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High-End-Arm  作者: 紅雫
8/11

M−7:『・・・あれは』

−宇宙−

そこに漆黒の槍を持ち、そしてその槍と、同一のカラーリングが施されたHEAが1機格納庫のような場所にいた。

そしてそのコクピットハッチの前には紺色のパイロットスーツを着たダークブルーの長髪の男がヘルメットを片手に持ち立っていた。

男はそのHEAを見つめ黒い笑みを浮かべコクピットに入った。

ハッチは閉まりHEAのカメラアイが紅く光りが灯った。

そして、そのHEAはバーニアを点火させ漆黒の宇宙へと飛び立った・・・

それは漆黒の槍を持つミュトスだった・・・

−地上アフリカ大陸砂漠地帯−

ヘイト達は今この地で身を隠していた。

「ふぅー、ヘイトめヘイムダルを雑に扱いやがって・・・こっちが整備する身にもなれってもんだ」

ウィンロッドは文句を吐きヘイムダルの関節部の調整を行っていた。

ヨルズと、ノートは整備が終わったらしくデッキに固定されていた。


「………………」

食堂に銀髪の少女、ミオの姿があった。ミオは両手でマグカップを包み中に容れられているココアを虚ろな瞳で見つめていた。

その姿をリンスは見つけミオに後ろから抱きしめた。

「ミ〜オちゃ〜ん」

リンスは自分の頬をミオに擦り付けた。

「……リンス………」

ミオはマグカップから手を離しリンスの腕を掴んだ。

「およ?どうしたの?」

リンスは頭に?を浮かばせミオの顔を覗き込む。

「……ヘイト…変……」

ミオはリンスの腕に顔を埋め呟く。

リンスは優しく微笑みミオを向かい合わせ再度抱きしめた。

「大丈夫・・・みんな色々な事が在って気持ちの整理が出来ていないだけだから・・・ミオちゃんは心配しなくて良いよ」

リンスは優しくミオの背中を摩った。

ミオは顔を上げリンスの瞳を見つめた。

「……リンスも…辛い?…」

そのミオの言葉にリンスは表情を曇らせる。だがすぐにそれは消え笑顔が戻った。

「ふふ・・・そうかな?私も色々在ったからかな?」

「……話し…聞くよ?……」

ミオは腕をリンスの背中に持って行った。そして抱きしめた。

「・・・うん」

リンスの瞳からは涙が零れていた・・・


ブリッジにはセツカ、ジン、ユウキがいた。

「これで一端は此処も落ち着きますね?」

ユウキはキーボードを叩きながら言った。

「あぁ、そうだな・・・だがリベレイターが存在している限りまた、やってくるだろう」

ジンは外の映像を見つめる。周りは全て砂漠の映像が映し出されていた。

「・・・どうした、セツカ?」

ジンは俯き考え込むセツカの様子に気付き問う。

セツカはジンの声に反応し顔を上げる。

「いえ、・・・どうしてリベレイターはこんなことを・・・って思っていただけよ」

「確かに、リベレイターの目的とは一体何なんでしょう?」

ユウキも不思議がりながらセツカの言葉に同意する。

「世界の破壊・・・とかかもな」

ジンは腕を組み苦笑しながら答えた・・・その時、ヴォルヴァのセンサーに何かが引っ掛かった。ブリッジ全体に警戒音が鳴り響いた。

ユウキは画面を見つめキーボードを叩く。

「十時の方角にゼニウスと思われるHEAを数十機確認しました!」

「ちっ・・・見つかったか」

ジンは急ぎ操縦桿を握った。

「仕方ないわ・・・ユウキ、ミュトスの発進を!」

「了解!」

ユウキは戦闘準備を報せ、パイロット達をデッキに向かうように命令する。



部屋全体に警戒音が鳴り響いた。

明かりを点けず暗い部屋のベットにヘイトは座っていた。

「・・・敵か?」

ヘイトはゆっくりと、立ち上がる。

最近ヘイトは夢で過去の出来事を見ていた。親が黒いHEAに殺される夢だ。

(なんで、いきなりあの出来事が夢で・・・)

