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愚者、愚かなものよ  作者: まっきよ
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愚者 勇者見据える腹が立つ

俺、黒島は白島の部屋のドアをノックした。


すると、「誰だい?」なんて呑気な声が聞こえたから「黒島だ。」と答える。


すると、10秒くらいの間を空けて、「入っていいよ。」と言われた。


今の間に疑問を覚えるが今はスルーしておく。


まずは、白島に不信感を与えないように他愛ない会話で話しかける。




「いや、俺まだ眠れなくってさ。


そっちはどうなんだ?王様や王女に面と向かって。


しかもみんなを纏めるなんてこんなところでよく出来るな。


まるで、イケメンメンタルの塊だな。


それに比べてうちの担任は…全くだな。


アイツは元の世界に帰ったら訴えてやろうぜ。


白島くんが全部仕切ってましたー。


先生は役にも教卓にも立てない雑魚でしたって。


まぁ、俺も「勇者」なのに結局みんなの前になんて出れなくてな。


何やってんだろうって。格好つかないよな。」




まぁ、よくターゲットの前でこんな言葉がスラスラと。


今だけは自分の雄弁さが光ってることを痛感する黒島。


「いや、アレは学校でよくやってたクラス委員の延長だよ。


自分が「勇者」?だからその優位さを前に出して相手の思うような行動を取らせないようにしてただけなんだ。権力のゴリ押しだよ。


それにみんなはいつも通りに接したら付いてきてくれたってだけだから、自分が特別とは思ってないよ。


だってさ、ほら、知りたいかい?僕のスキルだよ。


「聖剣生成」だってさ。君も持ってるだろ?


まぁ、実戦もしていないし、レベルを上げるっていうのが結局は大事なんだろうけど。


そういえば実戦したいって人がいるかどうか確認してなかったね。


ああ、抜けてるなぁ。


黒島くん、どうやら自分は疲れているみたいだ。


できれば、同じ勇者として力を貸してくれないかな?


僕は君となら同じ苦労を分かち合えると思うんだ。」




そんなことを白島は言いながらベッドに背中から寝そべった。


残念だな白島、お前の手は取れないんだ。


今のお前はどう見ても好機なんだ。


あからさまに。それとも誘っているのか?


俺はお前を殺す気なんだぞ?


他人を、人を引き入れておいて、もっと警戒とかしていないのか。周りとは違う行動してこの部屋まで訪れてる俺の異常さをコイツは何も思わないのか?


白島のあまりの無気力さに黒島は思わず要らないことを言ってしまった。




「お前何なんだよ?教室で見たお前は完璧超人だったぞ。


なんでそんなひ弱な野郎演じてんだよ。


俺の知っているお前はそんなんじゃ無かったぞ。


今のお前じゃ誰だって殺せる。」


白島は一瞬驚いたような顔をしてすぐに言葉に的確な言葉で返してくる。




「僕は特別じゃないってさっき言っただろ。


それこそ雄弁こそ虚勢を張るだけだとなんとでも言える。


君が僕の学校生活以上のなにを知っているんだい?」




思わず言葉に詰まる黒島。


白島も少しは余裕が見えてきたのか、それとも無意識に言葉を探っていたのかさらにこんなことを言ってくる。




「しかも殺せるって何さ。


そんな冗談で僕の気持ちを動かそうなんてやめた方がいいよ。


見苦しいし、それは君のためにならない。


しかも僕は自分の嫌いだって、嫌だってところも分かってる。


ねぇ、黒島くん?君ぃ、他に何か用があったんじゃないかな?」


そう言ってさっきよりも鋭い視線で問いかけてくる白島。


思わず怯みそうになる黒島。


もうこれ以上の警戒も無意味。


ナイフを「収納」から取り出す。


「収納」はデメリットとして収納しているものの分、魔力を消費する。


しかし、愚行のデメリットには逆にそれ以外のデメリット効果を軽減する効果があるようで、

武器庫の荷物がバカにならなくても大丈夫という利点が今回は愚行に限っていい仕事をしている。


つまりこの状況で愚行がなければ「収納」要求する魔力の要求値を持たない黒島はナイフを隠し持てない。


黒島がどこからともなくナイフを取り出したのを見て、白島は面白そうに肩を鳴らしてこう言った。




「へぇ、そんなもの持っていたんだ。


そんなに用意周到な感じじゃ、どうしても僕じゃなきゃダメみたいだね。


交渉決裂だよ。


勇者は1人しか生きれないのかな?


まさかだけど。


しかし困ったな。ナイフだけじゃないと何を出してくるかわからない。


それだと勝ち目が薄い、よくて自爆だってされるかもしれない。


そしたら勇者同士の対決なんだからどちらも致命傷だなぁ。」




そんなことを言ってる白島を見つめ黒島は緊張していた。


相手が生粋の護身術相手だったりとかしたら勇者の時よりステータスが下がった俺は速さで組み伏せられる。


どうすれば指輪を使わせることができるかと。


毒の指輪なんてものがあるとはさすがファンタジーだが、いらんお喋りで最高のチャンスを逃した。


そう思っている矢先に白島はある提案をしてきた。


それは殺しにきた俺をも驚かすには十分であった。




「君も僕も至らしめるモノを持っていない?或いは使えない。そうだろう?ならこんなのはどうかな?」






















「ジャンケンで勝負しよう。」



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