表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
庶民特待生となった僕は、名門学園に通う美少女達から愛されまくる!  作者: 寝坊助
第1章 ようこそ庶民様! 聖ジュリアンヌ女学院へ!
34/136

㉝騒動で始まる、学園の一日。拓夢くんに近づく者は、このわたしが許しません!

「城岡様ですわー! 城岡様がいらっしゃいましたわー!」


「キャー! 庶民様ー!」


「こちらを向いてください、庶民様ー!」


 学園の廊下。

 講堂の横にあるラウンジを抜けて、教室に続くアトリウムを歩いていた時だった。そう、ただ廊下を歩いているだけなのに、女子生徒達は歓声を浴びせているのだ。


 『拓夢大改造計画』を実施されて、朝からずっとこんな感じだった。男子に免疫のない女子高で、これだけ顔のいいイケメンが歩いているのだから、それも無理はないが。


「ダメだよ! みんな! 拓夢くんは、わたしのものなんだからね!」


「さ、桜さん……」


 狼狽する拓夢を背に、桜が女生徒たちの前に立ちはだかっていた。


「握手はダメ! 触るのもダメ! 写真は一人一枚まで! 食事のお誘いは、わたしを通してからにしてねぇ!」


 まるで敏腕マネージャーのごとき手腕を発揮する桜。

 

「そ……そんな! 横暴ですわ……」


「お待ちなさい。ここはお写真だけでもよしといたしましょう。城岡様のご尊顔を、記録できるのですから」


 なのに飽きもせず拓夢を追いかけまわすとは、どれだけ女生徒達はヒマなのか。


「桜さん。そんなに邪険にしなくてもいいんじゃないでしょうか?」


 自分を慕ってくれる女生徒達を見すげるのも可哀相なので、拓夢は桜に声をかけた。


「うーん……拓夢くんがそう言うならぁ……」


 顎の下に指を当て、首を傾げながら桜は呟いた。


「別にいいじゃないですか。過剰なスキンシップは流石に無理ですけど。食事したり放課後に遊びに行くくらいなら、僕は大丈夫ですよ?」


「「「「本当ですか!? 城岡様!!」」」」


 ピッタリと重なるお嬢様たちのユニゾン。


「で、ではわたくしの屋敷にてアフタヌーンティーなど……」


「いえいえ。ここはわたくしの邸宅で。なにせ、600坪はありますのよ?」


「わたくしの家が誇る自然庭園を、是非お見せしとうございますわあああ!」


 我こそはと群がるお嬢様たち。

 しかし、桜は……。


「だぁぁぁああああああ~~~~めっ! じゃ、行くよ拓夢くん!」


「だぁぁっ!? ちょっと待ってくださいよっ! 少しは僕の話も聞いてください!」


 桜があまりにもバッサリと切り捨てるので、拓夢は桜の前に躍り出た。


「桜さん。せっかく学園の皆さんが仲良くしてくれるっていうのに、どうして断るんですか? もしかしたら、友達が出来るかもしれないじゃないですか」


「そんなの必要ないもん!」


「ちょ!? そんなこと言わないでくださいよ。とりあえずお話をするくらい、別にいいじゃないですか~」


 今までぼっちだった拓夢は、必死に桜を説得した。しかし桜は、冷静にポケットから布製の手帳を取り出すと、


「それにねッ! 今日は拓夢くんは、大事な予定が入ってるの! だから、他の子の相手なんか、してちゃダメなのッ!」


「大事な予定……?」


 拓夢は聞き返した。大事な予定など、何も聞いていない。


「そんな! あんまりですわ桜様!」


「いくら四天使だからといって、少々理不尽なのではなくて!?」


「いやぁ~! 城岡様~! 拓夢様~~~~!!」


 思わず耳をふさぎたくなるような、悲痛な叫び声がお嬢様達から聞こえてきた、その時。


「うるさああぁぁぁああああぁぁぁぁあああいッ!!」


 突然、桜がそれらを遥かに凌駕する大声を出した。


「拓夢くんは女性が苦手なんだから、みんなは拓夢くんに近づいちゃダメッ! お友だちはわたしがいるから、これ以上はいらないの~~ッ!」


「わたくしも、お友だちになりたいですわー!」


「い、一体いくらお支払いすれば! 城岡様とお友だちになれるんですの!?」


「何でもいたしますから、わたくしとお友だちになってくださいませえええええっ!!」


 拓夢は頭を抱えた。

 こうなってくるともう、子供の喧嘩だ。


「と、いうわけだからね! 拓夢くん、放課後は絶対帰っちゃダメだからねッ!」


「どうして……?」


「庶民同好会の活動があるからに決まってるじゃないッ!」


 庶民同好会。あの変な名前のサークルが、ようやく始動するということか。


「真莉亜ちゃんも百合江ちゃんも、くるみちゃんも集まるからね! みんなで一緒に活動するんだよぉ!」


「あ……はい。分かりました……」


「うん! いいお返事♪ じゃあ、拓夢くんの教室まで、わたしが送るから! 放っておくと、このコ達に何されるか分からないし!」


「あ、ありがとうございます……」


 圧倒されながらも、拓夢は答えた。

 同好会といっても、一昨日立ち上げたばかりの、謎のサークルだ。

 そんな名ばかりのサークルで、大事な予定とは一体何なのだろうか。非常に気になる拓夢であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です! [一言] ま、前回のメイド女史の発想はある意味正しい。 そりゃそーなるでしょ桜さんwwwwとしかwwww 「拓夢の素材の良さに最初に気づいてコーディネートしたのは私な…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