表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベル100でリセットされる守護者! 勇者パーティを追放されたぼくは「みまもり」スキルで弱者を楽園に導く  作者: 石和¥


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/34

降臨の龍鱗

 思ったより移動ははかどって、小さい子たちを含む大所帯だというのに三十分(四半刻)ちょっとで崖が見えてきた。カイエンさんとネルで行き来したときと大差ない。年少組にはそこそこ辛い移動なのに、前向きに頑張ってる。

 これは、あれか? ぼくのせいか?


・名前:アイクヒル(16)

・職業:守護者(レベル21)

・HP:199/210

・MP:191/210

・スキル:“看護(みまもり)”“紐帯(つながり)

・習得魔法(初級):“収納(ストレージ)”“浄化(クリーン)”“防壁(バリア)”“窃視(ヴォイエ)”“探知(サーチ)”“治癒(ヒール)”“回復(キュア)”“隠遁(ステルス)

・習得魔法(中級):“増強(ブースト)”“麻痺(スタン)”“鼓舞(ラウズ)


※紐帯親密度:(アーシュネル:60)(ファテル:30)(孤児院:20)(カイエン:20)(ミーアス:20)(ペリル:20)(イーフル:10)(ミルトン:10)(トール:10)(メーアス:10)


 ……やっぱり。

 いくら“深域の森”の魔物を(ネルが)大量に退治したとはいえ、いきなり12から21は上がり過ぎだ。中級魔法の“麻痺(スタン)”が使えるようになってる……けど、“鼓舞(ラウズ)”? これも初めて見るな。

 小さい子たちの頑張りと関係あるんだろうか。


「アイクヒル」


 先頭が停止の合図を送って、全体が止まる。カイエンさんが呼ぶ声に、ネルがぼくを見て頷いた。後方の守りを一時任せて、列の先頭に向かう。途中でイーフルとすれ違った。入れ替わりで年少組のサポートに入ってくれるようだ。


「どうしました」

「妙なんじゃ。まだ崖が明るい」


 四百メートル(四半ミレ)ほど先に、崖に出る穴が()()()()()。日中の数刻しか日の差さない地底なのだから、暗くなっていもおかしくないはずだ。


「理由はともかく、明るいのは良いことじゃがの。問題はあれじゃ」


 子供が泣いているような声。崖か、その下の森から響いているように聞こえる。子供の泣き声にしては、異常なほどに大きい。


「もしかして、新種の魔物とか? 子供の泣き声で、人間を捕食するような」

「わからん。そんなもんは聞いたことがないのう」

「ぼくが見てきます。みなさんは、ここで待機。いざとなったら……」

「わかっとる。女子供だけは何としても逃してみせるわい」


 ぼくは“隠遁(ステルス)”を掛けて、崖の出口に向かう。戦闘能力はないけど、逃げ隠れするのは得意だ。

 “探知(サーチ)”の範囲に魔物らしき反応はない。崖の出口に差し掛かったところで、明るい理由がわかった。天井に見えていた地表につながる開口部(あな)が、かなり大きく崩れている。光の差し込む角度が広がって、いままでより日照時間が伸びたのだ。カイエンさんのいう通り、それ自体は良いことだ。崩れた理由は気になるが……


「うぇッ⁉︎」


 森を見下ろしたぼくは、思わず声を上げる。

 開口部が崩れた()()は、わかった。何がどうしてそうなったのかの()()は微塵もわからなかったが。


「……たぁぁああしゅけてぇええ……!」


 森の中心に堆積した落下物が巨大な山になっていて、その頂上に頭から龍が刺さっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