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正しき魔王の旅記  作者: テケ
2章 あんじぇピュアラブ
49/175

019

後日談という名の翌日談です。

えへへ、お兄さんのマネをしてみました。



えっと・・・それでですね・・・。



アンジェが恥ずかしくも大泣きしてしまって少し落ち着いたころ。

ようやくお兄さんが生きている理由を聞きました。

どうやらお兄さんは気絶をしたところをウンディーネ様に起こされたそうです。すごく不愉快な感じの顔をして言っていましたが、そんなにお兄さんはウンディーネ様のことが嫌いなのでしょうかね?よくわかりませんが、とにかく起こされたお兄さんはウンディーネ様に無理やり傷口を凍らせるようにして、痛みと傷が大きくなるのを止めたそうです。

それがお兄さんが起き上がるとの同時だそうで、ナイフを首元に突き立てたアンジェを慌てて止めに入ったとのこと。



すごい気力だと思います。気絶してもアンジェを止めてくれるなんて、いまも思い出すだけですごく嬉しくて口元が浮ついてします。そんなにもアンジェに必死になってくれるなんて、こんなに素晴らしいことなんて他にはないのですから。

とっ・・・話がそれてしまいましたね。



お兄さんからそれを聞いたあと。周りの惨状を見て新ためてアンジェは後悔しました。自分はとんでもないことをしでかしてしまったのだと。きっと、あのままお兄さんがあの兵士と国に行って話をしてくれればアンジェ達は晴れて自由の身を安全をこみで手に入れれたのかもしれません。おかあさんを探すのにもお国の力を借りれたのかもしれません。アンジェの行為はその可能性をすべて見事なほどにぶち壊したのです。このまま放っておけば、ここに来た別の兵士達が惨状に気づいてアンジェ達が犯人としてとがめられるに違いありません。あの兵士が言っていた国を敵に回す。それは見事にアンジェによってなされてしまったと言えるでしょう。



もちろん。それはお兄さんも分かっていました。

だから――アンジェとお兄さんはこの砦を出ることにしました。

傷口をウンディーネ様の力でアンジェのナイフの力をいちもせず直してもらい。(やはり抵抗力があるのか、少し治るのには時間がかかりましたが・・・)



今なら、この砦にアンジェ達が逃げ出すのを邪魔する人たちは居ない。そうして、お兄さんはアンジェに二度と自殺なんてしないように、アンジェの耳にタコができるぐらい言い聞かせまた抱きしめてくれたのち、完全に傷が癒えたところで出る準備を始めたのです。

できるだけ荷物は少なめに、必要なものだけを砦をさぐります。途中途中で見かける兵士とメイドさんの死体にアンジェはすごく胸を痛くしながら、そのたびにお兄さんに励まされて必要な物だけを探索し探しました。



この探索は宝探しのようで楽しかったと言えば楽しかったですが、もう二度としたくないと思います。

ちなみに、ウンディーネ様はお兄さんの傷口が治ったあと、消えてしまいました。色々と喋りたいこともありましたのに、ただアンジェには微笑むだけできえてしまったのです。残念です・・・でも、一緒にいてくれているようですしまた会えるでしょう。



さて――荷物を整えたアンジェ達が砦をでるとちょうど日の出の時間でした。日の光が迎えてくれるのでしょうか?


なんて思って見たり。



「アンジェ」


「はい」



砦の入口の前でお兄さんと顔を見合わせます。



「行こうか」



頷き、お兄さんと手をお繋ぎ朝に向かって一歩を踏み出しました。

こうして、ようやくアンジェ達の旅はようやく始まったのです。




2章 完

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