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孤境  作者: 夢暮 求
7/7

【-7-】

「だって、北柳のことを話そうと思ったら一番最初に話題にできたのがそれだったんだもん」

 柴浦に俺の事情を少女に教えたことを問い詰めると、言い訳がましくそう言った。

「別に北柳が悪かったわけじゃなく、相手の女が悪かったんだから悪評にはならないんじゃん」

「そういうことじゃねぇよ」

 別に故郷で悪評が立ったって気にしない。どうせすぐに仕事先へ帰るんだ。次に故郷に帰ってくることがあっても、その悪評は風化している。

「元カノのことを悪く言う権利は俺にしかないんだよ」

 介入できるのは自分自身と両親。たとえ柴浦と幼い頃からの腐れ縁があったって、このことを話題にしていい権利なんて持っていない。

「御免なさい」

「……許すのは今回だけだからな」

「今回だけでも許してくれるとは思わなかった。凄い剣幕だったし」

「あの子とお前の関係を知ったら、ただただ自分の都合で怒るのも悪い気がするしな。話のタネが尽きたなら仕方がない」

 と言うよりも、どうにかして話をしようと思えたことの方が凄いのではないだろうか。しかしながら悪気が無かったとはいえ、人の失敗談を他人に語ることは決して良いことではない。これでも俺が柴浦を許すのは腐れ縁だから。それ以下の関係性であったなら、もうこんな面倒臭い話なんてせずにそそくさと故郷から脱出している。

「お前もなんか秘密とかないか?」

「なんで?」

「俺の秘密を勝手に話しているクセに、お前の秘密を俺は握ることさえできていないんだ。これは少し公平性に欠けるだろ?」

「公平性に、って。なんか物凄く理屈好きな人が言いそうな言葉。日常会話で使う人っていないでしょ」

 勝負の世界では割と耳にする言葉だと思うが、言われてみれば確かにこんな堅苦しい言葉を日常的に使っている奴は少ない気もする。

 心の中で呟くことは多そうだけどな。便利な言葉だし、『公平性に欠ける』って。

「まぁ、分かった。私もなにか秘密を話せばいいんでしょ」

「あの子との関係性については無しだからな。もう大体は分かったことだから」

 柴浦は抜け穴を使いそうだったから先手を打っておく。

「別にそんな姑息な真似はしないって」

「姑息な真似、ってのもあんまり日常会話じゃ聞かないけどな」

 漫画やアニメ、時代劇や小説なんかでは割と聞くけど、一般家庭ではあんまり使わない……と思う。

「じゃぁ、私の高校時代の失敗談を」

「高校時代の失敗談はトラウマ級だろうから話さなくてもいい」

 基本的に思春期の失敗談は笑えない。大学時代の失敗談は犯罪に関わっていなければ笑える。ただし、骨折や大怪我のような痛い話は無しで。

「別にトラウマってわけでもないけどさ」

「夢に出てこないか?」

「北柳は夢に出てくるわけ?」

「そりゃ夢で何度も見る。宿題を忘れていないのに忘れた夢とか、大学なら単位を余裕を持って取得していて、なんにも不安なことはないはずなのに単位を落として留年する夢とか。あとなんでか分からないけど、ずっと勉強している夢も見る」

 そういった夢のせいで俺は大学を卒業したあともまだ一年間は大学に通っていたようなありもしない妄想に苛まれかけた。

「高卒の仕事先は肉体労働が多いから大変だって脅すように言われ続けたからじゃない? 実際のところは分かんないけど」

「そうなんだよな、実際のところは分かんないんだよな」

 自分は運良く大学に滑り込み、四年の月日をかけて卒業したが人生はそんなトントン拍子というか、なんかこう当たり前に思っていたように事が進むものじゃない。かといって、垣間見なかった人生を俺はよくは知らない。高卒の友達が極端に少なかったことと、みんなとは大学に通い始めたら疎遠になったからだ。

 友情はいつまでも続かない。むしろ、大人に近付いてから知り合った人との縁の方が深くなる。俺はそのように実感しているが、ひょっとしたらこれも当たり前ではないのかもしれない。

 要するに高卒の友達と話す機会がなかったために、その苦労話を耳にすることもなかった。そもそも、あんまりそういう弱音は卒業後に友人の前で話すことは少ないのではないだろうか。あったとしても「あんなブラックなところ、こっちから辞めてやったよ」という強がりぐらいだと思っている。

 マイナスなことばかりが頭をよぎったが、ひょっとしたら高校を卒業後、すぐに事業を立てて大成功を収めているクラスメイトも実はいるのかもしれない。もしそうなら、お金目当てに寄ってくる男友達との縁は断ち切りたいと俺は思うだろう。女友達の縁は切らずに残すだろうけども。

