相思依存
『あーイライラする』
明日は卒業式、それなりに名門大学に進学する事が決まっているけどイライラが収まらない。
成績優秀で先生方の受けが良く、クラスカーストの上位に君臨して非の打ちどころがない生徒だと皆んなに見られていた。
でも、そう見られるように努力すればするほどストレスが溜まる。
だからストレスを解消する為に私は虐めを行って来た。
同じクラスの勉強はできるけど根暗なクラスカースト下位の女を、人気の無い部室棟の裏に呼び出しては殴る蹴るしてストレスを解消。
当然徹底的に脅して口止めしたし、腹や背中など服を着ていれば分からないところだけを殴り蹴りした。
でも卒業したらもうアイツを虐められない。
卒業式が終わったらまたアイツを呼び出して最後のストレス解消を行おうかな?
そんな事を考えていた所為か、何時の間にか部室棟の裏に来ていた事に気がつく。
部室棟の裏には泣いているアイツがいた。
『チクショー!』
チクショーと頭に来たので声を掛ける。
「泣くほど私と離れられるのが嬉しいのかい?」
顔を上げて私を見て返事を返して来た。
「違います」
「違う? 違うってどう言う意味だい?」
「私、Mなんです。
だから貴女に殴り蹴りされて虐められていたお陰で、勉強で溜まったストレスが解消されていたんです。
それなのに、それなのにもう貴女に虐めて貰えないと思うと悲しくて泣いていたんです」
「え……」
私たちは大学は違ったけど東京の大学に進学してたので、今一緒に暮らしている。