表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Glimmer Man ─グリマーマン─  作者: 琥珀 大和
PSY.2 Escape From Stargate Project

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/80

Episode.59

ベースというのは警備室のことだろう。


現場に到着して状況を確認できる時間など余裕で過ぎている。


何の報告もないことに確認の連絡を入れているのだ。


どうしたものかと束の間考えた。


部屋で倒れている警備員からは、名前やベースとの連絡時のフォーマットなど聞いていない。下手に応答すると、その場でイレギュラーが発生したことを悟られてしまう。だが、無視することでも何らかの疑念が生じる可能性が高い。


能力を使ってそれを調べるにも時間がなさそうだ。


結論として、古典的な方法を取ることにした。


「こち···ら···○@$%···通信···障······」


インカムのオンオフを手動に切り替えて、断続的に音声を流す。


通信障害が本当に出ているか判別できるシステムならすぐにバレてしまうだろうが、そこまでのものを入れているかは未知数である。


この施設の存在は極秘とされている。しかし、内部の警備員とベースとのやりとりで、そこまでするかは微妙なところだった。


「聞こえない。再度報告を。」


その後、何度か同じ内容の通信が入ったが、無視することにしてインカムの電源を切った。


インカムにもそれほど精度は高くないが、位置情報を伝える特性がある。送受信機を不能にした今となっては、インカムに電源を入れておくのは危険でしかないのだ。




失敗した。


送受信機を不能にし、インカムを通信障害に見せかけたことが悪い方向に転んでしまったのだ。


警備室のドアが見えたとほぼ同時に、中から重装備の奴らが出てきた。


SWATなんかが着るような装備に、小型の防弾盾であるバリスティックシールドまで所持している。


これはまともに勝負しても勝ち目はない。


俺は躊躇わずに能力を使用した。


大丈夫だ。


ちょっとした小技を瞬間的に使うだけである。


これで俺の能力のすべてがバレるわけではない。


ただ、施設に登録されているもの以外の能力を隠していた疑いは持たれるだろう。


仕方がない。


背に腹はかえられないのだ。


ここで捕まるわけにはいかなかった。


おあつらえ向きに通路には消火器が置かれてある。


消防法で定められた通りの配備。


知っているか?


消火器にはなぜ使用期限があるのか。


消火器の容器に念力で圧力を加える。


圧は二段階。


ひとつは半径10センチメートルほどの範囲を押しつぶすように。もうひとつは、ピンポイントで穴が開くようにコントロールした。


そうだ、消火器は老朽化すると、容器が劣化して外圧により本体内の圧力が急激に上昇して破裂する。これは加圧式、蓄圧式問わずに同様の事例が起こっているのだ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