識鏡録 34 第三ラウンド《開幕》
この作品は東方Project様の二次創作です。
※オリキャラ多数
※独自設定多数
※キャラ崩壊そこそこ
※投稿不定期
以上の点に注意してお楽しみ下さい。
「フフフ……アハ、アハハハハハ!」
紅い瞳を高揚に煌かせ、レミリアは次々と神槍を突きこんでいく。
「おわっ!?」
動きはやや大振りになってわずかながら隙が出来ているのに、それを狙おうとすれば待っていたかのように鋭い攻撃が飛んでくる。
鏡也にとってはやりずらいことこの上なかった。
「いいのかしら? 元の姿に戻ってしまって!」
鏡也の変身は解けている。一度距離が空いてしまった以上、リーチ差は身体能力差より重いと判断したのだ。だが……
「お、重すぎる……!」
不夜城の力で強化されたレミリアの膂力は、身体強化しただけの鏡也で受けきれるものではなかった。
「なら、これでどうだ! 背鏡……展開……!」
鏡也の背後に、背鏡リグウェルパルファムが現れる。
「また妙な物を出したわね……」
見た目は、凝った装飾の鈍色の縁を持つ巨大な円形の両面鏡だ。
「我が身を映せ。リグウェルパルファム……!」
直径2mはあるリグウェルパルファムに、鏡也の姿が映し出される。
「それが、どうしたって言うのかしらッ!」
「セアッ!」
繰り出される神槍を、鏡也は正面から迎え撃つ。
「なに!?」
先程までは弾かれていたのに、今はしっかりと受け止めている。
「その鏡の力か! 紅符:ブラッディマジックスクウェア!」
レミリアは即座に背鏡を破壊しにかかる。
大きくて常に鏡也の後背に浮いている背鏡はとても狙いやすいのだ。
「させるか! 裏鏡!」
背鏡が勢いよく裏返る。見た目は表も裏も同じだが、その権能は全く違ってくるのだ。
鏡面が輝き、迫り来る弾幕を全て反射する。
「っ!」
レミリアは霧化して反射された弾幕を避けると、距離を置いて姿を現した。
「聞いたことがあるわ。背鏡リグウェルパルファム。表裏一対の神鏡で、表は支援と吸収、裏は阻害と反射……だったかしら?」
「……博識だな」
何故背鏡を呼べるのか。誰に聞いたわけでもないのにその権能が分かるのか。
鏡也は自分でも困惑しているくらいだというのに、レミリアの知識量に驚かされる。
わざと裏返して反射してみせ、表でも弾幕に対処出来ることを隠しておくつもりだったのに、これでは意味が無い。
知識は力なりとは、よく言ったものである。
「(さて……。どうしたもんかな……)」
正直なところ、手詰まりだ。
勝てるビジョンが思い浮かばない。
動きにわずかな隙が生まれているとはいえ、決定的なものではない。むしろ罠なのではないかと思えてしまう程度でしかないのだ。
「……反射も吸収も、物理攻撃には意味が無い。果たしてその鏡は……役にたつかしらね?」
そう言ってレミリアは再び距離を詰める。
「やってみなくちゃ……わからないだろ!」
確かにレミリアの言う通り、リグウェルパルファムは決定打にはなり得ない。
可能性があるとしたら、むしろアクルパルファムの方だろう。
ここから掴める勝ち筋を必死に探しながら、鏡也は迫り来るレミリアを迎え撃つ。
戦いは、長期戦の様相を呈し始める。
絶賛難産中です。決着どうしよう……




