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The Glimmer Man ─グリマーマン─  作者: 琥珀 大和
PSY1. I Am Number Eight.

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17/80

Episode.17

口径でいえば、国内で9mm拳銃を扱うのは警察特殊班のSITやSATが使用するSIGやグロック19、自衛隊が正式採用しているMinebea P9、海上保安官のS&W M5906ミリタリーや特殊警備隊SSTのSIG Sauer P228くらいなものかもしれない。


改めてスライドを引き、弾薬をチャンバーに装填する。能力者を相手どるには火力が足りない気もするが、ないよりははるかにマシだろう。


衝撃波を撃てるなら発射された弾丸くらい容易に対処できるだろうし、他にも意識を奪った男のように武装した奴らがいる可能性が高かった。


時間を稼げば助けが来るだろうか。


その自問はすぐに打ち消した。


まず、相手側に能力者がいることを伝えられていない。ここで無線を飛ばすのは居場所をさらすようなものである。自分だけでなく、通信をたどって味方の位置まで探られる可能性があった。


所属している組織とはいえ、俺という人材の扱いは大して重くない。スパイ行為には重宝されても、能力者としてはそれほどでもなかった。


周囲の動向を探る。


大雑把に俺の位置の特定はされているだろうが、銃で狙われたくはない。回避する方法はあるが、それは最終手段としたかった。


能力者の方は衝撃波を何度も撃つと駐車場内が大惨事となるためか、今は大人しくしているようだ。車などからの出火は、煙が出ると火災警報器が働く。そうなるとかなりの騒ぎになってしまうのである。


そう考えると、衝撃波の使い手はあまり加減のできないくらいの練度なのかもしれない。上階にいた白人男性も、それほど荒事に長けた相手ではなかったように思う。


超能力者は人間離れした力を発揮する。しかし、それを過信して失敗する奴も多いのが実情なのだ。


タイミングを見計らって飛び出した。


想定外の所から銃撃されたが、動いている標的にはそうそう当たるものではない。そんな腕があるなら、日本になど配属されていないだろう。


目の前に迫った車のボンネットを駆け上がり、ルーフを蹴って柱の影へと飛び降りた。すぐに体勢を整えて、銃撃された方へ威嚇射撃を行う。


タァーン!


口径の割には小気味良い音が鳴る。


小型で薄いスミス&ウェッソン M&Pシールドだが、優れた設計のために発射時の反動は負担にはならなかった。





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