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庶民特待生となった僕は、名門学園に通う美少女達から愛されまくる!  作者: 寝坊助
第3章 うずまく陰謀! 拓夢出生の秘密!
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⑨バラバラ殺人事件

 それは、バラバラ遺体を連想させる黒くて不気味な塊だった。

 台の上に並べられたそれ(・・)を見下ろしながら、拓夢は顔をしかめた。


「うぐ……!? なんだこの(にお)いっ」


 思わず口元を抑えた。猛烈な臭気に、吐き気を催したのである。

 焼け焦げた顔の目玉からは、ドロッと黒い液体が流れ出ている。そして、切り離された四肢や胴体からは、腐った魚を焼いたような、すえた匂いが漂っていた。


「うぷ……!」


 その凄まじい異臭に、拓夢は立っていることすらも困難となり、後ろのテーブルへと持たれかかった。向かい側にいる人物は、その様子を真っ黒な瞳で覗き込む。


 その人物に対し、拓夢は叫んだ。


「ごめん! くるみちゃん、もう勘弁してよ!」


 そう、その人物の名は、姫乃咲くるみであった。

 姫乃咲くるみ。

 青色のボブカットを黄色いカチューシャでまとめた、ポップでキュートな女の子だ。明朗快活で純粋とくればアイドル並みに可愛らしい。時折爆発する妄想と勘違いさえなければ。


 そんなくるみは、拓夢の瞳を真っすぐに見つめながら言った。


「え~。食べてくださいよぉ~。拓夢せんぱ~い」


 目の前にあるバラバラ死体とは正反対の、のんびりして可愛らしい口調だった。


「せっかく、くるみが包丁で手足を一本一本切り離して~、上手に焼いたのにぃ~。食べてくれないと、くるみ悲しいです~」

 

 包丁で切り離す? 焼く?


 そんな物騒なことを、のんきに言い放つくるみ。


「そんな風に好き嫌い言うなら、くるみがあーんしてあげましょうか?」


「い、いやいや。そういう問題じゃないってっ!」


「あー、もう。何なんですか。この人(・・・)だって、拓夢先輩には美味しく食べてもらいたいと思ってるはずですう」


「だから、そういうのグロいんだって!」


 拓夢は顔を真っ赤にしながら、頬を膨らませるくるみと言い合っていた。

 はあ……っと、拓夢は大げさにため息をつく。吐き出した分の息を吸おうとすると、またあのくさい匂いが鼻に入ってきたが。


 一体、何があったのだろうか。

 話は、三十分ほど前にさかのぼる。

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です! [一言] あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ! 「おれは「現代世界 恋愛」の作品を読んでいると思ったら、それがいつのまにか「ホラー 文芸」にすり替わっていた」・・…
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