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二章は癒しです
愛とは一体なんだろうか、恋とはいったいなんだろうか。
僕はそういったことは今まで正直、真剣に考えたことなどなかった。いやまあ、世の中の高校生たちがそんなことを真剣に考えて恋愛をしているかと言えば、そうではないだろうからごく普通な事なんだろうと思う。それに、高校生レベルの恋愛なんて結局は、ただの遊び、そう思ってしまう僕がどこかにいるわけだ。それがただただ僕の自分勝手な言い分なのはわかっている。なんていうんだろうな――僕だって恋愛をしてこなかった訳でもない、子供のころに初恋っていうのもしていれば今まで付き合っていた子だって何人かいる。
じゃあ、それが全て本気でこの先永遠に一緒に居たい、そんなことを考えていたというとそうではない。人助けをする善良な僕だったが、正直のところ付き合いをしてくれた彼女たちには悪いけれども、そう言うのは遊びだったと思えてしまう。なぜなら、よくも悪くも僕は子供なのだ。我ががまをこねたりはしゃいだりだってする。どんなに良い事をして真っ当な人間を装っても僕は子供なのだ。だからわからない、恋愛とはなんなのか恋とはなんなのか。
では、アンジェはどうなのだろうか?彼女は11歳の小さな少女だ、そんな彼女がする恋というのは、それは本当に恋なのか?違う――僕はそうは思わない。少なくとも、僕がそうだから。子供のころの恋というのは無邪気さゆえに一緒に居たい楽しいそういうことだと思う。けれど、それすらよくよく考えてみるとおかしなことでだ、だって――いっしょに居たい、楽しい、それは普通の恋愛だって同じなんだから、じゃあ、子供の恋愛を正しく述べるのであればなんなのか。こうだろう――『合い』ただただ自分と合う存在。それは母性のように似た共にいることできる安心感、けっして恋愛の感情とは違う。
母や父と同じように接することができる、安心できる存在。彼女の僕に抱いているのはそいう合いなのだと僕は思う。だから、恋愛感情とは違う――勘違いしていけないのだ、相手は子供なのだから・・・。
そうやって、彼女の真っすぐな気持ちを愚かにも軽はずみに考えていたのだから、僕には罰が当たっただろう。
ここから先に語る物語は、愛の意味を愚かにも履き違えた僕が、愚かにも少女を傷つけそしてしっぺ返しのごとく全て自分に跳ね返ってきたという物語。
恋と言うのは年齢など関係ないのだ。