「ま、大学行ったって苦労するときは苦労するし、私みたいに社会人になってから順調だったはずなのに信じられない苦労が押し寄せてくることだってあるわけだから、対岸の火事みたく眺めていたら痛い目を見るわけ」

「もしかして俺に忠告しているのか?」

 俺は俺でもう結構な苦労を背負って生きているのだが、まだ苦労するかもしれないぞと言いたいのだろうか。

「ってか、話が逸れたぞ。お前の秘密……秘密というか失敗談になっているけど、なにかあるのか?」

「失敗談でも秘密は秘密だし。だって誰にも話してないことだから」

「へぇ? じゃぁ言ってみろよ」

「……レンタルビデオ店での話なんだけど」

「今時、珍しいな」

「高校時代の話だから。まだそのときはサブスクなんてあってないようなものだったし、映画なんてパソコンからでもとてもじゃないけど見ることなんてできなかったでしょ」

「で、それのなにが失敗談になるんだよ」

 映画のDVDを借りることが、どう失敗談に結び付くか分からない。

「…………AVを借りようとしたんだけど、会員カードの有効期限が切れていて、更新に身分証明書が必要だったんだけど……無かったから、借りられなかった」

「なんだって?」

 女性の口からあんまり聞いたことのない単語が出てきた気がする。

「だからAVを借りようとして借りられなかったの」

 柴浦は恥ずかしそうにしているが、それに対し俺はどう反応したらいいのだ。失敗談というのはこっちが聞いてケラケラと笑えるものが望ましく、こんなワケの分からない空気を漂わされてしまっては対処に困ってしまう。

「なんで?」

 そのせいで質問の仕方がぶっきらぼうになってしまった。

「興味本位で借りたかったの」

「彼氏に借りてこいって言われたとかではなく?」

「言われるわけないでしょ! もし彼氏に言われたらそこで別れるし」

「じゃぁ彼氏はいたのか」

「いなかったけど」

 なんだろうな。だったら怒られる筋合いもないはずだ。

「興味本位で借りようとするなよ」

「十八歳になったら借りられるって思ったら試してみたくなったのもあるし、あとそのときにパケで見た女優さんが綺麗だったから」

「だから借りようとした?」

「……そうよ、なにか悪い?」

「悪くはないけどな」

 女性がAVを見ようとしたことに嫌悪感を抱く男は少ない。ただし、ここで注意しなきゃならないのはあんまりこのネタをこすりすぎるとセクハラで訴えられてしまう点だ。男ってのは馬鹿な生き物で、AVを見ようとした女=欲求不満な女だから押せばイケると考える。

 俺も大学時代に猥談に積極的だった女性を見て、ああ誰とでもヤるんだろうなと思って話し込んだら「いや、誰とでも寝ると思うなよ」と人を殺すような目で睨まれたことがある。

 あれは結局、好きな男性へのアピールだったのだ。今はそう思っているのだが、もしあれがそういったアピールじゃなかったら一体なんだったんだろうか。睨まれて逆にラッキーだったかもしれない。

「今でも思い出すわ。パケからディスクケースを取って、受付に行ったらなんやかんやと説明を受けて、『じゃぁこれはこちらで元の場所に戻しておくので』って。しかもその相手が男だったときの、もう、なんて言うの? 死にたくないのに死にたい、みたいな」

「別にそのときの感想を語れとまで言ってない」

 だからそれを聞いても俺は笑えないことに気付け。

「北柳以外にこれを言うのは初めてだから、これで許してくれる?」

「そこまで詳細に語られたら許さざるを得ない」

 むしろこれで許さなかったらキレられそうだ。

「だったら、北柳の婚約破棄事件についても、もうちょっと教えてほしいんだけど」

「それは貪欲が過ぎないか? というか、詳しくは知らないんだな」

「北柳は悪くないってことまでしか聞いてない」

 そうなると、俺の事情以上に彼女の秘密の暴露の方が事細かな説明があった。情報量では圧倒的に負けている。

「元カノを馬鹿にしたり、笑ったりしないなら」

「しないよ……しないようにする」

 どこまでが本当だろうな。柴浦はまたどこかの場面で話のタネが見つからなかったときに俺の話題を出しそうだ。ただ、詳細を知れば誰にも話さなくなる可能性もある。

 だって、詳細を知っているか知らないかで情報の重量が変わる。テキトーに聞いただけの軽い話は、軽く話せる話題になる。重い話になれば信頼している相手にしか打ち明けない話に変わる。俺の失敗談はつまり、彼女の中ではまら軽い情報としか思われていないのだ。それを重くすれば、酒の席などで口が軽くなろうとも、決して話すまいという決意が胸に宿り、話さなくなるものだ。だってそんな話を引っ張り出したって、酒の席が暗くなるから。明るい話には決してならないからだ。

