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生きる意味。

作者: 雨雲

僕は今、中学生3年生だ。


友達も多い、好きなスポーツもあって熱中することができる、

異性と接することが苦だと思ったことは一度もない。






少し前までは後輩の彼女も居た。


笑顔がとても可愛らしくて、どうしようもなくいとおしい。



別れを告げることばかりの自分が、


離したくないと思えるほどだった。



二人で過ごす時間は無情にも少なく、


それでも何より尊く価値のある時間だった。


振り返っても思う。幸せだっただろう、と。




これほど愛したことはなかった。


これほど尽くしたことはなかった。


誰よりも大事だと、心の底から思った。




誰からみても相思相愛で、羨ましがられるばかりだった。




終わることはないと、思っていた。





特に何かあった訳でもない。


冷たい態度をとった訳でも、愛が不足していた訳でもない。


特出した事象など、何もなかった。





それでも、


好きかどうかわからない、と告げられた。


何が悪かったのか、考え続けた。


授業はもちろん、友人との会話でさえ集中できなかった。


受験を控えた自分に、不安が重くのしかかった。


どうすれば、何をすれば戻ってくるのか。


数分おきに考えるほどだ。




自分を変えようと必死だった。


サプリメントや心理学、食生活など、


恋愛に必要だと思うことはなんでもした。


出費を気にする余裕もなかった。




離れかけた心を繋ぐのは難しい。


どう足掻いても無駄だった。


別れを告げられ、新しく好きな人が出来たとも言われた。


溢れそうなほど大きい愛が、一瞬にして毒と化した。


僕の心を蝕み続ける毒へと。


声をあげて泣いた。


生きる意味を、目的を、理由を、失ったのだから。




それからは、立ち直ることに全力を注いだ。


思い出しても、あまり気にせず過ごせるようになった。







ただ、心に空いた孤独という穴は、塞がることはなかった。


何のために生きているのか?


将来金を稼げる仕事について、その金で何がしたいのか?


漠然と考えるその「将来」は、意味のあるものなのか?


自問自答をひたすらに繰り返した。


そして、思った。





あぁ、面倒だ。


目的がなければ努力のしようがない。


やりたいことがないなら意味もない。


生きている上で、対人関係を断ち切ることはできない。


恋愛も、友情も、あったところで何になるのか。




友達と話すと楽しい。


異性を口説くと気持ちが高揚する。




でも、それが自分にとって何になるのかと問えば、


何にもならないと答えが出る。





何かのために何かをしようとしても、


それを上回るマイナス要素が次々と出てくる。


結局、プラスになんてならない。





無駄。


何もかも無駄。





生きるのも面倒だと思っても、死ぬのも面倒だと思ってしまう。


死んだところで、家族の出費がかさむだけだ。


葬式をあげられても、金の無駄にしかならない。



何をしても無駄になる。




必死に学んだ心理学や、整えた生活環境も、


結局「無駄」になった。




面倒な事をして、無駄を生んだ。


行動を起こすことに、何の意味があるんだろうか。







空からの水滴が、行動を拒むように身体を濡らす。




荒んだ心を写したような空だ。










今日も学校は、休もうかな。

これは僕が最近体験した物語です。


何が伝えたい、というのはありません。


男子中学生の内に秘めた思いを知ってほしいと思い書いた次第です。

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