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庶民特待生となった僕は、名門学園に通う美少女達から愛されまくる!  作者: 寝坊助
第2章 築かれるハーレム! 拓夢様はわたくしのモノですわ!
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㉛ノエル襲来、鳴る電話

「くか~、すぴ~」


 自室のベッドの上で、拓夢はだらしなく寝息を立てていた。

 今日はかくいう休日。聖ジュリアンヌ女学院に入学してから、通算8回目の休日である。

 女性アレルギーを持つ身で、馴れない名門女子高での授業、放課後は庶民同好会や生徒会の手伝い。さらには拓夢ファンクラブの女子たちに追いかけられることもしばしば。


 そして、桜や真莉亜からの猛烈なアプローチ。

 夢子も何か対策を考えてくれているらしいが、そもそも庶民特待生というのは、名門お嬢様高校のアイドルのようなものなので、あまり注目されなくなるのも存在意義がなくなってしまう。


 どちらにせよ、拓夢は溜まりに溜まった疲労を、全てこの日に癒そうとしていた。

 女性アレルギーを持つ身としては、女性と関わらない日は文字通り〝オアシス〟なのだから。

 そういった事情から、今日は惰眠(だみん)を思う存分(むさぼ)ってやろうと考えていた、その時。


 部屋の扉が、ガチャリと開いた。


「まだ寝てたんですね。要介護の老人じゃあるまいし、どれだけ寝るんですか?」


「うーん……」


「じー」


「うう……」


 粘っこい視線を受け、苦しげに拓夢は寝返りを打った。

 なぜだか分からないが、とても嫌な予感がしたからだ。

 そして、その予感は見事的中した。


「とりあえずダメ主が寝ている間に、スマホチェックでもしておきましょうか。ネタが見つかればまた、からかえるかもしれないですし」


 冷ややかな声と共に、ぽちぽちとスマホを弄る音が聞こえてくる。


「うーん?」


「は……? 何でフォルダーにメイドの写真がないんですか? アルバムの中をメイド服だらけにして、ついでに待ち受けも私にしておきましょう」


「うが……!」


 ぽちぽちぽちぽち。

 素早くタップする音が何回か聞こえた後、コトンとスマホを机に置く音が聞こえる。

 何が起きているかは分からないが、とてつもなくプライバシーを侵害された気分になる拓夢であった。


「むにゃ……たまには……ゆっくり……寝かせて」


「それでは、飽きたしそろそろ戻りましょうか……ん?」


 声の主は何かに気づいたような声を発し、そしてしばらく考え込むような間を開けた後……


「ふふっ、面白い顔ですね……」


 と、拓夢の頬を指で挟み、モチのようにびろーんと横に引っ張った。


「ぐおっ……?」


「大した間抜け顔ですね。どうですか? 起きないのなら、もっと面白い顔にしてさしあげますよ?」


「う、うう……」


 顔を縦横無尽に引っ張られ、痛みと共に、強烈な不快感が拓夢を襲っていた。

 その時。


「――どうしても起きないのなら、キスしてもかまいませんね?」


 声の主はやたら高揚した声でそう言うと、拓夢の顔に唇を近づけた。甘く、暖かい息が拓夢の顔を撫でるように吹きかけられる。拓夢は、胸の高鳴りを抑えきれないでいた。間違いなく、これは夢ではなく、現実に起こっていることだ。


 ということは、このままキスされ――


「ちょ、ちょっと待ってください!」


 と、拓夢が布団をはねのけ、勢いよく起き上がった時。


「おわっ!?」


 今度は、サイドテーブルに置いておいたスマホが、けたたましく鳴り出した。


「なんだ……?」


 周りを見渡してみるが、誰もいない。さっきまで誰かがいて、イタズラされていたような気がしたが。やはりあれは自分の夢だったのか。


 そんなことを考えながらスマホの画面を見ると表示は『くるみちゃん』となっていた。

 拓夢は急いでスマホをタップし、通話に出た。


「もしもし、くるみちゃん? どうしたの? こんな朝早くに――」


『拓夢先輩、すぐ来てください!』


「は……?」


 拓夢からの問いかけには答えず、くるみは焦った様子で叫んだ。何かの事件に巻き込まれたような、慌てた声色で。


『くるみ、今大変なことになってるです! 今、駅前のショッピングモールにいるですから、早く助けてください! 拓夢先輩!!』

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