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The Glimmer Man ─グリマーマン─  作者: 琥珀 大和
PSY1. I Am Number Eight.

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Episode.3

セキュリティゲートに仮の従業員証をかざした。


このフロアのセキュリティには、事前に清掃員として入館申請している。ただし、所属していることになっている清掃会社はダミーだ。


どのような手段を使ったかはわからないが、正規の清掃会社が請け負っているODS社の清掃業務をスライドさせて、今日1日だけ下請けたのである。


もちろん、俺が任務遂行中の清掃業務は別のスタッフがすることになっており、問題となるような証拠も残らない。


ゆっくりと通路を進み、ODS社の社員とすれ違う際には軽く会釈する。


こういった潜入は堂々としていれば目立たない。逆にビクビクしていると不審がられるのである。


潜入時のノウハウは今の組織に入れられてから学んだことだ。新卒採用された会社ではない。出向転籍の体裁で強引に身柄を移されたのである。


その結果、このような企業スパイのような真似ごとをする事態に陥った。今回などまだ良い方で、時には暴力を生業にする組織と相対することもある。


半ば俺自身が望んだことでもあるが、他の選択肢の行く末は最悪としか思えなかったというのが実情だった。


セキュリティゲートを無事に通過する。


経験則に基づき今ではすっかり麻痺してしまったが、最初の頃はID偽装でトラブルに発展しないかドキドキしたものだ。まあ、そんなことは日常茶飯事となった今では、あまり気にすることもなくなった。


ただ、セキュリティゲートで止められた場合、隠蔽している本来の(・・・)能力を使って離脱しなければならない可能性もある。そうなると追っ手だけでなく、所属組織との関係性も激変してしまうかもしれない。


今後の個人的な計画を考えると、不要なトラブルだけは回避したかった。このような非合法任務を半ば強制的にさせられている身としては、可能な限りこれ以上の身の危険は避けたかったのだ。


ODS社の社内ブースに入り、あらかじめ頭に叩き込んでいる経路をたどって目的の部屋へと向かう。新しい建物ではないが、高度経済成長期に建てられた地上40階を超える高層ビルである。ワンフロアもかなり広いため、人の出入りを制限する部屋は入り組んだ通路の先にあった。


「その先から目的地までは誰もいない。」


「了解。」


再び通信が入った。


この無線も特殊な周波数を用いており、周囲の一般的な機器やセンサーには反応しないようになっている。


セキュリティの厳しい軍の施設などでは、特定の周波数以外は遮断されたり発信源を追跡されるのが定石だ。しかし、この会社はそこまでの機密を扱っているわけではなかった。


当然のごとく、軍の施設などと違って内部には有人の詰所などない。その代わり、職域によるレベル制限を設けたセキュリティが設置されており、準備してきた複数のIDカードで解錠して先に進む必要があった。


そして目的の部屋へと到着し、静脈認証ユニットに手を触れる。




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