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東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第一章 識鏡録
2/71

識鏡録 01 博麗神社の日常

この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。


◆登場人物紹介◆


博麗霊夢

種族:人間族♀。年齢:17歳

血統能力:源の聖眼

技能権能:闘気

程度の能力:宙に浮く程度の能力

得意とする霊術:神道術

たまに使う霊術:法術、陰陽術

◆原作主人公にして本作主人公。百代目博麗の巫女。


博麗霊奈

種族:人間族♀。年齢:14歳

血統能力:源の聖眼

程度の能力:宙に浮く程度の能力

修行中の霊術:神道術

◆霊夢の妹でしっかり者


伊吹萃香

種族:鬼人族♀(原種)。年齢:最低15万歳以上

血統能力:鬼気、鬼道法、鬼神憑依

技能権能:闘気、剣気、鬼王覇気、縮地、超威圧、闘包霊力

程度の能力:粗と密を操る程度の能力

得意とする霊術:鬼道術、妖術

たまに使う霊術:仙術、召喚術

◆かつて《鬼王三童》と畏れられた伝説の鬼の一人。博麗大結界成立後初期は妖怪の山四天王の一人でもあった。衆目の一致する所、幻想郷最強の一角。かなり博識。

博麗神社。そこは幻想郷地上の東南に位置する、祀る神すらハッキリしない怪しい神社である。


「お腹空いた~! 霊奈、ご飯まだぁ~?」


博麗大結界成立から約2000年。

それよりずっと昔からあるという古臭い……ではなく、伝統ある博麗神社には、三人の住人がいた。


「少し待ってね、お姉ちゃん。今運ぶから」


だらしなく卓袱台(ちゃぶだい)に突っ伏しているのは当代の『博麗の巫女』である百代目、博麗霊夢だ。

姉としての威厳を成長途中で落としてしまったらしく、性格だけとってみれば3つ下の妹の霊奈と間違えて逆に産まれてしまったように見える。


「おお、美味そうな米があるのぅ!」


どこからともなく忽然と現れてそう言ったのは側頭部から立派な(つの)を生やした鬼人族の少女、伊吹萃香(いぶきすいか)だ。


「あげないわよ。あんた遠慮なく食べまくるんだから」


鬼人族はほぼ炭水化物しか食べず、アルコールしか飲まない。そういう生物なのである。

しかしその分、大食らいで大酒飲みだ。

勝手に博麗神社の倉庫に住み着いている萃香だが、普段の食生活は謎に満ちている。

たまにたかりにくるとはいえ、いくら身体の小さい萃香でも到底足りないであろう頻度なのだ。


「まぁそうケチケチするでないわ。少しくらいよかろう?」


「だめ!去年は不作だったから、みんなお米はなかなか分けてくれないのよ」


「それは困ったのぅ……」


霊夢は卓袱台に肘を突いて尋ねる。


「だいたい、あんた普段は何食べてるわけ?やっぱり霞でも食べてるの?」


「たわけ。仙人でもあるまいし」


「でも、仙人の心得があるとか言ってなかったかしら?」


萃香は肩を竦めた。


「心得だけじゃよ。とても霞なぞ食ってられる領域には遠いわい。それと、仙人じゃのうて仙術の心得じゃ」


「? 似たようなものでしょ?」


「似て非なるものじゃよ。仙人と仙術師はの」


「ふーん……。そういうものなのね」


お盆を持った霊奈が戻ってくる。


「あ、こんにちは、萃香お姉ちゃん」


「うむ。爽健そうで何よりじゃ。相変わらず姉より可愛いのぅ」


「え? そ、そんな事ないですよ」


「そうよ。私の方が可愛いに決まってるでしょ」


「……霊夢よ。おぬしはそんな事言ってるからいつまで経っても彼氏の一人も出来んのじゃ」


萃香はやれやれとばかりに大袈裟に肩を竦めた。


「まだ『いつまで経っても』なんて言われる歳じゃないわよ。だいたい、あんたにだけは言われたくないわ」


霊夢は数え17歳。幻想郷では産まれた年を0歳として数えるから、満年齢だと16か17だ。

成人が16歳であり、結婚の話は14か15あたりから出始めるものなので、17歳で独身でも特におかしくはない。


「霊穂はおぬしの歳で子供がおったがのぅ」


あんたにだけはのくだりは華麗にスルーし、萃香はそう宣う。

博麗霊穂は99代目博麗の巫女。つまり霊夢の母のことである。


「……十代で子供を産むのは身体に悪いってこーりんが言ってたわ。それで、お母さんの居場所は掴めたの?」


博麗霊穂は、霊夢が正式に百代目博麗の巫女になった翌日から父と共に行方不明になっているのだ。

霊夢は萃香がその行方を知っていると睨んでいるが、当人は何処吹く風で知らんぷり。たまにこうして訊いてみてもまともに答えてくれない。


「はて。さっぱりじゃな」


「……ふーん。そう」


霊奈がふたたびお盆を手に戻ってくる。


「これでよし。いただきますしますよ、お姉ちゃん。」


「儂の分は?」


「ごめんなさい!今は本当に余裕がなくて……!」


「ふむ。それならしかたないのぅ」


「……なんで霊奈ならあっさり引き下がるのよ」


「おぬしと違ってケチじゃないからのぅ」


バチバチと視線をぶつけ合う二人に日常の幸せを感じながら、霊奈は席についた。


「いただきまーす!」


「あっ! いただきます!」


腹を空かせていた霊夢は一瞬でケンカを忘れた。

今回の昼食は玄米と味噌汁、さんまの煮付けにたくあんと梅干し。この家にしては豪華な方だ。もっとも米は少なめだが。


「ねぇ萃香……っていないし……」


いつの間にか萃香の姿は無くなっていた。忽然と現れて忽然と消える。神出鬼没とは萃香のためにある言葉かも知れない。


一応博麗神社の倉庫に居候してるということになってはいるが、一日の大半はどこかへ出かけているので普段の生活は謎に包まれているのだ。


「【粗と密を操る程度の能力】……万能すぎるわね……」


【粗と密を操るを操る程度の能力】は萃香の固有能力で、簡単に言えば密度を操る能力なのだが、やや観念的な部分までその権能が及ぶ、便利にして危険な能力でもあるのだ。


「《鬼王三童》の一人にして元《妖怪の山の四天王》……。相変わらず何考えてるのか分からないわね」


考え込むあまり、思わず手が止まる。


「あんまり難しく考えてもしょうがないよ、お姉ちゃん。それより、せっかくのご飯が冷めちゃうよ?」


「ん……。そうね」


気楽を装って箸を進めながらも、霊奈は心配していた。

博麗の巫女という、諸勢力のバランスを保ち、ひいては平和を守る重責を担うには、姉はまだ若すぎる気がするのだ。

もっとも、歴代の博麗の巫女も成人と共にその重責に担ったというから、霊奈にはどうしようもなかった。

霊夢が死ぬか、娘が産まれて成人するまで、博麗の巫女は変わらない。


幸いと言うべきか、霊夢はすでにいくつかの異変を解決して諸勢力から一目置かれている。

このままいけば、大事なく生涯を終えられるかも知れない。この時の霊奈はそう思っていた。

投稿遅くなりました。

地味に前書きの所が大変だったりします

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― 新着の感想 ―
[良い点] わいも東方の二次創作書いとるから見てみて。それとおしについてかたろう
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