「分かりやすく言うと、元カノにプロポーズして、承諾してもらってから結婚資金を貯める期間に入ったんだよ。まぁ、もしかしたらプロポーズする前から結婚資金ってのはコツコツと独身でも貯蓄しておくべきだったのかもしれないけど、俺はそうじゃなかった」

 と言うか、俺は有名企業に勤めているわけでは決してなく極々、一般的な会社に勤めている。それで若手の頃からバリバリと活躍し、一段飛ばしに重役になれているわけでもない。一回、転職も挟んでいるし。そりゃ、新入社員の頃に比べればさすがに昇給もしていて、後輩の面倒を見る立場にもなっているので生活に困るほど手取りが少ないという状況は脱しているが、やはり五年間の貯蓄があっても結婚資金として放出するには心許ない。

 結婚はゴールではあるが、同時にスタートでもある。そこから二人で生活することになるし、当然のことながら子供が産まれればその子の養育費など諸々のお金が負担となってくる。その不安もあれば、やはりプロポーズしてすぐ結婚しようという流れにはならなかった。

 特に元カノは結婚式を挙げたがっていたし、披露宴だって夢見ていた。ただ籍を入れるだけなら、そこまでお金の問題が頭に引っ掛かり続けることもなかったかもしれない。

「で、そのお金がある時から目減りしていることに気付いてな」

「使い込まれていたってこと?」

「使い込まれる直前だった。聞いてみたらホストにつぎ込もうとしていたことが発覚して、で、婚約破棄。俺の中で立てていたスケジュールだったらその半年後に結婚式場と披露宴会場の予定を立てていこうって感じだったんだけどな」

「んー……ホストかぁ。ホストはちょっと、元カノさんを擁護することは、難しいかも」

「キャバクラで全財産溶かす男を擁護できないのと一緒だよな」

 どっちも人生を破滅させる要因になりかねない。お金持ちがハマる分にはいいが、一般的な収入しかない俺たちみたいなのが通い詰めるには危なすぎる界隈なのだ。

「そうだね。ホストで結婚資金を溶かしそうになっていたってことは、元カノさんの貯蓄はかなり危なかったんじゃ」

「危ないもなにも、ほぼすっからかんだったよ。だから彼女の両親に連絡しようとしたんだけど、そこで彼女が逆ギレして、大暴れして、両親に連絡したら死んでやるって言われて」

「うーわ、そこまで……?」

「まぁ連絡したんだけど」

「連絡したんだ!?」

「だって連絡しないとどうにもならないだろ。彼女はあのままだと借金――俺が大目に見て結婚資金の目減りした分は手切れ金ってことにしたけどさ、結局は一文無しだからな。両親に支えてもらわなきゃ、働くための生活費すらままならなかっただろうし」

 元カノは俺の貯蓄をアテにしていたのだろうかもしれない。ただ、それは結婚してからアテにするものである。と言うか、結婚したって共働きになる予定だったんだから、結婚する前からアテにされたってたまったもんじゃねぇけど。

「キャバクラもホストもヤバいところは借金させてでも金を搾り取らせるし、噂程度でしか知らないけど女の場合は風俗に沈ませる場合もあるから、やっぱりそこのところはなんとかして阻止しなきゃならないから、両親呼んで、説教してもらって、連れて帰ってもらった。で、俺はその一ヶ月後に引っ越した」

 理不尽なのは俺も説教を受けた点だ。俺はなんにも悪いことしていなかったのに『ウチの娘がお金を使い込む前に気付かなかったのか』とか『娘を愛していないから、ホストに気が行ってしまったんじゃないのか』とか、まぁ散々なことを言ってきた。

 今思えば、あんなのが義理の両親にならなくて良かったな、と。

「ホストにお金を貢ぎだしたのは、なにが原因だったの?」

「なんか、俺が仕事熱心過ぎて気持ちが薄れているんじゃないかって不安になったって言っていたな」

「うわー分かる」

「分かるな」

「なんかあるんだよね。いや、どう話したって分かってもらえないんだけど、そういう気持ちになるときある」

 説明しないってことは、男には分からない感情の揺らぎなんだろう。だとしても、他の男に金を貢いでいるなんて知ったときは、俺の感情は揺らぎどころかどん底まで沈んだけどな。あのとき本気で死を考えたくらいだ。

「気持ちが分かるってことはお前は男性経験が豊富そうだな」

「なんでそうなるわけ? 元カノさんに共感はしたけど、だからって元カノさんのやったことに賛同しているわけじゃないから」

 その辺りがいまいち分からない。共感できてしまうのなら柴浦だって同じ状況なら他の男に気持ちが行ってしまうんじゃないのか。それとも共感はして、気持ちは分かっても自制心が働くのか。

