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東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第一章 識鏡録
38/77

識鏡録 37 伝説級の大物

この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。

博麗の巫女がいつか勘づくことは想定していた。そのための対策も練っていた。

しかし……。

鬼が出てくるのは聞いていない。

それも《鬼王三童》なんていう伝説級の大物など、想定どころか想像すらしていなかった。

あんなもの、人間の勝てる相手ではない。

元々念を入れて増援を呼んでおいたのが不幸中の幸いだが、到着まで時間を稼がなければならないのが難しいところだ。


「鬼の王が、何故巫女に味方する?」


「わしも管理者の端くれなのでな。それに、弟子を可愛いがってくれた礼もせねばならぬ」


コキコキと首を鳴らしながら、そううそぶく萃香。


「さて。わしが名乗ったのじゃ。おぬしも名乗るがよい。然らば決闘として扱ってやろう。命だけは勘弁してやる」


なんとも物騒なことである。


「……人里で()()を殺すつもりか?」


人里は人間のテリトリーだ。そこで人間を殺してしまえば、幻想郷の現体制を揺るがしかねない。

それは管理者として避けねばならないことのはずだった。


「なに、人里の連中に知られなければいいだけの話じゃ」


萃香はケロりと言い放つ。嘘を嫌う彼女ではあるが、それは嘘さえつかなければいいということでもある。

相手の勘違いなどは存分に利用するタチなのだ。


「さて、最終勧告じゃ。名乗るがよい。さもなくば……」


萃香から、失神してしまいそうになる程の殺気が放たれる。


固まりそうになるのをぐっと堪え、口を開いた。


「サガトだ。相倉サガト」


「アイクラ……? はて、どこかで聞いたことがあるような気がするのう……」


萃香がそう首を傾げたその瞬間、サガトが仕掛ける。


振動呪術(ビブラシオン)……!」


狙いは首。ここに命中すれば、殺せないまでも脳を揺らすことでダメージくらいは与えられるはずだ。

人間であれば確実に死に至らしめる一撃。

博麗の巫女ですら脚を使い物にならなくされた一撃が、萃香に直撃する。


「……ぬるい!」


萃香は能力で振動を拡散させて威力を殺す。

あまりにも便利過ぎる能力だ。


萃香の手がサガトに迫る。魔の手ならぬ鬼の手だ。

命だけは勘弁してやるという言葉通り、その手は拳でも掌底でもなかった。

だが、その手に捉えられれば最後であることには変わりない。

サガトは歯を食いしばって何とか避ける。


「ほう。今のを避けるか。筋が良いのう。師が優秀とみえる」


そう言いながらも、萃香はサガトがギリギリ避けれる速度で次々と腕を走らせる。


「……遊んでいるのか!」


「なに。もう少しでアイクラという名について思い出せそうなのじゃ」


敵として認識されてすらいない。

好都合ではあるが、癪に障る。ラッキーと割り切れる程サガトは成熟してはいなかった。


「チッ!」


攻撃に転じてみるも、軽くいなされる。


「呪いか。残念じゃが霊力が違い過ぎるのう。わしには効かぬようじゃ」


格が違い過ぎる。手も足も出ないのが現実だった。


「(増援はまだなのか……!)」


増援に来るはずの者の身体能力ならば、そろそろ着いてもいい頃のはずだ。


「(サボってるんじゃないだろうな……!)」


サガトは苛立ちと不安の中で到着を待つのだった。

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