005
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そう言えば、この物語はあくまでもこの世界について説明するものなので、いくつか街についても、風景やどういうものなのかを説明するべきのだろう。
とはいっても、俺が見聞きできる範疇で表現可能なレベルになるが……。
それに、尺というものもある。なので、ここから先は場面が大きく飛ぶわけだが、そのついでにいくつか説明しよう。
俺は港を後にするとベルクホルンの街の本道から王の居る城の近くにある。ハクライアという貴族の屋敷の門前へと着ていた。
港を出た俺とフィーはその後、この国の王へと取り次いだ訳だが、そこで今回の目的である教団の潜伏先を内密に教えられた。
王には残念ならが合うことはできなかったが、城門のところで兵士に手紙を渡され確認し、俺たちは早々とその場所、つまりはハクライアの屋敷の前へときたことになる。
それから、襲撃のためフィーとは一旦分かれ、俺は屋敷の前の通りで待ち合わせと評して、フィーの準備を待っていた。
通りの人と通りはこの国の大通りに接しているため、意外に多く夫人や街の治安を守る兵士。荷物を運ぶ男たちの姿が良く見える。
これだけ、人が多いのだから。まあ、長時間ここで待っていてもそうは目立たないだろう。
俺は白石の街並みを見渡して、この国が大いに盛んな事に感心する。
街は白く軽い石から作られた建物が多く、見渡す風景は地面壁も白石言ったところだろう。そこに鉄を加工して門や窓の柵がある忠誠ヨーロッパの国を街を、白く塗りたくった街とでもここは言っておこう。外壁が白い石でできている分、街は明るく見えていた。この白い石はこの国の港の海の底で取れる石で強度が高くその上、軽い。そのため外壁なの建物に多く使われているだとか。
とはいえ、国全がその石を使って作られえている訳ではないが……。
この国は、海に面し、草原の広がる平地に気づき上げた国のため、多くの国と貿易が盛んな国だ。ただし、貿易が盛んということは国の経済は活発に動いているということになる。無論ソレは大きく貧富の差にもつながる。
例えば、俺がいまこうしている場所は、主に貴族の家が並ぶ、いわば金持ちの住宅街なる。それとは別に街の西側にはいわゆるビンボウいや、それどころかあれはもはや廃墟と言ってもいいだろう。
仕事をしても稼ぎの少ない層や、そもそも仕事がなく稼ぎない層。そう言った者たちが暮らす荒れた描くが存在する。これはこの国が今抱えている問題でもある。
話では、王もこれにはどうかしようと考えているようだが。
俺の経験上、貴族がおり王政のこの国ではおそらくそれを解決するのは難しい。結局お金の問題になれば、人間自分が一番大事になるのだから……。
――っと、若干、私情がはいったが、この国が盛んな国な事には間違いはない。
そう考えるなら、まあ、ある程度は整備の行き届いた国なのかもしれない。
俺の知る限りでは、もっと荒んだ町や村があるわけだし……。
それにしても――フィー遅いな。
俺がそう思った頃。ひらひらと蒼く半透明に光る一匹の蝶が空から、蒼いの粒子をこぼしながら舞い降りてくる。
フィーか。
これはいわばフィーの使い魔みたいなものだ。
蝶はひらひらと俺の周りを回転して飛ぶと、俺へ向き直り顔の目の前で浮遊する。
『マスター聞こえる』
蝶からフィーの声が聞こえてくる。
「ああ」
俺はその蝶に向かって返事を返した。
これはいわば通信用の使い魔の精霊。妖精であることをいいことに、フィーは精霊を操りこのように遠くにいても会話ができる、言ってしまえば電話みたいなものだ。
「準備できたよ~」
テンションの高い声が聞こえてくる。どうやら、船酔いはもう治ったらしい。今頃、どこにいるのか知らないが……。
フィーと別れたのには訳がある。教団の潜伏先はこの俺の目の前にある屋敷の地下。そこにいまから、俺が正面から入っていくわけだが、フィーにはそのサポートを頼んでいた。
一度、中に入れば戦闘は避けれない。なので、そのサポートになる。
なにか怪しい動きがあればフィーが持っていたスナイパーライフルで屋敷の中の物を撃ち倒すという手はず。




