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High-End-Arm  作者: 紅雫
2/11

M−1:『・・・ミュトス?』

BH(Black History)07年、突然の出来事だった。『LIBERATORリベレイター』と名乗る組織からの世界への宣戦布告。当初はただの小組織だと思っていたが彼等の所持していた兵器により戦火は激変した。

人型の兵器『H・E・A(High-End・Arm)“ハイエンドアーム”』これによって世界組織『GENIUSゼニウス』は苦戦を強いられた。だが、苦戦を強いられていた世界組織はある時『LIBERATOR』の技術を奪取し、自分達も『H・E・A』を開発した。

これにより戦火は泥沼状態となった。

BH17年、世界はまだ戦争を続けていた・・・



BH17年

宇宙


『−−準備はいいわね?』

艦長の女性セツカがヘイト・ディスターに聞く。

「・・・あぁ」

ヘイトはキーボードを叩きながら答える。

そしてディスプレイを見つめ最終調整を行っていた。「ジェネレーター、マニピュレーター、メインスラスター、オールグリーン・・・“ユグドラシル”安定」

『ヘイトさ〜ん時間ですよ〜!発進出来る〜?』

オペレーターの少女リンスがヘイトに問う。

「了解・・・ヘイムダル発進する」

ヘイトは連結解除のスイッチを押した。

『−……油断禁物……』

いきなりヘイトと同じパイロットの少女ミオが通信をいれてきた。

「フッ、そんなミスはしない」ヘイムダルはそのままカタパルトに接続され発進体制に入る。

『−−………少ししたら私も行くから……』

ミオはそう言って通信を切った。

『システムオールグリーン!ヘイムダル発進ど〜ぞ!』

リンスは陽気な声で言った。

(全く何時もふざけて・・・やれやれ・・・)

