地上に降ろした空の光
空が薄い青の上から
赤と黄色を点描で塗り重ねていく
ほんの少し黒を混ぜて
辺りの色が重みを増していく中で
灯り始める白や黄色の輝き
時に川のように流れ
それ自体が生き物にも見える
一つ一つが街を構成する灯火
一つ一つが人の営みが生む光
時と共に暗い海に沈む事はなく
数多の光が海上に揺れて流れて
空に輝く命の灯は
皆地の上に降りてしまったと
空には黒い海が広がるばかりで
この光が地平の鏡の向こう側に
反転することがないうちは
地に温もりが溢れてる
その証左ではあるけれど
光が溢れれば
暗闇を求める
無いものねだりの僕たちには
どちらか一方だけが輝く
この世界がお似合いなんだろう
そうして今日も
空の星を地上に降ろして
その温もりと共に
命は営まれていくのだろう