識鏡録 31 鏡理神剣アクルパルファム
この作品は東方Project様の二次創作です。
※オリキャラ多数
※独自設定多数
※キャラ崩壊そこそこ
※投稿不定期
以上の点に注意してお楽しみ下さい。
美しい鏡の刀身を持つ長剣は、永き眠りの中にあった。
主を失ってから2000年。
神々しきその神力を貯め込んだまま、新たな主を探すこともなく、ただかつての主を悼み続けていた。
『来い……』
だが2000年の時を超え、鏡の神剣は自らを呼ぶ声を聞いた。
『アクルパルファム……!』
懐かしき声に呼ばれるまま、神剣は召喚に応じる。
歓喜に震え、輝きを増しながら。
◆◇◆◇◆◇
「この気配は……神器……?」
突如現れた気配に、レミリアは振り返る。
膝を着く鏡也の前に、鏡の刀身を持つ長剣が浮かんでいた。
鏡也がその柄を握った瞬間、神剣は打ち震えるように神気を爆発させる。
「ぐっ……! この神気……まさか……真体なの……!?」
神器は概念神に近い性質を持つ。
召喚されても真体が現れるわけではなく、その精神体のみが出てくるのだ。
依代か術者の霊力を使って一時的な仮の身体を造るのである。
「さてな……」
しかし神器や概念神が真体を現さないのは、神界から直接現世へ顕現するには神召喚の術陣では性能不足だからなのである。
なら、現世のどこかから、現世のどこかへならどうだろうか。
そう。それならば転移の術式だけでこと足りるのである。
「ふっ……!」
鏡也は勢いを付けて立ち上がった。
気付けば彼の傷が跡形もなく無くなっている。
「再生……いえ、復元というところかしら。興味深いわね」
レミリアはそう呟くと、右手を掲げた。
「スペルカード発動。神槍:スピア・ザ・グングニル」
それは、レミリアの持つ最も有名なスペルカード。
北欧神話の主神オーディンが持つ投擲必中の神槍グングニールのレプリカ、神槍グングニルを召喚するスペルカードだ。
レプリカとはいえ、主神の主武装が元なので、その辺の神器よりはよっぽど強い。
「……一筋縄じゃいかないか」
レミリアは、神槍を構えることでそれに応えた。
「銀色の柄に鏡の刀身。聞いたことがあるわ。その剣、《鏡理神剣アクルパルファム》ね?」
それは、大戦で名を馳せた神器の一つである。
「そうなのか? 実は、よく憶えてないんだ。俺自身のことも、この剣のことも」
「ふふ。そのわりに、使い方は知っているようね」
鏡也は軽く斬り払い、鋒をレミリアにむける。
「そうかもしれない。試してみるか?」
鏡也は不敵に笑う。
「第二ラウンドといこうぜ」
レミリアもまた、不敵な笑みを浮かべて鋒をむけた。
今回は短めです。お許しください




