第39話 日課は風呂。結構長風呂体質で1日1時間以上はいることもよくあります
家に帰る。
今日は朝からずっと戦いっぱなしだったので、疲労感が凄まじい。
各々自室に入り、一度仮眠を取った後、戦いに備えてみなで食事を摂る。
相変わらずアリ子の飯はうまいな。
「ありがとうみんな、今日は無茶に付き合ってくれて」
「こんなことで頭下げてちゃ、あたしに感謝しすぎて二度と顔を上げられなくなるわよ」
サキュ子のジョークにより、場は少し和む。
今日はこれからが本番なのだ。
張り詰めてもらっていては困るというものだからな。
「時期に決戦なのですわね…」
珍しく酒に手をつけていないエル子からぽつりと声が漏れる。
俺たちはこの団欒が終わったら、魔界に乗り込む。
そして魔王ヴィルヘルミナを討つ。
倒して、この世界を守りたい。
アリ子たちと過ごした日々を無駄にはしたくない。
俺は外を眺める。
機械生命体はまた生まれだしている。
人と天使の戦いは止むことはない。
今は19時頃だが、激戦により空は明るくもはや夜なのか昼なのか、はたまた朝なのか区別がつかない。
あの天使を、なんとしても止めなければ。
ここにまた戻ってこれるかは分からない。
だからこそ、俺はあえて風呂へと向かう。
風呂は俺の日課だ。
風呂の時間こそ最もリラックスできる時間なのだ。
風呂に入り、心を休めたら最終決戦だ。
そんなことを考えながら、がらりと扉を開ける。
「……」
そこには、アリ子が今にも泣き出しそうな顔で立っていた。
「どうした、アリ子」
いつも励ましてくれたアリ子の姿は、そこにはない。
いつも元気だったアリ子の姿も、ここにはない。
「……」
あんなことがあったのだ。
家族のこともある。
思うところは沢山あるはずだ。
突如、アリ子は足をふらつかせる。
「おっと、大丈夫か?」
俺はいつかアリ子にされたように、身体を支える。
「…デバッグおにいさんは、真魔王を倒したあと、どうするんですか?」
俺の話か。
俺の話で気が紛れるのならいくらでもしてやる。
「ん、そうだな。この世界から離脱したらまず生活リズムを戻すところからだろうな。今までアリ子に甘えすぎていたところがあるからな。あとは、そうだな…」
後は、仕事の話だろうか。
急な質問だったので、すぐに答えは出てこない。
「そ…うですよね。…そうですよね! いつもわたしに起こされたりしてたら、きっと元の生活に戻るのは大変なんですから。しっかりしてくださいよ、デバッグおにいさん」
なんの前置きもなく、アリ子はいつもの笑顔に戻った。
突然アリ子が暗い表情をするもんだから、俺の心がすごく痛かった。
そうか、俺にとってアリ子はこれほどにも心を動かす存在になっていたんだな。
そんな彼女が笑顔になってれるのなら、俺はきっとどこまでも頑張れる。
頑張れるはずなのだが、どこか心残りがあるような気もする。
どこかすっきりしないのだ。
この気持ちはなんなのだろう。
どこか彼女の笑顔も引きつっているような…
「わたしは先に行ってますから、準備は早めにお願いしますね。女の子を待たせちゃダメですよ?」
「当たり前だ。すぐ行くよ」
アリ子は時間とか守らないと怖いからな。
準備は入念かつ迅速にしていこう。
「──待ってますから。ずっと…ずっと待ってますから!」
アリ子は消えていく。
なんだ、急に大袈裟だな、ずっとって…。
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