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東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第一章 識鏡録
30/82

識鏡録 29 小手調べの小手調べ

この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。

「このあたりでいいかしら」


そう言ってレミリアは身を翻す。

相変わらず謎めいた微笑だ。

笑顔であることはわかるのに、感情が読めない。さりとて能面のようにも見えないのだ。


「さあ…………!」


翼を広げ、美しき吸血鬼の女王は挑戦者を迎える。


「ふぅぅぅぅ…………!」


俺は大きく息を吐き、覚悟を決めた。


「行くぞっ!!」


瞬間、レミリアの姿がブレて消える。

人間の目では追い切れない速度。だが俺には《識眼》がある。

かろうじて斜め右下方から接近してくるのを捉え、迫り来る爪をかろうじて避ける。


「最初っから容赦ないな!」


「このくらい、簡単に避けてもらわないと楽しめないわ!」


そう言いながら、慣性を感じさせない速度で切り返しの蹴りを飛ばしてくる。

翼を持つからこその空中機動力。

俺には出来ない芸当だ。


「ふっ!」


身体強化を施し、蹴りを合わせて受ける。


「くっ!」


ビリビリと重たい衝撃が足から全身へ広がる。

体格差ではこちらにかなりのアドバンテージがあるのに、威力は当然ように相手の方が上だ。

俺は競り負けて少し後退する。


「勝因が種族差というのもつまらないわね。次は趣向を変えるわよ!」


レミリアはそう言って距離をとる。


「スペルカード発動!! 紅符:スカーレットシュート」


今度は距離をとって闘うつもりか!

だけどそれなら……!


「スペルカード発動! 鏡弾:ミラーバレット!」


鏡の銃口がキラリと光る弾丸を撃ち出し、紅の弾幕と激突する。


「そうこないとね! 紅符:スカーレットマイスタ!」


間髪入れずに追撃が飛んでくる。

さっきより数が多い。

だが、それならば。


「鏡符:ミラーレーザー」


レーザーで、薙ぎ払う!


その時。レーザーと弾幕のむこうで、たしかにレミリアは嗤った。

全身を駆け抜ける悪寒に従い、即座にその場から離れる。


「神紅符:ブラッディ十七条のレーザー」


「!?」


間髪を置かず、紅い光線が元いた場所を多方向から串刺しにする。


レミリアはまず挨拶代わりと見せかけて迎えうてる弾幕を放ち、次に派手目なスペカで本命の発動モーションを隠したのだ。


弾幕勝負はこうやってやる。

そう教えられている気分になってくる。


「あら。今のは切り札の一つなのだけど、よく避けたわね」


格が違いすぎる。そう思わざるを得ない。

今のを避けられたのだってただの勘だ。

次は無い。

さすがに同じ攻撃なら対処のしようはあるけど、初見の切り札を切られたら終わりだ。

何のいいところもなく負けてしまう。

パチュリーの言っていた通りだ。


「まあな。ところで、さっきのって本当にくらっても死なないのか?」


時間稼ぎの会話をしつつ、攻略の糸口を探す。

少し闘ってわかったが、レミリアは萃香とは系統の違う強者なのだ。

フィジカルと技術で押してくるのが萃香ならば、レミリアは戦略とフィジカルでシトメにくるタイプとでも言うべきか。

もちろん萃香に戦略が欠けているわけではないし、レミリアに技術が無いわけでもない。

主軸としているものが違うのだ。

萃香はフィジカルを活かすための技術と戦略というスタイルだが、レミリアは戦略を活かすためのフィジカルと技術というスタイルなのである。


もし、主軸を封じることが出来れば。

戦略を読むことが出来れば。

光明が見えるかもしれない。


「死にはしないわ。そういう()()にするもの」


「……なるほどね」


そういう運命にしなければ普通に死ぬレベルの攻撃だということだ。

なんともおっかない。


「さて、そろそろ第一ラウンドといきましょうか」


レミリアにとって先程の攻防は、彼が遊ぶに値する相手かを確かめたに過ぎなかった。

言わば小手調べのための小手調べである。


「まだ始まってすらいない、か。恐れ入るね」


俺は、そう言う自分が笑っていることに気付いていなかった。

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