ヘイトは忘れるように首を振る。そしてドアを開けデッキへと走った。


HEAデッキにはすでにミオとリンスがミュトスに乗り込んでいた。

「……リンス…さっきの話し…本当…?」

ミオは手前に位置するディスプレイを指で弾き聞く。

「・・・まだ確証は無いけどね?でも、可能性があるの・・・もし“あれ”が完成しているなら世界は・・・」

リンスはキーボードを弾きながら答えた。ディスプレイには『MYTHOS-YOLZ』と、映し出された。

「ヨルズ、右舷カタパルトデッキに搬送します!ノートは左舷カタパルトデッキへ!」

ユウキの声と同時にヨルズは右舷カタパルトデッキヘ、ノートは左舷カタパルトデッキへと移動された。

「ヨルズ。カタパルト接続を確認しました!システムオールグリーンです。ハッチ開放・・・発進タイミングをヨルズに転送します」

ヨルズはカタパルトにレッグが固定される。

(もし・・・あれが・・・いえ、今は戦闘に集中しなきゃ・・・)

リンスはディスプレイを見つめ発進タイミングを確認する。前方のハッチが開いていく。

「ヨルズ・・・敵を粉砕してきます!」

カタパルトはスライドし、ヨルズはスピードを上げ出撃した。

「続いてノートの発進準備を開始します!」

ノートもカタパルトデッキに搬送され、カタパルトにレッグが固定された。

「……システムオールグリーン…………」

ミオはディスプレイを見つめ異常が無いか確認する。

「ノートシステムオールグリーン、カタパルトコントロールをノートに転送します」

「……了解……」

ノートの前方のハッチが開く。

「……ノート…行くよ………」

カタパルトはスライドし、ノートは外へと出た。

そしてすぐに戦闘機に変形させ、ヨルズを追った。


「ヘイト遅いぞ!」

ウィンロッドはヘイトをコクピットに誘導する。

「済まない・・・ミオ達は?」

「もう出撃た。後はお前だけだ!」

ウィンロッドはコクピットから離れる。それと同時にヘイムダルのコクピットハッチが閉まる。

『オイ!ヘイト。また、無茶苦茶な操縦をするなよ!?後が(俺が)大変なんだからな!!』

ウィンロッドは外からヘイトに通信をいれ注意した。

「・・・努力はする」

『うぉい!?ヘイ・・・』

ヘイトはウィンロッドからの通信を躊躇しないで切った。

『ヘイムダル右舷カタパルトデッキに移行します』

ヘイムダルは右舷に向かいカタパルトがスライドした。

『カタパルト固定。ハッチを開放します。』

ユウキはスムーズに作業を済ましていく。ヘイムダルの前方のハッチが開いていく。

『・・・システムオールグリーンです。コントロールをヘイムダルに移します。ヘイムダル発進どうぞ』

ヘイトはグリップをにぎりしめる。

「了解・・・ヘイト・ディスター。ヘイムダル・・・出る」

ヘイトはグリップを前にスライドさせる。カタパルトはスピードを上げ開いたハッチに向かってスライドした。

その勢いを殺さずヘイムダルは発進した。

「・・・戦闘はもう始まっているのか?」

ヘイムダルの前方には粒子、爆発の光が数多く光っていた。




「今度こそ首を戴くぜ!バケモン!」

アッシュの朱いゲリは剣を抜き空中にいるヨルズに向かって地面を蹴りジャンプした。

「誰がバケモンよ!?バケモンはないよ〜!?」

リンスは頬を膨らませ向かってくる朱いゲリに向かって両マニピュレータで持っている二丁の粒子ライフルを放った。

「そんなモン当たるかよ!!」

朱いゲリは右側の全てのバーニアを点火させ、それをかわした。だが、その後ろにいた4機のゲリは交わしきれずその粒子に飲み込まれ爆発した。

「ちっ!どうやら俺は隊長なんて柄じゃねぇってか?だが、間合いは貰ったぜバケモン!!」

朱いゲリはその剣でヨルズの左の粒子ライフルを叩き潰した。粒子ライフルは爆発した。

「アアアアア!!もう許さないんだから!」

ヨルズは手首部に隠された粒子サーベルを抜き、ゲリの剣を一刀両断した。

「クッ!まさか剣まで装備されていたのか・・・」

アッシュは脚部のバーニアを点火させ、着地する。

だが、すぐに新たな剣を抜き向かって来るヨルズのサーベルをその剣で受け止めた。

「なっ!?」

ヨルズのサーベルの刃がゲリの刃と反発した。

「アンチビームコーティングこれなら!」

ゲリは脚部に装備されたダガーを抜きヨルズのコクピット部分を狙う。

