表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
庶民特待生となった僕は、名門学園に通う美少女達から愛されまくる!  作者: 寝坊助
第1章 ようこそ庶民様! 聖ジュリアンヌ女学院へ!
17/136

⑯作業分担と効率化

 ――ということで、拓夢と百合江は、二人で校舎の掃除をすることになったのであった。


「二人で一つのことをしていては効率が悪いので、作業分担しましょうか。私がゴミを集めていきますから、城岡さんはその後ろをモップがけしていただけますか?」


「はい、分かりました」


 モップを片手に、拓夢は返事をする。


「それにしても……ここの廊下広いから、かなり時間かかりそうですね」


「はい。ですから、喋ってる間にも手を動かしましょう」


 拓夢に背を向けながら、百合江はホウキでゴミを掃いていく。

 四天使の中でも、一番素っ気ない態度である。

 しかし、百合江はコミュニケーション自体を拒絶しているわけではない。

 ただ単に、真面目すぎるだけなのだ。 

 後は、人見知りというのもあるかもしれない。

 いずれにしても、拓夢は百合江に親近感を感じ始めていた。


「冷条院さんって、いつもこんな朝早くから掃除をしているんですか?」


 試しに声をかけてみると、意外にフランクな言葉が返ってきた。


「ええ……毎朝というわけではありませんけど。暇があったら、必ず」


「でも、大変じゃないですか?」


「大変だなんてことは……。私は生徒会長ですし、生徒の皆さんが、朝気持ちよく登校してもらえるなら、それで満足です」


「それならいいんですけど……」


 心配無用、と言われると、それ以上かける言葉は見つからなくなる。


「あの、城岡さん」


 今度は、百合江の方から声をかけてきた。


「なんですか?」


「どうして、掃除を手伝いたいなんて言い出したんですか?」


「どうしてってこともないですけど。どうせヒマでしたし。冷条院さんが1人で掃除してるのを見て、何だか手伝いたい気持ちになっちゃって」


「……わ、私のため、ということですか?」


「……? ええ、そうですけど……」


 背を向けてるので分からないが、百合江はどうやら動揺しているようだ。


「冷条院さん、どうかしましたか?」


「……ハッ。私としたことが。手が止まっていましたね。すみません!」


 別にそんなつもりで言ったわけではないのだが、百合江はホウキがけするスピードを速めた。

 しかし、掃除してる間にも、チラチラと拓夢に視線を向けていた。

 そして、目が合うと慌てて後ろを向く。

 少しは打ち解けたと思ったのは、拓夢の勘違いだったか。


「冷条院さんって、一年生からずっと生徒会にいるでそうね? いやー、すごいなあ」


「べ、別に凄くなんてありません! あまり持ち上げないでください!」


 こんな感じで、会話もすぐに打ち切られる。

 だんだん気まずい雰囲気になってきたことを察したのか、百合江は突然口を開いた。


「城岡さん」


「はい」


 拓夢が立ち止まると、百合絵は振り返って、


「……やはり、お喋りしながらやっては効率が悪いと思うので、城岡さんは下の階を担当していただけますか? 私はこのまま上から掃除していくので、途中で合流することにしましょう」


 そう早口でまくし立てる百合江の顔は、心なしか赤く染まって見えたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] >「……わ、私のため、ということですか?」 「……? ええ、そうですけど……」 背を向けてるので分からないが、百合江はどうやら動揺しているようだ。 チョロイ・・・・・ゲフンゲフん、ラブコ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