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《1話》鉄道に乗って

宇宙にレッツゴー


「逃げろっ」


 男性の怒号とともに、真っ赤な激しい雷が降り注いだ。


 その雨を浴びた途端、悶え苦しむ人々


「クリスティっ!!」


 私は、朽ちた屋根の傍らしかない廃墟でクリスティを力強く抱きしめ、雨から濡れまいと守った。

しかし、私は水しぶきを浴びてしまった。

朦朧とする頭。猛烈な吐き気に襲われた。


 しばらくすると、雨はやんだ。

近くの廃墟に隠れていた人は、事なきを得たようだが、濡れた人々は、その場に倒れ、嘔吐した。


その咽び泣くような声も聞こえないくらい、アイリーは疲弊していた。


「お姉ちゃん……」


抱きしめている姉の不信感を、妹は感じて目にいっぱいの涙を浮かべた。


「だ、大丈夫よ。クリスティ。お姉ちゃんは、大丈……」


「お姉ちゃんっ!!!」


私は、そのまま倒れた。

朦朧とする意識のなかで、クリスティが叫ぶ声だけがこだましていた。



1か月程前────



 イギリスのデイビス家、エドワード伯爵宛に一通の文が届いた。

エドワードの側近アシェルは、封筒を持ち、リビングにいるエドワードの元へ向かった。


「マシュー博士から、お手紙が。」


「開けてくれ。」


 アシェルは、封を短刀で慎重に開き、同封されていた手紙を、エドワードに渡した。。


 エドワード伯爵は、中身を読み、立ち上がった。


「ステラっ!ついに完成したそうだ!」


 そばにいた妻に、意気揚々と手紙を見せた。


「あらあら、良かったわね。」


 ステラは、裁縫している手を止め、笑を浮かべた。


「パパっ」


 ちょうど、ピアノのレッスンが終わった愛娘、18歳のアイリーと、アイリーの妹5歳のクリスティが、リビングにやってきた。


「おぉ、クリスティ。おいで。」


 エドワードは、クリスティを膝の上に乗せると、子供たちにも、手紙を見せた。


「お前達、招待状が届いたぞ。マシュー博士からだ。」


「この間話していた、宇宙旅行の?」


「そうだっ」


 マシュー博士とは、学生の頃に出会った、ちょっと変わった博士だった。彼を一言で表すなら、奇才。

その彼は、宇宙の研究をしていて、最近、宇宙旅行にいける鉄道を開発し、完成したらいの一番に招待してくれると約束していた。


 それがついに完成したのだ。


「出発は、1ヶ月後か……」


「どのくらい期間行くんですか?」


「大体、2ヶ月くらいかな。そこから前後はあるらしいが、月に観光してから、太陽に近ずけるまで行って、地球に戻ってくるらしい。」


「月に行けるの!?」


 クリスティは、母に似た青色の綺麗な瞳をまん丸にしてエドワードを見つめた。


「ああ。」


 エドワードは、満面の笑みで答えた。


「早速準備をしましょう。」


 ステラの提案に、皆が頷いた。


────


1ヶ月後────


 デイビス一家は、マシュー博士に指定された場所に、馬車を走らせ向かっていた。


 月に行く日が来るなんて、夢にも思わなかった。


 アイリーは、小さく笑んだ。


(家族旅行なんて何時ぶりかしら。)


「私もご一緒して本当によろしかったのでしょうか。」


 アシェルが、遠慮がちに言った。


「もう君も家族みたいなものだよ。私はかわいい息子と思っているよ」


「そんな……恐縮です」


 アシェルは、嬉しそうに微笑んだ。

アシェルが、デイビス家に来たのは、5年ほど前だ。

元々、奴隷商人の息子だったアシェル当時15歳が、この街に来た時、エドワードと出会った。

 アシェルは、中々の剣使いで、それを買ったエドワードが、屋敷に招き入れたのが初めだった。


  私は、2歳上のアシェルを兄のようにしたっていた。

今回も、参加することに異論はなかった。


「いやぁ、都会に出るのは、久しいなぁ。」


  父は、窓の外を眺め、ため息をついた。

以前都会方面に来た時、文明はこんなに発展していたか


「マシュー博士様々だな。」


 マシュー博士が、急に現れ文明は目まぐるしく進化を遂げた、文を届かせる交通手段も、電話という機器が登場してからは、声を生でその場所から届けることが可能になった。


 また、都会のある1部の帰属は、鉄の塊に乗って移動できるらしい。

まだ、私たちの地方には、持っているものは誰もいなかった。


 マシュー博士が、指定した場所は、都会のど真ん中にあった。近づくと異様な大きさに、私は思わず口を少し開いてしまった。


「マシューは、すごいものを作り出していたのだな。」


 大きな建物の前に、騎士が立っていた。


「招待を受けたエドワードだ。」


「承知しております。お待ちしておりました。お会いできて光栄です。」


 騎士は、胸に右拳をつけ、ハキハキと話した。


「ああ、いいよそんな」


「はい。では、私、ナイツェルトがご案内致します。恐れ入りますが、ここからはこちらで移動致しますので、移動願えますか。」


 ナイツェルトは、馬車を降りるように言い、デイビス一家は従った。

アシェルは、馬車の荷台から、皆の分の荷物を出すと、専用の箱に詰めだした。

それが終わると、私達は不思議な乗り物に乗った。


「これはなんという乗り物ですか」


「こちらは、マシュー博士が発明致しました磁力で進むマシューマグネット号でございます。」


 そのマシンは、地面から浮遊していた。運転席が前にあり、後部座席は、最大6人まで乗れる仕様になっている。


(これが、噂の鉄の塊と呼ばれているものかしら。)