「くっ、粒子フィールド展開・・・」

ヨルズの回りに球体状のマカライトの輝きを持つ粒子が覆う。

だが、

「やっぱり、その刃も・・・」

ゲリの刃はヨルズのフィールドを貫通した。

「・・・グッ!」

リンスは咄嗟に右のマニピュレータに装備された粒子ライフルでそれを防いだ。

ダガーはライフルに突き刺さり爆発する。

その爆発は2機のHEAを包み込んだ。




ノートは戦闘機の形態のまま、ゲリ達の射撃を避ける。

そして旋回し、右翼のライフルを放ちゲリを1機破壊する。

だが、オレンジカラーのゲリからの弾丸がノートに襲う。

「……!!………」

ミオはそれをノートを変形させ、シールドで受け止めた。

「やっぱり防ぎますか」

レンカはライフルをさらに放った。

「……………」

ノートはその射撃により動けずにいた。

そして左右からゲリが近づき剣をノートに振り下ろした。

「……ッ!……」

ノートはライフルを捨て腰部に装備されたサーベルを抜きそれを右のゲリのコクピットを狙って投げ突き刺した。

そしてさらにサーベルを抜き左のゲリのコクピットを貫いた。

2機のゲリはスパークし、爆発した。

「なっ!?」

ノートはそのまま接近し、サーベルでレンカのゲリのレフトアーマを切り落とし胸部を蹴った。

「きゃぁ!」

ゲリは吹っ飛び、砂の上に落ちた。

そしてその機能は停止した。

「………………」

ミオはそれを見届けサーベルを直す。

「……!………」

突然ノートに向かって上空から粒子兵器が襲いかかった。

「……粒子兵器!?…………」

ミオはそれをシールドで防いだ。

上空をみると漆黒の槍を持つミュトスがそこにいた・・・



「アキラ!!」

リオウは叫びヘイムダルに粒子サーベルで切り掛かる。

「・・・リオウ!」

ヘイトもサーベルを抜きそれと鍔ぜり合う。

粒子と粒子がぶつかり合い反発エネルギーが生まれる。

「どうしてお前は戦っている!?お前だってリベレイターの行いを見た筈だ!!なのにどうしてお前は俺達と戦い続ける!?」

「俺は・・・俺達は奴らとは関係ない・・・これは俺達の戦いだ!」

ヘイトはサーベルを弾きそしてバイオレットカラーのゲリの腹部を蹴り飛ばした。

「そんなエゴが通じるとでも思っているのか?」

ゲリはバックパックのバーニアを点火させ、体制を立て直し空中に停滞する。

「世界は誰かが変えなければなにも変わらない!だから俺達はその鍵となる!」

ヘイムダルはライフルを放つ。

それを脚部のバーニアを使いリオウは右に避ける。

そして実弾ライフルを構えヘイムダルに放つ。

「それなら他にも方法が有ったはずだ!?戦い以外でだ!!」

ヘイムダルはシールドを構えそれを防ぐ。

「戦いが・・・戦いそのものに意味が有るんだ!」

ヘイムダルはサーベルで切り掛かる。

「どういうことだ!」

ゲリのライフルは切断され爆発する。

「それで人類は過ちに気付く・・・哀しみの世界をな!」

ヘイムダルはさらに追撃する。

「だが、お前が戦えば戦うほどその犠牲になっていく者達が増えていく!」

リオウは再度サーベルを抜き鍔ぜり合う。

「そしてお前のような存在が増えていく!」

ゲリとヘイムダルは同時に離れゲリは機関砲で牽制する。

「お前も気付いている筈だ!!」

リオウは叫ぶ。親友ともに。ヘイト・ディスターではなくアキラという少年に。

その言葉が届いたのかヘイムダルはその場に硬直した。

「これ以上哀しみを増やしてはいけないんだ!」

「だが、今止めれば今までの犠牲が全て無に帰る!」

ヘイムダルはサーベルをゲリに突き付ける。

「それでも過ちは正さなければならない!」

リオウは粒子の刃を突き付けられても微動だせずヘイムダルを見つめる。

「・・・お、俺は・・・僕は・・・」

ヘイトの手は震えた。そして、ディスプレイの先にいるHEAを見つめる。

だがその時ヘイムダルのコクピット中に警報音が響き渡った。

そしてその後上空から粒子兵器によると思われる攻撃がきた。

「なんだ!?」

ヘイムダルはシールドを構えそれを防ぐ。だがその後シールドに何かがぶつかりヘイムダルは地上に落ちた。

「アキラ!」

リオウはその後を追う。リオウからは、はっきりと見えた。粒子攻撃の後ヘイムダルのシールドに黒いHEAが粒子の刃を持つ槍で切り掛かりそのまま地上に落としたところを・・・

