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東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第一章 識鏡録
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識鏡録 10 魔法の森の秘密

この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。

「まったく……何処に行ったのかしら」


幻想郷本土、魔法の森。


鏡也と萃香が魔界で修行をしている頃。

博麗霊夢は親友の霧雨魔理沙を訪ねにこの瘴気の濃い森にまでやって来たのだが、残念ながら留守だった。


「約束してたのに何でいないのよ……」


魔術師ならば日付感覚はそこそこな重要要素なのだが、()()使()()の魔理沙にはそうでもないのだ。

そのためか、結構な頻度で約束をすっぽかされるのである。


「仕方ないわね。アリスに聞いてみようかしら」


アリス・マーガトロイド。同じく魔法の森に住む、人形遣いの魔術師である。


「さて……。どの辺だったかしらね……」


アリスの家は結界によって隠されているのだ。

場所は変わらないため、憶えていればそう苦労せずに見つけられる。

しかし魔法の森は住んでいる者でも迷うような場所なのだ。

濃い瘴気に適応した植物の成長は早く、たまに来る程度の知識はかえって有害だった。

魔理沙の家は別に隠されていない。変な魔導具などがあって、霊覚の鋭敏な霊夢には目印になってくれるから辿り着くのは難しくなかった。

それに比べてアリスの家はちゃんとしている。

魔理沙の家は怪しげな魔物・妖獣避けの魔導具を使っているが、アリスの家は避けるのでは無く隠す方向性でしっかりと魔物・妖獣対策をとっているのだ。そのため手がかりがない。


「……迷ったわね…………」


数十分後。当然の結果と言うべきか、案の定霊夢は迷子になった。

彼女があっさりとそう認めたのは、自分でもわりとそうなるんじゃないかと思っていたからだ。


「どうしたものかしら。太陽も出てないし……」


今日は曇っていて空にも目印がなかった。

とは言え最悪、雲の上まで飛んでから太陽で方角を見て移動すれば帰れる。

凄く寒いのでやりたくはないのだが。

生身の人間に雲の上は堪えるのだ。


「うーん……うん……??」


ふと、霊夢は立ち止まった。

なんてことは無い森の一角に過ぎないはずのその場所に何かを感じたのだ。

しかし、その正体が分からない。

《源の聖眼》で見ても何も無い。

それでも霊夢の第七感はここに何かあると囁いていた。


「なら……」


霊夢は反霊術を周囲に放つ。

反霊術とは、霊術を撹乱する霊術だ。

いかに上手く隠したとしても、反霊術に触れれば無反応とはいかない。

逆に言えば、これで反応がなければ霊夢の勘違いということになる。


反応は……あった。

《源の聖眼》が無ければそうと気付けないような極僅かな反応ではあったが、霊夢は見逃さなかった。


「隠遁術式……? でも……なによ、この精度……」


聖眼の淡光を瞳に浮かべ、霊夢は術式を精査する。

この術はどうやら黒魔術によるものらしい。

それは分かるのだが、元々魔術に詳しいわけではない霊夢には細かいことまでは分からない。


魔術は大きく分けて二系統ある。自身の霊力を利用する白魔術と、周囲の霊気や瘴気(マイナスの霊気)を利用する黒魔術だ。

瘴気の濃い魔法の森は黒魔術を使用するのに適した環境ではある。


自身の霊力を操作するのに比べれば、霊気を操るのはとても難しい。

鋭敏な霊覚と修練を重ねた霊力操作技術が無ければ実現しえない。

魔導具や呪具を介することで霊気を利用するのが一般的なやり方だ。


今回問題になるのは、この術が魔導具によるものなのか、術者が直接行使しているのかということだ。


魔導具ならば、多少派手に干渉しても問題ない。

魔導具が使用者や製作者と同調(リンク)していることはそうそうない。

メリットがほとんどないからだ。

そして同調(リンク)していないのならば、気付かれる危険は少ない。


対して術者が直接行使しているのであれば、干渉に気付かれる危険が極めて高い。

さっきの反霊術で気付かれた可能性もあるが、誰かが対魔物・妖獣用の罠を仕掛けていてもおかしくないのが魔法の森なので、違和感を感じて反霊術を行使するまでは不自然なことでは無い。


だが、ここから先はリスクが伴う。

霊夢の知る限り、魔法の森に住んでいる者は魔理沙とアリスくらいのもの。

程近い位置に香霖堂という店があり、そこには森近霖之助という男が住んではいるが、それでも魔法の森に拠点を持っているという話は聞いた事はない。

そもそも、半妖である霖之助の霊力とは色が違う。

つまりほぼ間違いなく、ここに住む誰かは霊夢の知らない人だ。それが友好的とは限らないのだ。

これだけの精度の隠遁術式だ。術者の直接行使でこの精度ならば、有数の魔術師に違いない。

もし魔導具だったとしても、製作者がここに住む者なら同じことである。


「進むか、引くか……ね……」


そう呟きながらも、気持ちは決まっていた。

ここで引くのは性に合わない。

霊夢は隠されたものを探り当てるため、術式を練り始めた……。

原作ではアリスやパチュリーなどは種族:魔法使いですが、拙作では魔法使いという種族はありません。

魔理沙は原作でも人間の魔法使いですが、アリスは拙作だと人間の魔術師になります。パチュリーも同様です。

ややこしくて申し訳ありません。

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