「ちなみに、耳にされていることでしょう鉄の塊というのも奥にご用意してありますので、ご覧くださいませ。

この、マシューマグネット号は、専用の電力、専用のルートしか走れないので、ここマシュー博士のブースでしか乗ることはできません。」


「おお、鉄の塊とは、いつか見てみたいと思っていたのだが、やっと見れるのだな。」


「着きました」


 すぐに大広間に着いた。入口に停車すると、奥にマシュー博士が、他の貴族と談笑していた。

こちらにすぐ気づき、大きく手を振って駆け寄ってきた。


「エドっ、来てくれたのかい!」


「ああ、親友のお誘い断るはずないじゃないか!」


「流石! チビちゃん達もいるし、噂のアシェルくんもいるじゃないか!」


「ご無沙汰しております。」


 ステラは、ドレスの端を持ち、膝をまげおじぎをした。

それに合わせ、私とクリスティも習う。

アシェルは、胸に右拳を当て、お会いできて光栄ですといった。


「さあさ、出発まで時間はある、パーティを思う存分楽しんでくれたまえよ!」


 終始、笑顔でテンションが高いマシュー博士は、そう言うと、走って奥に行ってしまった。


「彼は時間をすごく惜しむ人だからね。全く、全然逢いに来てくれないではないか。」


 父は、フっと息を吐いた。


「しかし、私たちの国のものだけではないのだな。」


 確かに。周りを見まわすと、他国の貴族らしき人もいた。

だが、やはり平民はいない。


「少し見て回るか。」


  父に言われ私達は、歩き出した。


「あれっ、エドワード伯爵じゃないか。」


  オレンジ髪を、綺麗にまとめた青眼の男がやってきた。

少し、歳をとったが、以前会った時のハンサムさも顕在していた。


「ジャックじゃないか!」


 私達は、また挨拶をする。


「いやぁ、大きくなったなぁ、みんな。」


 アメリカのジャック伯爵だった。


「久しく会ってなかったもんなぁ」


「今日は、ジョンくん来てないのかい?」


「いるよ。おい、ジョン」


 近くのテーブルで、若者たちと話していた同じオレンジ髪の父ジャック伯爵に似てハンサムな男の子が振り向き、こちらに歩いてきた。


「ご無沙汰しております。ジョンです。お久しぶりですエドワード伯爵」


 ジョンは、ニコッと微笑んだ。この笑顔にやられる女子も少なくないだろう。


「大きくなったなぁ。ほら、お前達も挨拶しなさい。」


「ごきげんよう。アイリーです。」


「クリスティですっ」


「最後に会った時、クリスティはまだお腹にいたからな。俺の事はまだわからないか、」


「ジャック伯爵!お話は伺っておりましたわ」


「おお~賢い子だねぇ。」


「で、そちらは?」


「お会いできて光栄です、ジャック伯爵。エドワード伯爵の側近を務めておりますアシェルと申します。」


「こちらが、噂の。ほほう、いい男ではないか」


「恐縮です」


「あなた、積もる話もあるだろうから、私達は他に回りますわ」


「ああ、そうだな」


 私達は、ステラと共に歩き出した。


「アシェル、行くわよ」


 私がいうと、ジョンが、

「ご一緒しても?」

と着いてきた。


「アシェルくんは今いくつだい?」


 歩きながらジョンが聞いた。


「いま、20になります」


「いつからデイビス家に?」


「15の時ですから、5年前になります」


「まぁ、よろしくな」


「はい、よろしくお願いします」


すると、ステラに「アイリーをお借りしてもいいかな」といった。


「えっ、」


「久々に会えたことだし2人で少し話さないかい」


  父親と同じ青眼の綺麗な目を向けられた。


「いいわよ。いってらっしゃいな」


「では失礼して。行こうかアイリー。」


 ジョンは、肘を上げた、掴めという意味だ。

私は、困惑したままそこに手を載せると、ジョンは、反対に向かって歩き出した。


「あっちにテラスがある、そこで話そう」


  私達は、大広間を出てテラスに向かった。

そこで、私達は街が見おろせるフェンスに隣合わせでたった。


「久しいな。」


「ええ。」


「俺のことは覚えているかな」


「もちろんですとも」


「最後に会ったのは、6年前かな。まだ13だった」


「まだ私たちどちらも幼かったですわ」


「結婚しようって話したっけか」


 よくもまぁそんな昔の話覚えてるものだ。


「それは小さい頃のお話でしょう」


 ジャック伯爵が、6年前、イギリスにこられた時何ヶ月かデイビス家はに止まっていたのだ。

私は、ジョンに少し惚れていたようだが、今はもうそんな感情はない


「今はもう時効かな」


 ジョンは、フェンスに肘をついてこちらを見た。

私は俯いて目をそらす。


「失礼します、お二人共お時間です」


後ろにアシェルが立っていた。


「アシェル」


 ジョンは少し不機嫌そうな顔になったが、流石伯爵子息、直ぐに笑みを浮かべ直し、「では、行こうか」と、肘をあげるのだった。


  私はニッコリと微笑むと、皆様の前でそれは恥ずかしいので、結構ですといった。

なんか、某999だなぁと書き終えてから思いましたが、

書き終えてから思ったので、パクリじゃないです。よね?

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