「ヘイト・ディスター、『ヘイムダル』出る・・・」

カタパルトはスライドしヘイムダルは宇宙空間へと出た。

「任務開始・・・」ヘイトはそのまま地球へと向かった。


地球−密林−

そこで『リベレイター』の『H・E・A』(ゲル)が7機、そして『ゼニウス』の『H・E・A』(ゲリ)が3機、戦闘を行っていた。

『ゼニウス』の『H・E・A』1機が銃を発砲する。

そして敵の『H・E・A』に直撃し爆発した。

「やるな!アッシュ」

『ゼニウス』の小隊、隊長リオウ・ハルスは腰に装備された剣を抜き敵の『H・E・A』の右肩を切りその後頭部を殴り飛ばし相手をダウンさせた。

『−−流石隊長だ。俺も負けられねぇ!』

『ゼニウス』のパイロットアッシュ・クラウスも腰に装備された剣を抜き敵に切り掛かりにいく。だが、敵は銃を発砲してきた。

『おせぇ!』

アッシュはそれを右にジャンプして地を蹴りながら敵の懐へ一気に積めた。

『あばよ!』

アッシュは握っていた剣を相手のコクピットに突き刺した。バチチッと機体はスパークし爆発した。

敵の『H・E・A』は爆発して砕けた。

「アッシュよくやった・・・レンカ残りをたのむぞ」

『了解、隊長!』

そういってレンカは残りの敵機を長射程用ライフルを発砲し破壊していった。

「よし!それまでだ!二人ともよくやってくれた」

リオウはそう言いコクピットを開きヘルメットを脱いだ。

「今回も皆無事に帰れますね」

レンカもコクピットを開きヘルメットを脱いだ。


「本当だぜ。だが少し歯ごたえがなさすぎだな」

コクピットを開きアッシュは愚痴を零す。

「まぁ、良いじゃないか。今日も生き残れる事が出来たんだから」

「そうですよ、アッシュ」

レンカはクスクス笑う。

「じゃぁ、戻りますか?」

レンカはそう言いコクピットを閉めた。

その時、レンカのH・E・Aのセンサーから警戒音が鳴り響く。

「隊長!アンノーン(未確認機体)が接近してきます」

レンカの機体は長射程用にセンサーの範囲が通常の機体より1.5倍まで拡げられている。

「なんだと!?だがこの辺りの敵は全て破壊したはずだ!まだ生き残りがいるのか?」

アッシュはコクピットを閉じ銃を構える。

「待ってください!・・・これは!?」

レンカはディスプレイを見て驚く。

「どうした?」

「アンノーンは宇宙から来ます!」

「なんだと!?」

リオウ達は驚く。それは今までに有り得ない出来事だったからだ。

「アンノーン確認!」

レンカは叫ぶ。

レンカのディスプレイにはその機体が映し出される。

アンノーンは白を基準にしたボディをしていた。

そして、今までのH・E・Aとはフォルムがまるで違っていた。

「リベレイターの新型か?」

リオウは銃を構える。

「だがたったの1機だけだ。レンカサポートは任せたぞ」

「了解!」

アンノーンはリオウ達の前で静かに着地した。

「何だか知らねぇが消えてもらうぜ!白いの!」

アッシュはアンノーンに発砲した。

だが銃弾はアンノーンに当たらずその横を逸れていった。

「な!?」

アンノーンはすかさずアッシュに向かって発砲する。

だがそれは実弾ではなく光の粒子だった。

「何なんだよ!?あれは!!」

アッシュは直ぐに横にステップし、回避行動をとったが交わしきれずライトアームを損傷された。

「・・・」

アンノーンは追い討ちをかける。

だがリオウのHEAに阻まれる。

「アッシュ撤退だ!こいつは俺が引き付ける!!」

リオウは剣を抜きアンノーンに切り掛かる。

「だが隊長!あんたは・・・」

「大丈夫だ!だから・・・レンカお前も撤退しろ!合流地点は0073だ!」

リオウはアンノーンをレフトアームで押さえこむ。

「・・・了解。アッシュ行きましょう」

「だが・・・」「隊長は大丈夫って言ってるの!隊長を信じよう」

レンカは中々動かないアッシュを引っ張り戦場外へと消えていった。


「・・・仲間を逃がしたか自分が犠牲になるとでも言ったのか?」

突然アンノーンからの通信が入る。

リオウは戸惑った。戦闘中に通信をいれるのは有り得ない事だったからだ。自分が殺す相手にわざわざ通信などいれない。リオウは通信を送ったパイロットを不思議に思った。そして返事を返す。

