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High-End-Arm  作者: 紅雫
6/11

M−5:『・・・過ちは正さなければ・・・』

−ユーラシア大陸中東部−


「……………」

ノートは発砲を行っているゲルを粒子ソードで切り伏せる。

「こんな事するなんて」

ヨルズは大型粒子砲を構えゲルに放つ。

ゲルは数機巻き込まれ爆発した。

「・・・虐殺者が」

ヘイムダルはサーベルを抜きゲルの腹部を突き刺し爆発させ、浚に新たに装備されたシールド粒子ライフルを発砲し、射程内のゲルを破壊していった。

「………行こう……」

ミオは最後のゲルをサーベルで寸断にし、ヘイトに言う。

「・・・くっ」

ヘイトはゲルの残骸を見つめ奥歯を噛み締める。

「行きましょ〜。ヘイトさん」

リンスは機体をヘイムダルの横に移動させヘイトに言う。

「・・・あぁ」

ヘイト達はこの中域を離脱した。

ヘイト達は今、リベレイターのHEAの破壊を行っていた。だが、彼等はゼニウスとも闘っていた。




 * * *


4日前

「そんなリベレイターが!?」

セツカはヘイト達の報告を聞いて驚きを隠せなかった。

「本当なのか?それは・・・」

ウィンロッドはリンスを見る。

「えぇ、本当です。叔父様・・・」

リンスは目を反らし小さく答える。

「だが、リベレイターは今まで軍関連の施設だけを破壊していた筈だ・・・なんで今になって」

ジンは腕を組み壁にもたれかける。

「………多分、私達のせい………」

ミオはパソコンのキーボードを叩きディスプレイにある映像を映し出す。

「これは・・・」

ジンは腕を組むのをやめ映像を見つめた。それは今まで自分達が破壊してきた施設に赤いマークが付いた世界地図だった。

「恐らく、俺達が奴らの仕事をしていたので奴らはその分余裕が出来て本来の目的の人類抹殺を開始したのだろう・・・」

「・・・ッ!!」

セツカは口に手を宛てる。そして、よろめく身体をジンに支えて貰う。

ミオは浚にキーボードを叩くと今度は黒い点が数十個現れた。

「……攻撃された街………」

ミオは小さく呟く。

「おいおい・・・こりゃぁかなりの数になるぞ」

ウィンロッドは映像を食い入るように見る。

「こんな事を何時までも続けさせてはいけません」

リンスはウィンロッドの目を見つめる。

「・・・あぁ、そうだな」ウィンロッドはそれに肯定する。

「だから、俺達はこれからリベレイターを攻撃対象にしようと思う・・・」

ヘイトはセツカを見る。

セツカは黙ったまま俯いている。

「これは俺達の提案だ・・・決めるのはあんただセツカさん」

「だがヘイト?それじゃぁゼニウスと共闘するということか?」

ジンはセツカを支えながら問う。

「……私達はリベレイター…………」

ミオは映像を消し呟く。

「私達は私達のやり方で世界を変えます」

「目的は変わらない・・・標的にリベレイターが加わっただけだ」

「“だけ”て、オイ・・・相手は大組織なんだぞ!?そんなこと出来るわけが・・・」

ジンは呆れたように言う。だがヘイトは

「出来る・・・ミュトスならやれる俺はそう信じている」

「ハハハッ!!気に入ったぜボウズ!その船に俺は乗ったぁ!!」

ウィンロッドは高笑いし、ヘイトの背中を数回叩いた。

「オイ!?オッサン・・・」

「誰かが必ずしなければいけない・・・それをこの子達がやろうというんだ・・・大の大人が手を貸さずにはいられんだろ?そうだろ?セツカちゃん」

ウィンロッドはセツカの肩に手をのせる。

「・・・そうですねウィンさん・・・過ちは正さなければいけませんもね」

セツカはゆっくりと顔を上げウィンロッドに微笑む。

ウィンロッドも、ニッと笑い返した。

「セツカ・・・」

ジンはセツカの言葉に驚くが彼女が何時もの状態に戻っているのに安心した。

(まったく、相変わらず無茶な事が好きだな・・・元夫して、ヒヤヒヤするぜ)

