さわらぬ少女に…
初投稿です。だらだらと書いていくんで、よろしければ生暖かく見守ってやってください。
腹痛系男子の朝は早い。
捻れるような腹の痛みとともに目を覚まし、即座にトイレという名の戦場へと向かう。いつもならばここでそれ程苦労することもなく戦いに勝利しているのだが、今日の相手は様相が違っていた。
序盤こそこちらの優勢であるかのように見えていたが、奴らの行う、攻めては引き、また攻めてはすぐに引くという粘っこい戦法に絡みとられ、ペースを崩されてしまう。
こちらが大量のトイレットペーパーを使い、さらに奥の手であるウォシュレットを導入してようやく退けたかという喜びも束の間、遠方からの敵の増援、再び便意の波に苦しめられることとなる。その波はなかなかおさまる気配が無く、戦いは予想外の長期戦へと発展した。
辛うじて勝利を収めることはできたものの紙の消費は甚大、心身は共に疲弊し、勝利の喜びよりもどうにもパッとしない、なんとも気分の晴れない結果になってしまった。
こういう時どう言えば良いのだろうか。大きなことを成し遂げたようで何かが欠けている、モヤっとした何かが残っている。何だ、こういうのはそう、例えるなら
「残尿感の残る一戦」とでも言うべきか。
まあ、
出したのは大のほうだがな!
やめよう、死にたくなってきた。上手いこと言えて無いし。残尿感の使い方も絶対間違ってるし。
長々と多少の脚色も織り交ぜながらも今朝の事件について話してきた僕であるが、今現在はところ変わって十二月の寒空のもと外出をしているところである。もちろん、お腹のコンディションに細心の注意を払って着込みに着込み、完璧な武装にて臨んでいる。吐いた息が白く染まって、広がり、消える。
どうでもいいが、腹のディフェンスが極端に低い僕は、その実一年において最も寒い冬のことはそれ程苦手でなく、むしろ好きである。あの気が引き締まる凛とした空気感が、なんともたまらないのだ。好きと得意は違う、という話だろう。それだけの話なのでオチがある訳でも無いのだが。
などとくっちゃべっているうちに目的の場所に着いた。一人暮らしの強い味方、コンビニエンスストアである。いつも食べているデニッシュ生地の惣菜パンと、パックのコーヒー牛乳をレジに持っていき、いつもシフトで入っているバイトの子に会計を済ましてもらう。何ら変わらない日常である。
レジ袋片手に愛しのマイアパートへの帰路を急ぐ。テレビは何かやっていたかなあ、と平和な思考にふけりながら近道となる路地へと入った。
何が、と言わず 白い 少女だった。
路地の先に佇んでいた少女に最初に思った感想である。
異様な雰囲気を纏う彼女に、僕は何の疑いもなく「人ならざる何か」を感じた。
いや、悪い。ひとつ嘘をついた。確かに彼女に「人ならざる何か」を見出したのは確かだが、それは雰囲気だとかではなく、彼女の外見に直接起因するものだということだ。
それは、見合わないというか、ずれているというか、しかしどうも今日はよくよく言葉にできないことの多い日だ。だが、それも無理からぬことだろう。だってどう言葉にすれば良いのだ。
この凍える寒空の下、透き通るような水色のおかっぱの少女が、素足にTシャツ一枚という格好で、棒アイスをかじっているという状況を。
混乱する僕をよそに余りにも場違いな彼女は、無邪気に棒アイスに歯を立てて漏らすのだ。
硬っ。
めちゃくちゃ時間かかりました〜。読みにくい文章で申し訳ありません。