The red blood of fate~Then the story~part1
その後、改めて沢山の話をした。
私の今の事。彼の今の事。
五年前は殆ど同じものを同じ時間に体験してきたから話す事は限られていたのに五年前の月日はそれらでは収まらないほどのネタを作り上げていた。
「〇〇も相変わらず元気だし、△△くんは今も漫画家目指して頑張ってるみたい!それに…」
「(ムスッ」
「あれ?どうかした?」
「いや?別に」
「?」
身内の事を話していたはずなのに、白夜くんはさっきの柔らかい表情とは何処か離れて固くなっている。何か悪い事をしてしまったのだとしたら早めに謝らなければいけないと思い空を漂う彼の視線を半ば強引に自分の方に向け、私は伝えた。
「何か思うものがあるなら伝えて欲しい。
私は超能力とか身につけてるわけじゃないし、だからって白夜くんの気持ち無下にしたいとも思わないの。私が聞いていいことなら教えて?」
「……んー」
隣に座っていた白夜くんはいつの間にか視界からいなくなり腰に両腕を回して俯せて横になっていた。
「(これは…かなり美味しい…じゃなくて!!)」
顔が緩みそうになるのを我慢しつつ普段では考えられない行動に私は頭が混乱した。
「白夜くんどうしたの?体調悪い?もう少し飲む?」
まだまだちゃんと理解できていない部分がある中顔色や表情も伺えないといよいよ不安や心配が増す。
どうしたらいいものかと試行錯誤頭をフルに回転させようとすると、小さな声で何かをつぶやいているのが膝にかかる吐息の様子で理解できた。
「ん?なに?大丈夫?」
「……かった」
「ん?」
「…俺と、いるんじゃん……」
そうつぶやいた彼の耳はわずかに赤くなっている気がした。
つまりそれは、友人でもほかの男子の話を持ち出して欲しくないということで…
「…///」
我慢していた顔はその一瞬の理解で一気に綻んだ。私だって嬉しいやら恥ずかしいやら…自分の顔に熱が集まるのが簡単に分かった。あぁ…なんて愛おしい人だろう。声に漏れてしまいそうで必死に言葉を飲み込み彼に伝わるように
「ごめんね、」
でも、貴方が一番好きだよ?と気持ちを込めて一言つぶやいた。
伝わったかどうかわからないが、言うや私の視界には空を後ろにして白夜くんを見ていた。
「いいよ」
そう笑う彼にこれから私はどれだけ幸せを感じるのだろう
そうしてキスを落とす彼をどれだけ愛せるだろう
貰った分以上に愛してたい。
そうして、二人の時間がいつか終わりを迎えても…
また見つけてくれることを、見つけられることを信じて…