ジンは呆れながらもセツカの事は心配した。

「それでは、私達は今をもって反リベレイターとして、活動を開始します。目的はリベレイター及びゼニウスの掃討!」

これは茨の道なのかもしれない・・・だがヘイト達はその道を突き進む事を選んだ。哀しみの世界を創らない為に・・・

「まずはユーラシア大陸からリベレイターを排除しよう・・・あそこは広い性か被害が酷い」

ジンは操縦桿を握る。

「そうね。ヘイト達はHEAデッキで待機してて・・・着いたら直ぐに戦闘だから」

「・・・了解」

「は〜い」

「………ん…………」

ヘイト達はブリッジを後にした。

「じゃぁ、俺も行くか・・・ヘイムダルの新装備の調整をやらなきゃならんし・・・」

ウィンロッドはヘイト達の後に続くようにブリッジを後にした。

「ふぅ・・・」

セツカは溜め息を吐きながらシートに座り込んだ。

「どうした・・・これからだってのに」

ジンは振り向き苦笑する。

「大変な事になったんだなと思うとプレッシャーが・・・」

「バシッとしろよ?何時ものように艦長さん(笑)」

「もう!ホントは思ってないのにそんな風に呼ばないでよ!」

セツカは頬を膨らませ不機嫌面になる。

「・・・その歳でそんな面してもあんまり意味がないぞ?」

ジンは笑いを堪えながらセツカの顔を見る。

「ムキー!!!!年増って言うなぁ!!まだまだ現役よ!!そんな事より早く艦を発進させなさーい!」

セツカは両腕を振り回し叫ぶ。

「はいはいっと」

(まったく、子供か?お前は・・・いい年して・・・それに俺は年増とか一言も言ってないぞ?)

少し呆れながらジンは操縦桿を握り直し艦『ヴォルヴァ』を発進させた。

銀色の戦艦は浮上し、目的地ユーラシア大陸へと向かった。



機体説明


(戦艦)

『ヴォルヴァ』

(:en:V=lva)

全長 ???

総重量 ???

ジェネレーター出力

9000000kw

スラスター総推力

85000000kg

センサー有効半径

9000m

武装

近接防御用粒子砲×26

高粒子収束砲×2

粒子圧縮ミサイル×20


説明

リベレイターが開発したミュトス支援専用艦となっている。

装備はミュトスのそれと同じ粒子兵器をメインとなっている。粒子圧縮ミサイルは中に高濃度の粒子が圧縮されており外部からの刺激が加わると爆発するという仕組みとなっている。

ミュトスの支援用というように格納庫にはミュトスの予備パーツや、追加兵装が格納されている。

元々は宇宙専用となっているが地上での活動も可能である。地上ではホバーリングでの移動が可能となっている。

カタパルトデッキにはミュトスだけではなく他のHEAを格納するスペースがある。だが今はヘイムダル、ヨルズ、ノートしか格納されていない。

カタパルトデッキには自動整備ロボットが数機完備されている。人手不足のこの艦には無くてはならないものなのだ。このロボットがあれば自動で機体の整備を行ってくれる。

尚、今現在の搭乗員は艦長のセツカを始め舵員のジン、整備長、機体開発担当のウィンロッド。後、未登場だが医師のアンという女性とリンスが抜けたので新たにオペレーターとして元整備班のユウキという少女がいる。

明らかな人手不足が目立つがこの人数で半リベレイターとして活動していく事になる。

因みに艦の名称『ヴォルヴァ』とは北欧神話で『巫女』という意味である。




登場人物紹介


ウィンロッド・シャルマー

身長 176センチ

年齢 40歳

髪の色 ブラック


リベレイターの機体開発を担当していた男。

彼はリンスの叔父にあたる人物である。

普段は発進されていないミュトスを大切に整備をしている。

それが彼の唯一の趣味らいし。

元々工学を得意としていた彼はリベレイターの黒髪の青年にスカウトされ、自分の技術が何処まで通じるかを知りたかった彼はそれにこたえリベレイターに参加した。(その後、姪のリンスと出会った)そして彼はリベレイターの技術、自分の技術を合わせミュトスを開発した。(リベレイターはユグドラシル鉱石のエネルギー発生技術とミュトスの設計図をウィンロッドに提供しウィンロッドは独自でそれを改良した)

だが後にヘイト達の情報によりリベレイターを脱退して反リベレイターとして参加していく。


ジン・カルス

身長 185センチ

年齢 27歳

髪の色 ブラック


ヴォルヴァの舵員をしている右頬に傷を持つ青年。元セツカの夫である。だがこのことは誰も知らない事である。

過去に子供を亡くしたショックを受けていたセツカを今まで支えて来た。

彼の傷は子供を亡くした時に出来た傷である。

セツカが何故彼と別れたかは不明。

別れていても彼は今でもセツカの力になろうとしている。(だからリベレイターに参加している。)

後にリベレイターを抜けセツカと共に反リベレイターとなる。




スズカ・ミヤノ(鈴華・宮野)

身長 158センチ

年齢 16歳

髪の色 ブラック


ゼニウスHEAを開発している会社『フューチャー』の最高責任者。弱冠16歳でその地に上り詰めた少女。

元々は彼女の父が立ち上げた会社だが彼女の父は生れつき心臓を病んでいて何時亡くなるか分からなかった。だから彼女の父は彼女に自分が死ぬ前に自分の全ての知識、技術を彼女に与えた。

アキラ、リオウとは昔からの幼なじみであり彼女は彼らの中心にいた。

だが、リベレイターの起こしたテロによりアキラを亡くし(この時はまだ彼が生きているとは知らなかった。)リオウはそれがきっかけでゼニウスに参加した。そんな彼を裏から支えたのがスズカだった。

そして今、彼女は彼女が出来る事を捜しそれを行っていた・・・

余談だが、彼女には一人の歳の離れた行方不明の兄が存在する。

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