


そう言って転移門(シフトゲート)から姿を現したのは、白と水色の混じった髪の少年。


「霧也様! よかった。もう助勢はこないのかと……」


「アハハ! 僕がキミを見捨てるわけがないよ。そうでしょ?」


爽やかな笑顔でそう言う霧也に、ナナティは危うく惚れかけた。


「(危なかった……。誰にでもああいうこと言ってると知らなかったら……)」


惚れていただろう。間違いなく。


「さてさて。悪いけど、この子達はもらっていくよ」


気負いのない宣言。いや、それはもはや決定であるかのようだった。


「そうはさせない……と言ったら?」


「いい度胸だ……と言ってあげたいけれど、勇気と蛮勇は違うものだと教えてあげなきゃいけなくなるね」


霧双輪武の霧が足元で渦を巻き、やがて両手首で霧のリングを形作る。


「「……」」


短い睨み合いの後、二人は同時に動き出す!


「コンプリートクラリフィケーションッ!」


「霧集神砲!」


両手を開いて合わせ、濃縮し圧縮した神霧を発射する。

技と技とがぶつかり合い、拮抗……しなかった。


「なっ!」


霧集神砲が一方的に押しきり、寅丸に炸裂する!


爆発音が、いつの間にか張られていた結界の中を駆け巡った。


「け、結界!? いつの間に……」


「あたりまえだよ。僕だってここの人間達を巻き込みたくないからね」


そう優しげな笑顔を浮かべる霧也。

慈愛で満ちた神様のように見える。しかしナナティは神という存在を熟知していた。

神は、人間の事など虫くらいにしか思っていない。

それは、虫と人間を同じに思っているということではなく、人間にとっての虫と同じように、人間を捉えているということだ。

別におかしなことではない。ほとんどの人間が蟻を踏み潰してもなんとも思わないように、神も人間を踏み潰そうが何とも思わない。

人間と神の間には、人と虫ケラ以上の差があるのだ。自然なことである。


「(本当の狙いは……命蓮寺の破戒僧の参戦を防ぐことかしら)」


派手に音を立てれば、命蓮寺の破戒僧が飛んで来てしまう可能性がある。

結界を張ったことには気づかれるだろうが、その場合は陽動の可能性も考えて本拠地である命蓮寺を動けないと見たのだろう。


「さて。じゃあ、さっさと撤収しようか」


霧也はそう言って手招きした。


「ま……て……ッ!」


土煙の中から、後光を背負った寅丸が立ち上がった。

ボロボロだが、なんとか致命傷は避けている。


「やめておきなよ。別に命を取るつもりは無いからさ」


「そうは……いきません……!」


ふらつく身体を踏ん張って支え、宝塔を掲げる。


「灼き払え! 宝塔ッ!」


「ッ!」


霧也は飛び上がって滅光を避けると、空中で静止した。


「霧集神鎚」


巨大な霧の鎚が形作られ、勢いよく振り下ろされる!


「望洸大手ッ!」


巨大な光の手が幻出し、霧の巨鎚を受け止める。

完全には止めきれていないが、避けるには充分な時間は稼げるだろう。


「……霧散神槍!」


上にして突き出した霧也の掌から、濃密な神霧が溢れ出し、無数の槍を形作る。


「神の名において宣告する。其が運命は串刺しなり」


神通力を込めた神の言葉、神託をもって宣言した。

とはいえ霧也の権能や概念は神託向きなものではない。その強制力は強くは無いが、それでも確実に寅丸の動きを鈍らせる。

回避不可のデバフだと考えれば、充分に厄介と言えるだろう。


「ラァッ!!」


気合いと共に闘気を高め、神気を放出して神託の強制力を弾くと、撃ち出されたかのように勢いよく走り出す。

降り注ぐ霧の槍を避けながら、避けきれない分を鉾で捌いていく。


「あらら。流石にただの神霧じゃ弾かれるか」


そう呟き、霧也は両手を広げる。

霧也の両手から神霧が湧き出し、液状化して空中に神霧水球を形作った。

次の瞬間、巨大な水球が闘気に光り輝く。


「弾丸」


その一言で、神霧は分散して無数の礫へと姿を変える。

そして霧化してスっと近付いて……。


散弾(ショット)


至近距離でぶっぱなす。

神霧槍がいまだ降り注ぐ中、である。


「カハッ……!? バカな……闘気まで隠した……だと……!」


その言葉を最後に、寅丸は崩れ落ちた。


「トドメ……は無理かな。さっさと行かないと面倒なことになりそうだね」


そう呟き、霧也はさっさと撤収するのだった。

神通力とは、神力の直接行使を意味する言葉です。


体調が崩れていて投稿遅くなっています。

ご了承ください。

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