「・・・くっ」

ヘイトはヘイムダルの体制を立て直す。下が軟らかい砂地のお陰で機体のダメージは無かった。

「さっきから聞いてりゃ、“理想”、“犠牲”やら堅苦しい事を喋ってんじゃねぇよ!!」

「・・・誰だ?」

ヘイトはディスプレイの映像をアップにし、前方の機体を見る。

「戦場にはなそんな堅苦しいモンは存在しねぇんだよ!」

そこには漆黒の槍を持つ漆黒のHEA、ミュトスがいた。

「あ、あれは・・・あいつは!」

ヘイトは過去の出来事がフラッシュバックする。

10年前自分の両親を殺したHEA。それが今目の前にいた。

「有るのは生か死・・・それだけだろが!」

漆黒のミュトスは槍の刃から粒子の刃を出す。そしてヘイムダルに切り掛かる。

「貴様は!」

ヘイトはサーベルを抜きそれと鍔ぜり合いを行う。

ジジジという粒子同士がぶつかり合う音が響き渡る。

「貴様の性で!!」

ヘイムダルはシールドの先端の粒子砲から刃を造り出し漆黒のミュトスに振り下ろす、が漆黒のミュトスは槍の反対の柄から同じ粒子の刃を造りサーベルの刃を跳ね退け反対の刃でそれを受け止めた。

「ハッ!なんかオレに恨みが有るらしいが生憎オレは他者に恨みは買いまくりなのよ!テメェがなんだかしらねぇが命令なんでな?消えてもらうぜ!」

漆黒のミュトスは体制を低く屈む。

「グングニル・・・」

槍は全体が孔雀石色のような光りが包み込み。先端の刃はさらに鋭く変わり一瞬でヘイムダルのレフトアーマーをえぐり取った。

「な、なに?」

ヘイトはその槍の突きが見えなかった。ヘイムダルのコクピットには常に警報音が鳴り響く。

「ケッ!邪魔が入ったか」

漆黒のミュトスは背後を振り向く。そこにはリオウのゲリがいた。

「中々腕は立つようだな?あの突きの速度を予測し銃弾を放ちオレの機体の腕に命中させ、狙いを反らせるなんてな。それさえなけりゃアレの心臓がえぐれたんだがな・・・」

漆黒のミュトスはリオウに向かい槍を構える。

「くっ・・・」

リオウはサーベルを抜く。だがそのサーベルにはエネルギーが殆ど残っていなかった。

「機体のスペックが同じならチットはやり合えたんだがな?残念だ・・・」

漆黒のミュトスはリオウに切り掛かる。

バチッという粒子の音が響き渡る。

「チ、死に底ないが!!」

漆黒のミュトスの脇腹部分をヘイムダルのサーベルの刃が掠める。

「貴様にこれ以上奪われて堪るか!!」

「・・・アキラ」

リオウはその光景を見つめる。さっきまで自分と戦っていた相手が自分を守る為に戦っていたからだ。

(アキラ・・・お前は何も変わっていなかったのか・・・)

漆黒のミュトスはヘイムダルに突きを入れる。

だがそれをヘイムダルはかわしていく。

(・・・お前の易しさは)

