表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正しき魔王の旅記  作者: テケ
四章 偽善ヴァイス
97/175

006

「きゃはは。無様ね少年」


「くっ――」



 出てきた早々に僕を罵ってくれる。

 それにムカつきながらも僕は立ち上がり、目の前の女性から数歩下り警戒する。

 

 

「これはこれはミレア様。今更こんな国にどの面下げて戻ってきたのでしょうか?」



 女の人はミレアを見るなりそんなことを投げかけた。どうも言葉的に歓迎はしていない様子で、薄く笑っている。それに、戻ってきた――そうか、ここはミレアの国だ。であるならば確かに戻ってきたということにはなる。

 でも……それって、この人はミレアと面識があることか。

 

 

「きゃはは――少年。表面的に物事をとらえるのはよした方が良い。ワタシは知らないわぁこんな小娘。って言っても、確かにあの愚王の面影はあるわね。きゃはは」


「国を捨てたアナタに、アタシのおばあ様の悪口は言われる筋合いはない。この国になんの用だ」


「きゃはは。今更こんな国に用なんてないわよ。きゃはは――。少年がここに勝手に来ただけ、それをワタシは監視しているだけよ」



 監視――確かに。ミレアはただ見ているだけだ。たまに、何かを頼むことはあるが、基本は見ているだけ。最近では反応すらしないこともある。

 

 

「それに――きゃはは。待っていたのではなくて?少年とワタシを――」



 無表情で言うミレアに対し、女の人はミレアを鋭く睨んだ。

 

 

「ああ、そうだよ。待ちわびた。アナタ様を――」



 僕を?

 眉をひそめ警戒する。


 

「アタシの名はネベリア・アルクトゥルス。教団はアナタ様を歓迎して向かい入れたい」



 それは一体……。

 

 

「警戒することはない。悪い事を積み上げたいのだろ?ならばついてくると良い。なんせ――今から我々がこの国でなそうとしているこの世で最も悪い事に違いないからな。ミレア様も気になるだろ?捨てたこの国の行く先がどうなるのか?」



 言って、にやりと笑いネベリアと名乗った女性は階段を登っていく。

 

 

「おい……」



 悪い事をするって……?

 

 

「きゃはは――面白そうじゃない。行きましょう少年」



 言ってミレアはネベリアの後を追い階段を登って行ってしまう。

 全然面白そうではな感じはしないのだけど。

 

 

 仕方なく、僕も後を追い階段を登る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