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東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第一章 識鏡録
13/74

識鏡録 12 最古の大求道者

この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。


◆登場人物紹介◆


霧雨魔理沙

種族:人間族♀。年齢:16歳。

血統能力:魔法行使

程度の能力:魔法を扱う程度の能力

得意とする霊術:魔術

たまに使う霊術:呪術、錬金術

◆自称『普通の魔法使い』。弾幕勝負が好きで、その研究とキノコに目がない。


エレイン

種族:古代人間族♂。年齢:億歳以上?

血統能力:聖気、念話、浮遊

技能権能:闘気、剣気、聖王覇気、超威圧、闘包霊力

程度の能力:一点特化する程度の能力

よく使う霊術:系統外霊術(古代霊術)

◆『最古の大求道者』目が見えず、耳も聴こえない。意思疎通には念話か霊話が必要。性格はとても温厚。

「霊武技:閃空円斬(せんくうえんざん)


魔法の森の濃霧を、一太刀の斬撃が滑り抜ける。


「おわっ!?」


魔理沙はかろうじてその斬撃を勘で躱す。

背筋がゾッと凍り付いた。少しでも反応が遅れていたら首が飛んでいたただろう。


斬撃を放った男は、ふたたび納刀して静かに佇んでいる。


「私は眼も耳も使えないので、敵意が無いなら逃げてください。追いませんから」


それは敵意の欠片もない優しい声だった。

ミニ八卦炉の調整を間違えてちょうどこの男の上に墜落してしまうとは、今日は厄日かも知れない。

そうは思いながらも、魔理沙はまだ逃げるか迷っていた。

彼の後ろにとても珍しいキノコ、マドリギダケがあるからだ。

このキノコは傘が開いてからの寿命が短い。

今は逃げて後で回収しに行く、では間に合わないのだ。

とはいえ、彼はヤバい。殺す気で来られたら、次は無いだろう。


そして魔理沙は、判断を間違えた。欲が出たのだ。


「悪いけど、通らせてもらうのぜ!」


そう言ってスペルカードを使おうとした瞬間。


「霊武技:閃空連斬(せんくうれんざん)


閃空円斬による連撃。

本来であれば、魔理沙はこれで死ぬはずだった。


「フォーマルレーザー」


踏み込んで斬撃を放とうとした彼は、即座に重心を戻して飛び退いた。


魔理沙の目の前を、極太の光線が抉ったのだ。


「のわぁ!?」


魔理沙は驚いて尻もちをつく。


「少しは喧嘩を売る相手を選びなさい」


黒い髪と浅黒い肌、碧眼に尖った耳、整った容姿とスレンダーなボディ。

そう、ゴブリン虐めを中断して駆けつけたプリシラであった。


「うわっ!? プリシラおばさん!?」


「…………」


プリシラは無言で術式を展開する。


「わわ!? ま、間違えたのぜ! お姉さんなのぜ!」


「……そう。私は若いの」


神代から生きているハイエルフはそう宣う。

もっとも彼女の基準で年寄りと言えば神世から生きている連中のことなので、それと比べればたしかに相対的に若くはある。


「お年寄りなのは……あの男……」


そう言ってプリシラは振り向く。

口元の笑みを絶やさぬ優男。深紫の髪が目を引くが、眼は閉じられていて瞳は見えない。

だが、プリシラは彼の正体に心当たりがあった。


「お年寄りって……」


魔理沙はようやく自分が喧嘩を売った相手の危険性を認識した。


「……あの刀。多分聖刀《振絶(ふるだち)》だ。もしそうなら、彼は《最古の大求道者》エレインだということになる……」


プリシラの声は隠しきれない緊張を孕んでいた。


「なんかヤバそうだな……。いったいなんなのぜ? その《最古の大求道者》ってのは……」


「……神世の頃、神々と覇権を争った古代人間族(エンシェンター)の英傑……」


紋章の勇者レグニス、最古の大聖女アルレンシアと並び、古代人三英傑と言われる英傑。それがエレインだ。

もはやおとぎ話の領域にすら思える。


「よく分からないけど、ヤバいってことだけは分かったのぜ……」


魔理沙はそう言って後ずさる。

プリシラは、魔理沙とは比べ物にならないくらい強い。

そしてそのプリシラですら『雑魚狩り』などと揶揄されるくらい、超常者というのは桁のおかしい強さを持っている。

魔理沙がこの場にいても、邪魔にしかならないのだ。


「ここは引き受ける。さっさと行きなさい」


再会を喜ぶ暇も無く、プリシラはそう言って魔理沙を追い出した。


魔理沙が離れたのを確認し、プリシラはエレインの方へ向き直る。


「貴方が次のお相手ですか?」


エレインは優しげな笑みを崩さない。

端整な美貌にその表情だから、彼が普通にしていたら見蕩れていたかも知れなかった。

しかし今の彼は、静かな剣気を纏っている。

深海のような、静かでありながら圧力のある気配だ。


「相手はしたくないけど……」


そう呟いても、エレインに声は届かない。

先程の極太光線でプリシラの霊力はごっそり減っている。

あれくらいでないと避けながら攻撃を続行されると判断したから仕方無くやったわけだが、おかげでここから彼を倒す確率は間違いなくゼロになったと言っていい。


「でも、倒す必要は無い」


プリシラの目的はあくまでマドリギダケの回収だ。基本的にはそれの達成を狙い、無理そうなら逃げればいい。恐らく追って来ることはないだろう。


それに、伝説の英傑の闘う姿を直に見てみたかったのだ。


「ゆくぞ、伝説……!」

投稿頻度は落ち着くと思います。

それと、登場人物紹介の表記を少し変えました。

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