「死にぞこないは死にぞこないらしくしてろってんだよ!!」

漆黒のミュトスの槍はまた、孔雀石色に輝き出す。

だがそれは上空から現れたライトアーマー、ウイングを失った、ミュトス・ノートによる粒子砲に寄り防がれる。

「テメェもか!失敗作がっ!!」

漆黒のミュトスはヘイムダルの横に降り立つノートを見つめる。

「……お前は有っては成らない!……お前のような存在は私が斬る!!」

ノートのシールドに装備された粒子の刃は常時の約2倍ぐらいまで伸びる。そしてそれを漆黒のミュトスに向かい切り掛かる。

「有っては成らないだぁ?ふざけんな!!成らないのはテメェだろうがぁ!!」

ノートと、漆黒のミュトスは激しい鍔ぜり合いを続ける。何回も、弾き返し何回も鍔ぜり合う。

「テメェみたいな人形とはオレァ格が違うんだよ!」

漆黒のミュトスのレフトレッグ、爪先から現れた碧の光りを放つ粒子の刃がノートのライトレッグを切断する。

「………くっ……」

「人形が人様に逆らうんじゃねぇよ!!」

ノートの頭部が槍に貫かれ爆発する。

そしてノートはその場に崩れ落ちる。

「ッ!!ミオ!!」

ヘイトは叫ぶ。そしてバーニアをフルに使いノートの所に向かう。

「ったく・・・面倒を掻かせやがって・・・まぁ、これで最期だなぁ、ゴミを残していたら環境に悪いからな。処分しなきゃな」

漆黒の槍がノートのバックパック部分に向かって構える。

「くっ・・・間に合わない」

ヘイトはめい一杯バーニアを吹かす。

「じゃぁな・・・」

漆黒のミュトスは槍を振り下ろす。

「俺はもう失いたくないんだ!!!!」

その時、ヘイムダルのディスプレイに『SYSTEM-RAGNARK』という文字が浮かび上がった。そして同時にヘイムダルの動力部に位置する胸部部分からユグドラシルの孔雀石の輝きが装甲の隙間から漏れ出した。

「うぁあぁああぁ・・・!!!!」

そのスピードは漆黒のミュトスのスピードを軽く凌駕していた。

ヘイトは漆黒のミュトスの頭部をライトマニピュレータでわしづかみにし、そのまま投げ飛ばした。

「ぐぁっ!?なにぃ」

漆黒のミュトスは槍を砂地に突き刺し体制を直す。

「はぁぁぁ・・・!!」

ヘイムダルはサーベルを抜きミュトスに切り掛かる。

サーベルの刃の光りは紅く輝いていた。

「何なんだ!?一体!!」

ミュトスは槍を構え粒子の刃で受け止める。

だが漆黒の槍はヘイムダルの粒子の刃に耐え切れず熔解し、ライトアーム事切断された。

「チッ!聞いてないぜ!?あんな機能をよッ!!」

ミュトスは切断されたライトアームを庇いバーニアを点火させ撤退する。

「逃がすか!!」

ヘイムダルはそれを追おとしたが・・・

『ERROR』と、ディスプレイに表示され動きを停止した。

「くそ・・・」

ヘイムダルからはもう孔雀石色の輝きは失っていた・・・


機体解説


【リベレイター】

(ミュトスタイプ)

『ミュトス・オーディン』

(MYTHOS・ODEN)

型式番号 RM−L0

頭頂高  18.0m

本体重量  6.0t

全備重量  7.5t

ジェネレーター出力

24000kw

スラスター総推力

60000kg

センサー有効半径

8000m


武装

高粒子槍『グングニル』×1

粒子刃×4

粒子マニピュレータ砲×2


(説明)

新たに現れたミュトス。リベレイターが管理している。

機体のメインカラーのブラックはミュトス・ノートと重なるが漆黒の槍が目立つ機体。

10年前にも現れておりヘイト・ディスター(アキラ)の両親を殺害した張本人。機体性能は従来のHEA(ミュトスも含む)を越えておりヘイムダル達のユグドラシル鉱石とはまた違いそれを越える“ユグドラシルの原石”が使われている。これはユグドラシル鉱石とは違い全く不純物が入っていなくエネルギー生産率が向上している。だがその分数が少なく貴重な物質となっている。

オーディンには特徴とも言える槍グングニルは両方の柄から粒子の刃を出現させる事が可能である。

粒子の出力は高くこれのエネルギーを完全開放しての突きは粒子による残像が現れ敵の視覚を麻痺させ突きを命中させる。

あと、爪先部、甲部には粒子の刃を発生させる事が可能。これにより格闘戦はさらに有利となった。

さらに両マニピュレータに装備された粒子砲は射程も長く威力も高く造られている。

少し近接戦寄りに見えるが機体のバランスはよく機動力も高く回避能力、耐久力も他のミュトスより向上している。機体の名前はその槍で分かるように『主神・オーディン』からきている。

北欧神話で有名な『戦争・死を象徴した神』である。

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