「俺は死なないよ。ただ彼等を逃がすための時間を稼ぐ・・・それだけだ」

リオウは剣をアンノーンに振り下ろす。

だがアンノーンのサーベルがリオウの剣を切断した。

アンノーンのサーベルはさっきのライフルと同じで光の粒子が刃となっていた。

リオウのサーベルはそれで斬られたというより熔かされたようだった。

「中々の自信家だな・・・そんな機体でミュトスを退けようというのか?」

「・・・ミュトス?」

恐らくあの機体の名称だとリオウは理解した。

「・・・少しお喋りが過ぎたようだな」

ヘイムダルはサーベルで切り掛かる。

「くっ」

ヘイムダルのサーベルがコクピットハッチを切り裂く。

「ま、だだ!」

リオウは腰部に装備された閃光弾を投げた。

そしてリオウの機体は閃光に包まれ消えてしまった。

「く、悪あがきを・・・」

ヘイムダルはライフルを発砲する。

だが直撃した音は聞こえなかった。閃光は直ぐに収まったがそこにはもうリオウの姿は無かった。

「・・・逃がしたか」

ヘイムダルのパイロットヘイト・ディスターはヘルメットを脱ぎ呟く。

と、その時通信が入った。通信の相手はリンス・ルウ・ライラだった。

ヘイトは通信を開く。

「・・・なんだ?」

『なんだはないですよ〜!ヘイトさん何道草食ってるんですか〜早く任務を遂行してください!』

リンスの声がコクピットの中を響かせた。

ヘイトは顔を歪める。

「・・・少し黙れ。頭に響く」

『じゃぁ早く終わらせて下さい〜!全くヘイトさ・・・』

ヘイトはリンスの通信を途中で切断した。

このままリンスのぐだぐだ話に付き合わされたらそれこそ任務が遂行出来ないと思ったからだ。

「・・・任務ゼニウスの基地施設の破壊・・・開始」

ヘイムダルは目的地に向かって飛び去った。

機体説明

【リベレイター】

主力HEA

『ゲル』

型式番号 LMP-02

頭頂高16.5

本体重量5.3t

全備重量7.5t

ジェネレータ出力

900kw

スラスター総推力

40000kg

センサー有効半径

3500m

武装

100mmマシンガン×1

300mmバズーカ×1

3連式ミサイルランチャー×2


【説明】

リベレイターの主力HEA。

全てが実弾装備の機体。機体に係るコストが少なく大量生産されている。

またこの機体は全てAIであり人は搭乗されていない。

そしてこの機体がゼニウスの主力HEAゲリのモデルとなっている。

機体のメインカラーはブルーとなっている。

機体の型式番号をフルで書くと(Licerator Mass Produce)と書き『リベレイターの量産型』と言う意味となる。




【ゼニウス】

主力HEA

『ゲリ』

型式番号 GLB-11

頭頂高17.0m

本体重量5.8t

全備重量6.3t

ジェネレータ出力

950kw

スラスター総推力

35000kg

センサー有効半径

3200m(ただしレンカのゲリはカスタム機なのでセンサー有効半径は1.5倍の4800mとなっている)

武装

70mmライフル×1

60mm近接防御用機関砲×2

破装剣×1


【説明】

世界組織『ゼニウス』がリベレイターから奪取した機体ゲルを解析し改良された機体でゼニウスの出力兵器となった。

形はリベレイターのゲルと多少似ている処がある。

だが性能ではこちらの方が改良されてか性能が上である。しかし、生産面ではコストがゲルより少し高く数はゲルより少し劣っている。

そしてパイロットによって装備が変更されている場合がある。

ゼニウスのパイロットレンカはこの機体を自分用にカスタムし、センサー有効半径を強化している。そして長射程用ライフルを装備し、遠距離使用にしている。他にゼニウスのアッシュはスラスターを改造し、高機動型にカスタムしていた。

基本メインカラーはブラウンだがレンカはオレンジ、アッシュはスカーレット、リオウはバイオレットとなっている。

型式の意味は(Genius Land Battle)ゼニウスの陸戦型兵器となる。型式で分かるようにゲリは地上専用のHEAである。

因みにリベレイターのゲルは汎用型で宇宙でも使用可能である。






【リベレイター】

《ミュトスタイプ》

『ミュトス・ヘイムダル』

[MYTHOS・HEIMDALL]

型式番号 LM-03H

頭頂高16.0m

本体重量5.5t

全備重量6.2t

ジェネレータ出力

2500kw

スラスター総推力

30000kg

センサー有効半径

4500m

武装

粒子収束ライフル×1

(ビーム)

粒子収束サーベル×2

(ビーム)

G・Oフィールドシステム×1(重力操作)


【説明】

リベレイターの新型HEA。

白いボディが特徴で新技術G・O(Gravity・Operation)フィールドが組み込まれている。

これは重力、すなわち『引力』、『斥力』を操る事が出来る。これによってヘイムダルは敵機の弾丸等の攻撃を軌道を反らす事が可能となる。通常G・Oフィールドはその能力を維持するのに莫大なエネルギーを必要とした。だが、ヘイムダルの新型ジェネレータ『ユグドラシル』によってそれは改善された。

ユグドラシルとは外宇宙からきたと言われる孔雀石マラカイトのような輝きを持つ鉱石である。

これに熱エネルギーを加えると半永久のエネルギー供給が可能となる。このエネルギーをヘイムダルはフルに活用し戦闘出来るようになった。

浚にリベレイターはその有り余った莫大なエネルギーを余すなく使用する為に粒子兵器を装備させた。

今まで粒子兵器はエネルギー消費が激しく実戦での使用は不可能だと思われていたがこれによってその新歓を発揮した。(ゲルが粒子兵器を使用した場合3発でエネルギーが無くなった。)

パイロットはヘイト・ディスター。



型式番号の意味はLiberator-Mythosリベレイター・ミュトスリベレイターの伝説となる。03Hはヘイムダルがミュトス3号機を意味する。

ヘイムダルの名前は北欧神話の光の神からきている。

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