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正しき魔王の旅記  作者: テケ
2章 あんじぇピュアラブ
37/175

007

「アンジェ――これだと八種類だよね。あと二つは?」


 僕は聞いた。


「あと二つは魔法と呼んでいいのか分からりませんが、アンジェは魔法と教えてもらったので魔法と言いますけど・・・。


 神域魔法――女神様の存在そのものです。おかあさんはこれを魔法で神域魔法って言ってました。それと・・・もう一つはお兄さんがここにいることが証明になってます。


 異界魔法――世界はいくつも別の世界があって色んなルールや方法で使う、この世界にはない魔法みたいな力がいっぱいあるそうです。その力の事を異界魔法と言っていました。ただ、お兄さんには使えないようですけどね。あと、普通の人はこの魔法のことは知らないそうです。アンジェは特別だからと言って教えてもらったのですが・・・」


 秘密ですよ、といたずらじみた顔で言ったのだった。


 始めて見たアンジェのそんな仕草に可愛いと思いながらも、僕は言われた魔法について考えた。


 神域魔法、つまりはミレアそのもの。聞き方によってはミレアと他の女神は魔法で出されたものみたいにも思えるがそういうモノではないのだろう。アンジェ自身もこのこと自体はよく分かってないようだが。まあ、女神の事なんて女神に聞くのが一番いい訳だが――一度、僕に説明をしなかったミレアが答えるビジョンが見えるはずもなく、その辺りは断念する。


 それと、異界魔法――考えてみれば確かに僕が他の世界からこの世界に飛ばされた訳なので、僕の世界とこの世界以外があってもおかしくないと言える。僕のイメージとしては宇宙みたいなイメージなのだが、もしそうなら他にも色々な世界があってもおかしくはない。


「魔法の種類というか分類ですね。これが、アンジェの知っているものすべてです。アンジェはこのうちの召喚魔法しか使ったことないのでそれしか教えれないのですが・・・・さっき、お兄さんの手に施したのもこの召喚魔法の使い方みたいなものです。もう一度手を開けて魔法陣を出して見てもらってもいいですか?」


 言われて、もう一度への平を開け、冷たい感覚をイメージする。


 すると、最初に魔法陣が出た時と同じように、蒼色の光の線で魔法陣が現れた。


 感覚はよく分からないが、出すことはできるようだ。手には冷たい感覚が残っており、痛くはないが凍えそうな感じだ。


「慣れるまでは少し辛いかもしれませんけど、少し我慢してください。この出ている魔法陣が召喚の魔法陣です。作ったのはアンジェのおかあさんで、主に氷とか水とか液体の物なら簡単に出せてしまう優れものです。魔法陣は形によって召喚できる魔法の内容も変わるそうです。アンジェの魔法陣の場合普通の魔法陣と違っておかあさんが作った物なので他とは違いますが、使う分には問題ないと思います」


 そう言って、震える僕の手に浮かぶ魔法陣の上に自分の手をアンジェはかぶせる。


「じゃあ、目を瞑って、何か・・・そうですね、アレでも手のひらで氷で作るイメージをしてください」


 言って、魔法陣にかぶせた手とは別の手で、遠くに追いやった中身が腐っているであろう水筒を指さした。


 氷で作るイメージ?氷の造形のイメージなのかな・・・?よく分からないが、言われた通り手のひらに氷の水筒ができるイメージをする。


 水筒・・・、水筒・・・。真っ暗な視界の中で、僕の水筒の形を思い浮かべる。


 水筒・・・。


「目を開けてください」


 言われて目を開けると、アンジェの手は魔法陣から離れていて、僕の手の前に浮かぶ魔法陣の更に上には透き通る氷でできた水筒が浮いていた。


「うわっ!?」


 思わずびくりして手を引くと、魔法陣は消え氷の水筒はその場にゴトンッと落ちた。


 これを僕が魔法で出したのか?何かがで出るとかそんな感触はなにもなかったけれども・・・。落ちた氷の水筒を恐る恐る手に取ると、ソレは確かに冷たく氷できた水筒で空洞もなく、中身は全て氷で詰まった氷100%の物だった。


「貸してください。――成功ですね。一回目でできるなんですごいですよ。思った以上にいいできですウンディーネ様の影響なのでしょうか?ここまで質量の高い氷を召喚できるならお兄さん魔法使いに向いているのかもしれません」


 言われ、僕はアンジェに氷の水筒を渡すと、アンジェはその氷を観察してその後、水筒は蒼白い光の粒子となって溶けるように消えた。消えたというよりは消したのだろうけど、その動作をするアンジェに僕はよくわからず、ただ茫然と見る事しかできなかった。褒めてくれるのはうれしいが、水筒を召喚した?僕が何も理解していないのでよくわかっていない。


「アンジェ、これはどういうことなんだ?どうやって出たんだ氷の水筒は」


「ん~」


 聞く僕にアンジェも考えこみ、じゃあ、目を瞑らずにイメージして出す練習してしましょうか。


 なんて言った。


 いわれ、それからアンジェの指導のもと、僕の召喚魔法の練習が始まった。

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