~プロローグ~
おそらく、十年以上前に書いた話です。
ですが、以前こちらにアップさせて頂いた話の中では、かなりアクセス率高かったように記憶しておりますので、最初に出してみることにしました。
~プロローグ~
少女向けのストーリーを考えてみよう。
カテゴリーとしては、ファンタジーに学園もの、超能力にSF、スポ根ものも有りかもしれない。
組み合わせも際限ない。
キーワードとしては、流行りの吸血鬼モノ、魔法使いやら魔女、教師と生徒に、巫女に神官。王子様にお姫様……
選り取り見取り、選び放題だ。
精々、今の時代にありそうでないようなジャンルをでっちあげたり、組み合わせたり、まあ精々、好きなように悩めば良い。
要するに、テーマなど、どうでも良いのだろう。
重要なのは、「恋愛」があるかないかの一点なのだ。
恋愛がまったく存在しないストーリーを、女の子が受け入れてくれるなんて稀なケースだ。
そう……。
ーーヒロインは、恋をしなければならない。
これは必然で、相手役の男子が何を考えてようが、企んでいようが自由だが、女の子は常にどんな時代、どんな世界にいても、恋に胸を躍らせていなければならないのだ。
まあ、自分の作品に自信があるのなら、恋などなしでストーリーを生成すれば良い。
構成が並外れて優れていれば、もしかしたらベストセラー作家になれるかもしれない。
それほど、恋愛なしでストーリーを作りあげることは難しいのだ。
読者を次のページに惹きつけるハラハラドキドキ感を、物語の展開だけで演出しなければならないのだ。
これは、大変な作業だと思う。
それに比べたら、適当に少女が恋の相手のことを思うだけで、ときめいたり、泣いたりしている方が遥かに描きやすいし、分かりやすい。
恋愛がない少女小説、少女漫画なんて、メインディッシュのないコース料理のようなものだ。
もっとも……。
私はコース料理なんて、食べたこともないけれど……。