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第46話 水先案内人、爆死す

「ふははは、思い知りましたか。金属風情が」


消し飛ばす。


金属を消して飛ばして、粉微塵にする。



私と魔王四天王の前では天使など、恐れるに足りない。


圧倒的火力で蹂躙していた時、ダークナイト山根は耳打ちする。



「魔王パイセン。俺たちは一つの大きな見落としをしていたかもしれねえ」


「ほう、なんですか」


見落としですか。



この期に及んで重大なことかもしれないので、聞き入る。


「パイセン、実はあいつに魔王城に入るのに必要な鍵の数を渡してなくないか?」



思い出す。


そういえば、銀の鍵なら七つ、金の鍵なら一つで開けられるとかいう設定があった…!


シンプルに渡し忘れていた加藤の分、ガイアの分をあの男は持っていないのだ。



「あっ…」


「やっぱりな」



これ、結構まずいのでは…。






     *






ついにたどり着いたぞ、魔王城。


「この城壁の先が敵の本丸だ。覚悟はいいな、アリ子」


「はい!」



俺とアリ子は城壁の大きくくぼんだ部分にある扉に手をかける。


いよいよ決戦だ!



「…。あれ、開かなくない? この扉」


「やー。開かないですね」


システム的に開かない感じがある。



そうか、四天王からドロップした鍵を使えば開けられるのだろう。


俺は鍵を取り出す。



「ブッブー。鍵の数足りてませ〜ん…w 来世からやり直してくださ〜いw」


なんやこれ。



クソ腹立つアナウンスが流れる。


「いや、鍵の本数とかもうどうでもいいだろ! 魔王パイセン編は10話くらい前に終わってるんだぞ!?」


「…フヒッw」



あかん、無性に腹たってきた。


「おま、お前マジで許さん! おりゃああい!」


俺は全力で扉を殴る。


が、やはりびくともしない。



そうこうしているうちに、背後から大量の天使がくる。


「ええい! 邪魔をするな! 俺はデバッグおにいさんだぞ!」


天使の一体をぶん殴る。


だが、すかさず次がくる。



退路はもうない。


天使で門は囲われ、俺たちは脱出不能の状態となった。


や、正確にはそうではない。



俺だけならグリッチでなんとかなる。


だが、アリ子は絶体絶命だ。



「く、どう切り抜ける」


いかんせん数が多すぎる。


「やあ!」



アリ子も懸命に天使を退けてはいるが、やはり物量の問題がある。



「どうしましょう、デバッグおにいさん。さすがにこれは攻略不可能…」


「諦めるにはまだ早いぞ、少女よ!」


突如、どこからともなく厨二オーラに満ちた声が響く。


「あ、あなたは!」


たなびく黒髪にロングコート、二刀流の剣使い。


魔王四天王、ダークナイト山根だ。



「その魂は、不可能を可能にできるんだろう。そう教えてくれたのはお前のはずだ!」


ダークナイト山根はものすごいスピードで天使を屠っていく。


それもそのはず、彼は攻撃を避けていない。


鉄骨が来れば最短ルートで飛び掛かり、ダメージを受けながら剣で攻撃を受け流す。


熱線ももはや避けようとする雰囲気を感じない。



最速で天使を切り裂いていく。


「この戦いの先に、栄光を掴み取るのだ! …あえてこの言葉を送らせてもらおうか。『グッドラック』と!」


山根は深手のダメージを負っている。


だが、そんなことには構いもせず、門へと吶喊する。


「はああ!」


我々の眼前へと迫る天使を裂き、ダークナイト山根は爆散する。



足元には、光る金の鍵が落ちていた。


「そんな…山根さん。良い奴だったよ…」


アリ子は特に思うところがなさそうに平然と鍵を拾って門にぶっ刺す。



いや、結構メンタル強いなアリ子。


門は光り輝き、開こうとしている。


「く、開いちゃう。大事なところ、開いちゃう〜w」


「うるさいわ!」



一発殴ったら扉は黙ったし、開いた。


全く、ちゃんと正規ルートで進めたら鍵全部回収できるようにしてよね、ホント。



───門をくぐると、二箇所から大きな爆煙があがっていた。


ひとつは戦いやすそうな建物が比較的ない、庭だと推測される場所から。


もうひとつは、魔王城の頂上から。



「うーん、どっちに行きましょうか」


アリ子は俺を見つめて聞いてくる。



「そうだな、俺は魔王城に向かいたいな」


「でも、向こうも気になりますねえ…。そうだ、わたし、念の為向こう見てきますよ。見たらすぐにそっち向かいますので」


確かに、未回収のフラグは怖いもんな。


ゲームによってはギミックをとき明かさないと絶対に倒せないボスとかもいるからな。



「よし、それで行こう。あとは頼んだぞ、アリ子」


「デバッグおにいさんこそ、わたしが合流する前にくたばらないでくださいね」


こうして俺とアリ子は二手に別れて行動することになった。


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