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庶民特待生となった僕は、名門学園に通う美少女達から愛されまくる!  作者: 寝坊助
第2章 築かれるハーレム! 拓夢様はわたくしのモノですわ!
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㉟失敗しないデートの服選び

「くるみちゃん、お待たせ」


 そう言って拓夢は試着室から出てきた。黒のショートジャケットにグレーのチノパン、下は白のスニーカーというカジュアルな出で立ちだ。くるみは無言で拓夢を上から下まで見回すと、ゆっくりと顔を上げた。


「……似合ってるです……!」


「ど、どうもっ」


 気まずそうに拓夢は礼を言った。といっても、悔しそうに眉を潜めながら礼を言われても、微妙な気持ちになるが。

 そんなことを考えていると、くるみは肩をいからせながら、


「ほら、次のコーデも見るですから、早く着替えてくるです!」


「あ、うん……」


 と急かされ、拓夢はまた試着室へと消えていった。

 そのまま着替えること数分……


「こ、今度はどうかな?」


 続けて着て来たのは、七分丈のテーラージャケットに黒のパンツ、下は革靴という、大人めなファッションであった。


「むぅ……拓夢先輩、何来ても似合うです」


 またもや悔しそうに、くるみは口をすぼめながら言った。


「あの、だったらそんな怒った顔しなくてもいいんじゃ……」


「なにを言ってるんですか! くるみだけ大人コーデが似合わないのに拓夢先輩だけ何着ても似合うだなんて、悔しいに決まってるじゃないですかぁ!」


 くるみはぷくーっと頬を膨らませた。

 そもそも、駅前のショッピングモールまでわざわざ来たのは、くるみをお嬢様っぽく見せるためだ。エレガントファッションが似合わないことに苦しむその気持ちは、理解できないでもないが。


 拓夢としては、何か間違えてる気がしてならない。

 それでもこうして付き合ってあげているのは、お願いされて断れなかったというのもあるが、くるみにとって大事なことだと分かったからだ。趣味嗜好はそれぞれだし、どうしても似合わなかったとしても、くるみが満足するならそれでいいと思ったのだ。


 ……といっても、くるみは到底満足しそうにないが。

 拓夢が危惧(きぐ)した通り、くるみはつまらなそうに休憩用のソファに腰を下ろした。


「もう、いいです。拓夢先輩がイケメンなのは重々分かったですから。何か気に入った服を一着選んでください。買ってあげるです」


「え、いいよ。そんなの悪いし」


「ダメですぅ!」


 くるみはガバッと立ち上がると、甲高い声で叫んだ。

 そのボリュームの大きさに、拓夢は思わず面食らう。


「べ、別に大声出さなくても……」


「拓夢先輩は、女心を何も分かってないですねぇ。女の子が男の子にプレゼントしたいって言ってるですよ? そこに、お礼以上の気持ちが込められてるって思わないですか? まったく、いくらイケメンでも、そんなに鈍感だったら女の子にモテないですよう」


「は、はあ……」


 なぜか説教をされ、拓夢は肩を落とすのであった。

 別に不要だからいらないと言ったのではなく、金銭的な意味で遠慮しただけなのだが……。


「とにかく、何か好きなものを選んできてください! くるみはここで待ってるですから!」


 最後にそう念を押すと、くるみはソファに座り直した。

 取り残されてしまった拓夢は、せっかくなのでフロアの中を見学することにする。


「お客様ー? 何かお探しでしょうかー?」


「え……」


「よろしければ、コーディネートをお手伝いいたしましょうか?」


「い、いえいいです! お構いなく!」


 綺麗な女性スタッフからの接客を必死にかわす中で。


「あれ……? これは」


 ある一着の服が、拓夢の目に留まったのだった。

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