 なんにしたって、人を想う気持ちっていうのは子供の頃に聞いていた頃よりもまやかしに溢れていることを大人になってから知ってしまった。柴浦もそうなのだろう。

「私は私で付き合うまではいいけど、付き合ったら二ヶ月くらいで別れるんだよ」

「なんだそれ」

「付き合って一週間くらいで体の関係を求めてくるから、拒んだら自然消滅する」

「それは……随分と堅い思想をお持ちですね」

 爛れた大学生活を送ってきたつもりはないが、なにかしらの意思が働いて、あるいは流れ的にそうなって、とかあると思うのだが、彼女の貞操観念は揺らがなかったらしい。ってか、そんなお堅い貞操観念を今時、大切にしている奴がいることに驚くしかない。

「なんで付き合ったあとって男は体目的になるわけ?」

 お前のその大きな胸のせいだ、その胸を服の上から鷲掴みしたり、直に揉みたいから口説き落とすんだ、と言ったら多分だけど殴られるので殴られない選択肢を探すしかない。

 綺麗な顔して胸まで大きいのはズルいよな。ほとんどの男は付き合うことに全力になって、そのあとはヤることしか考えないだろ。それだけが自然消滅の原因とは限らないけどな。絶対に柴浦にも地雷要素がある。

「男はそういうもんだ」

「開き直られてもなぁ」

「まぁ、言えることはそんなお堅く生きていたら、いつまで経っても結婚できないってことだな」

「それモラハラ」

「……あ」

 気を抜いてしまった。

「今のは言葉の綾で」

「北柳みたいにギリギリになって大変なことになるよりはマシでしょ」

「それもモラハラだけどな」

 ただ、彼女のそれは俺のモラハラを掻き消すためのわざとな発言とも受け取れる。要はこのことについて、モラハラ云々で騒ぎ立てないという意思表示だ。

「世の中、好きだから付き合って、付き合ったから結婚して、結婚したから子供が産まれるみたいな単純な構造になってなかった。俺が子供の頃に漠然と感じていたそれは、ただの理想だったって現実を見て知ったね」

「私も二十歳で結婚できるんだろうなって思ったけど、日本で二十歳だとまだ学生で大学に通っているかもだし、もし結婚したら『お金で苦労してない?』って心配されるよね」

「なのになんであんな漠然とした理想を抱くんだろうな。俺も二十歳で結婚はさすがに貯蓄がないって思っていたけど、二十七にもなれば結婚するもんだと思っていたよ」

 普通に、そうなると思っていた。

 そのときに好きだった子と、進学先が違っても交流が続いて、アニメや漫画の幼馴染みみたいな間柄になって、どっちからかは分からないけど告白して、付き合って、なんだかんだで喧嘩を挟みながら結婚する。

 それが出来て当然、みたいな。出来ることが一般的で、俺も大人になったらそうなるんだろうなぁって思っていた。

 でも現実は、そんな理想を簡単に吹き飛ばした。社会は思っていた以上に厳しくて、人生は考えていたよりも早く過ぎ去る。予定も、予想も、なにもかもが後手に回って先手を打てば転びそうになる。一度でも転びかけたら怖くなって慎重になって、より一層、時間を掛けるようになる。でもその時間は無限ではなく有限で、やっぱり慎重になっている間も一気に過ぎ去ってしまうのだ。

「理不尽だよなぁ、現実」

「ホント……理不尽。私も大人になってから、まさか身内でこんなドタバタするとは思わなかったし」

「だろうな」

 しかしながら、これでかなり吐き出せることは吐き出せたのではないだろうか。

「気は軽くなったか?」

「ちっとも」

「だよな」

 話して楽になる話題ってのは、まぁ僅かでも解決策が見えている場合に限る。話しても楽にならない話題は話したところでどうにもならないとか、進展が見えないものだ。

「でもなんか、北柳の失敗を詳しく聞いて、男女の愛憎劇ってそんな珍しいことじゃないんだな、とは思えたかな」

「俺も女がAV借りようとするんだなという知見を得られた」

「私の失敗談は社会じゃちっとも役に立ちそうにないけどね」

 でも俺の失敗談も、当事者にならないと分からないものである。あ、こんな話聞いたことあると思ったところで解決方法が導き出されているわけじゃないから、参考にしようがないだろ。

「あの子には詳細までは話すなよ」

「分かってるよ、もう絶対に話さないから。さすがにここまで聞いて、それにその前の時点で怒られて……それで態度を改めなかったらもう私がクズじゃん」

 強い言葉を使って、彼女は自分に言い聞かせていた。


 本当に、なんで俺はこうして柴浦と話しているんだろうな。


 俺の子供の頃の理想じゃ、こいつとこんな風に話すような仲では、なかったはずなのに。

 もっと密接で……いや、やめにしよう。

 考えたって、過去に帰れはしないのだから。


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