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正しき魔王の旅記  作者: テケ
童話 勇者物語
50/175

断片

 むかし、むかし、それもすごく昔のことです。

 

 世界は魔王に支配されていました。

 

 7つの国に分かれいたこの世界はある日突然、魔王という闇に覆われ、魔物が世界にははびこり平和ではなくなってしまったのです。

 

 そうして――世界を覆った闇と共に、魔王は人々に言いました。

 

 「この世界は我の物だ。抗う者すべて我が力によって滅ぼしてしまう」

 

 人々は悲しみました。

 

 ある者は、魔物に負かされ。またある、者は捕えられ家族と離れ離れになり、人々の自由はそれぞれの国が滅ぼされるとともに、奪われてしまったのです。

 

 ですが、人々も負けじと抵抗を続けていました。各国は総力を決し、少ない力で魔王の魔物の軍勢と戦いを続けていました。

 

 無論。長らく続くその戦いはその抵抗は長くは持ちそうにありませんでした。

 

 魔物の軍勢の力は圧倒的。人々は力尽き。残っていた国もそれぞれ制圧さてしまうのです。

 

 そして、最後ついに残り最後の一つなってしまった光の国が落とされてしまいそうになり。光の国の王が、悲しみながら。最後に神へとどうか、どうかと救いを望んだ時でした。

 

 それは神からの救いの手だったのでしょうか?

 

 その時でした。

 

 銀のコートを翻し、黒髪を聖なる霊気になびかせ、金の瞳で魔物の軍を睨む。そよ風の聖樹の妖精を引き連れ合われて、現れたのです。

 

 王が討たれようというその時、現れた彼は、眩しく光輝く光の女神をの魂を映した剣で、魔物の軍を一瞬にして消し去ったのです。

 現れた彼はまごうことなき勇者だったのです。

 

 そうして、光の国を救った勇者は人々から暖かく向か入れられたのです。

 

 もちろん。世界はまだ魔王に支配されたままです。ですが、人々を活気つけるには十分でした。

 

 彼なら、世界を救ってくれると。魔王を打倒してくれると。国が救われたことによってひと時の安らぎを得た人々は祝杯を挙げたのです。

 

 そうして、活気づく人々を後ろに光の王は言いました。

 

「ああ勇者よ。どうか世界を救ってほしい」

 

 その言葉に、勇者はすぐさま頷きました。魔王は必ず倒して見せましょうと。

 

 勇者の言葉を聞き、王は歓喜し、そして魔王を倒すべくその唯一の方法を彼へ託したのです。

 

 魔王を撃つには7つの女神の力を集める必要があると。勇者は既に光の女神と風の女神の力を手にしていました。それ故に魔王の軍を知り是蹴ることができました。けれど、それだけではまだ、魔王を撃つには足りなかったのです。

 

 魔王は魔物の軍とは比較にならない程に強い。だからこそ、2つでは足りない。残り5つの女神の力を集めることでようやく対等に魔王と戦うことができるのだと。

 

 そうして、王は勇者に滅んでしまった各国を巡り、女神の加護の力を集めるように言うのでした。

 

「分かりました。それでは7つ集め、魔王を打倒してきます」


勇者が忠誠を誓う使者のごとく、光の王に膝を着き言い。そうして、彼は旅にでました。


旅は彼を幾度も危機へと追い詰めました。けれどもそえに屈しることなく、彼は世界を股にかけ各国を回り仲間を集め、仲間と共に7つの女神の加護の力を受けることを果たしたのです。


そうして、勇者はついに魔王の元へと向かいました。


7つの女神の加護を集め。7人と一人の妖精という仲間と共に。


 もちろん魔王の元へたどり着く途中、魔王の軍の抵抗は激しく。勇者たちはひどく消耗しました。仲間は一人、また一人と倒れ。仲間たちに背中を預け進み。そうして、ついに魔王へとたどり着いた時には、彼一人だけしか残っていませんでした。他の仲間は全て勇者へと思いを託したのです。

 そして、託された彼もまた魔王との決戦の時、満身創痍でありました。

 

 ボロボロの勇者を前に魔王は言います。

 

「勇者よ。なぜそこまでする。人間などくだらないものをどうして助ける。お前の力をもってならば望みはいくらでも叶うであろうに。我と共に世界を支配しないか」


 今にも倒れそうな勇者にそれは、悪魔のささやきでした。一緒に世界を支配しようと。そうすれば楽になれると。多くの期待と命を預かる勇者には、確かにそれは願ってもないすくいでもありました。

 

 この使命から解放されることも、また、彼への救いでもあったからです。

 

 それでも、勇者は、たとえどんなにつらく、痛く、悲しくても、首を縦に振ることはありませんでした。すべては、あの日王に誓った誓いと、人々の為に。自分のすべてを、投げ捨てても魔王を打倒すと。戦うのです。

 

 そして、魔王もとうとう諦め、勇者へととどめを刺そうとします。

 

 同時に、勇者も自分のすべてを振り絞り最後の攻撃を繰り出しました。

 

 2つの力はぶつかり合います。

 

 女神の七色の光と、真っ黒な毒にも似た光はお互いに押し合い、世界へと大きな光をおもたらしました。

 

 片方は七色に輝く美しい光を。片方は禍々しく不安を呼ぶくらい光を。世界全土へと勇者と魔王のぶつかり合いの衝撃は届いたのです。

 

 どちらの光は、しばらくしてその輝きを失っていきます。

 

 そうして、激突の中心にいた二人は姿を現しました。

 

 果ては消えかけ滅びを待つのみの姿で。もう片方はその滅びに背を向け。

 

 光同士のぶつかり合いに打ち勝ったのは勇者でした。

 

 魔王は滅びの光とと共に消えていきます。

 

 そして、消える寸前一言だけ勇者にこう言ったのでした。

 

「我の負けだ」


 最後に敗北を認めた魔王が消えます。

 

 そして、その瞬間、世界を覆っていた闇は取り払われ、美しさを取り戻し。

 

 世界に平和が訪れたのでした。

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