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東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第一章 識鏡録
29/82

識鏡録 28 スカーレット家の当主

この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。


◆登場人物紹介◆


レミリア・ヴァン・スカーレット

種族:吸血鬼族♀ 年齢:1500歳

血統能力:霧化、影移動、蝙蝠化、浮遊、低次物質顕現、超絶再生、血液操作、眷属化、悪魔召喚、魅了、血醒

技能権能:闘気、鬼気、威圧、闘包霊力

個別権能:運命支配

程度の能力:運命を操る程度の能力

よく使う霊術:鬼道術、魔術、操影術

たまに使う霊術:召喚術、妖術

◆吸血鬼七王家の一つ、スカーレット家の現当主。【永遠に幼き紅い月】の異名を持つ。

ここ数百年ほとんど外見が成長しないことが密かな悩みだが、一応少しは成長している。

「鏡也様。御館様の準備が整いました。こちらへお越しください」


咲夜にそう言われて、鏡也は我に返る。

気付けばすっかり遅い時間になっていた。

夜の帳が降り、吸血鬼の時間がやってきたのだ。


「もうそんな時間か。コアさん、ありがとう。とても有意義な時間だったよ」


「コアでいいですよ。勿体ないお言葉です」


「ありがとう。コア」


「えへへ……」


鏡也の素直なお礼に、コアははにかむように笑った。

それはとても可愛らしい笑顔だった。

身体的特徴が無ければ、とても悪魔とは思えないだろう。


「行こうか」


「こちらです」


案内されてレミリアの元へむかう間、鏡也は気になっていたことを聞いてみる。


「レミリアって、どんな人なんだ?」


そう問われ、咲夜は語り出す。声は静かではあったが、どこか熱がこもっていた。


◇◆◇◆◇◆


レミリア・ヴァン・スカーレットは、吸血鬼七王家の一つである紅の王家の当主を父に持ち、ヴァイオレット公爵家のエミリアを母として産まれた。待望の長子であった。


当時のスカーレット家は、既に斜陽の情勢にあった。

宗神と背理神が争った大戦の大勢が決した後も吸血鬼達は抗戦を続けており、戦費と戦火と戦死者がかさんでいっていたのだ。


吸血鬼の信を得るためには、力を示さなければならない。

しかしそれは、決して力で従わせるということではないのだ。

彼らは誇り高き種族であり、たとえ神であれ上に立つことを認めはしない。

宗神は理と礼節をもって彼らに接した。

しかし背理神は力と横暴をもって彼らに接したのだった。

その結果が、普段いがみ合っていた七王家連名による抗戦宣言であり、スカーレット家もまた種族と王家の誇りのために戦っていた。


レミリアは天才だった。

若干120歳で襲撃してきた吸血鬼狩り(ヴァンパイアハンター)を返り討ちにし、その血を頭蓋に入れて持ち帰ったという逸話がある程の傑物で、将来を嘱望されて育った。

しかしそんな彼女の人生にも、徐々に影がさし始める。

それは後に続く苦難の先駆けに過ぎなかったのだが…………。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!」


このあたりまで聞いたところで、鏡也は慌てて静止した。

咲夜が立ち止まったにも関わらず話続けていたからである。


「…………失礼致しました」


咲夜は取り繕うように一礼すると、少しだけ華美に造られた扉をノックした。


「御館様。識神様をお連れ致しました」


わずかの間を置いて、扉のむこうから返事が返ってくる。


「通しなさい」


その言葉は短く、これといった気負いも感じられなかったが、どこか不思議な魅力を感じさせた。


「失礼致します」


そうしてようやく、鏡也はレミリアとの対面を果たした。

紫色の髪は短く、瞳は妖しく真紅に輝いているように見える。閉じられた口からはわずかに八重歯が覗き、腰から生えるコウモリのような翼と合わさって吸血鬼族であることを主張していた。

その外見は人間で言えば12か13というところで、幼女と少女の境目のように感じられる。端正な顔立ちの美少女だ。


「初めまして。知ってるみたいだけど、一応自己紹介をさせてくれ。俺は識神鏡也。昔のことは憶えてないんだが、多分人間だ。礼儀には疎いもんで、そのへんはご容赦願いたい」


記憶を失ってはいても、先に挨拶するのが礼儀だということくらいは憶えていた。


「フフフ。よろしくお願いするわ。私のことも知っているのでしょうけど、改めて……」


そう言うと、レミリアは翼をゆっくり持ち上げ、見事な膝折礼(カーテシー)を披露する。


「スカーレット家当主、レミリア・ヴァン・スカーレット。以後お見知りおきを」


完全に賓客に対する対応である。

鏡也は気後れしていると自覚しつつ、顔に出さないように注意して本題に入る。


「今日は使ってない家具を分けてもらえないかと思ってお訪ねした」


そう言い、おおまかな事情を説明する。

その間、レミリアは内心を読ませない微笑を湛えたまま、一言も発さずに聴いていた。

説明が終わると、レミリアは少し吟味するかのように間を置いてから、当主として返答する。


「協力するのはやぶさかではないわ」


「本当か!?」


しかしもちろん、タダであるわけがなく。


「ただし、条件があるわ」


物凄く嫌な予感がするものの、まさか聞かないわけにもいかない。


「その条件とは?」


レミリアは厳かに答えた。


「私と闘って、満足させてみなさい。当家の家具はそこらの(あくた)にくれてやれる程安くはないわ。相応のものを見せてもらうわよ」


やはりそうなるか。そう言いたくなる展開ではある。

だが、これは避けて通れない道でもあった。


「そこをなんとか……と言うわけにもいかないんだろうね」


それでもついつい愚痴っぽいものが漏れてしまう。


「フフフ。別に私に勝てと言うのではないわ。楽しませてくれれば合格よ」


このセリフに、鏡也は即座に切り返す。


「もしも勝ったら?」


その挑発ともとれる言動に、しかしレミリアは動じなかった。

ほんのわずかに微笑を深め、落ち着いて答える。


「その時は、良いものをあげるわ。まだ誰にもあげたことのないものを……ね……?」


一瞬悪戯っぽい顔を見せたレミリアは、立ち上がって窓の外を見る。


「あっちでやりましょうか。館を壊したら、またパチェに文句を言われてしまうわ」

原作では『レミリア・スカーレット』ですが、吸血鬼族の王家の出身という設定の都合で拙作においては【王族】あるいは【皇族】を意味する『ヴァン』を付けさせていただいております。

ご理解いただけると幸いです。

当然、妹のフランドールにも同じように『ヴァン』がついております。

彼女の出番については迷っているところで、近いうちに出てくるかもしれませんが、そうでなければかなり先になるかと思います。

出番の量にはかなりの差が生まれるかとは思いますが、最終的にはほぼ全キャラに出番あるいは言及があると思いますので、気長にお待ちください。

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