017
移動した先は森を抜けた場所にあった砦です。
アンジェとお兄さんは馬車の中にあった檻に放りこまれ、ガタガタと馬車をゆられ連れてかれました。
檻を見るに、もともとは魔物をでも狩りにきてたんでしょうかね?これはどう見ても人間を入れるためのものではないですし、そもそも――森の、しかも迷いの森という道を知らない人が迷子になる森の横の森で、人を探す訳がないです。だから、アンジェとこの一緒に檻に入っているお兄さんはたまたま運悪く捕まったということになると思います。実に運がないですよね?
ちなみに、お兄さんは木を失ったままアンジェと同じ檻に入れられたので寝ています。のんきな方です。
さて、砦に着いたアンジェ達はそのまま折から出されて、お兄さんは兵士に担がれて、砦の中に連れてかれました。
途中、お兄さんとは別の道に分かれてアンジェは別の部屋へと連れてかれたのです。この後、どんなことになるんでしょうかね?
心躍りはしまいです、むしろ恐怖しかないです。知らない兵士の男立にしらない場所に連れてかれて怖くない訳がありません。泣き出しそうです。
――いえ、ここで、この時、泣いておけばよかったんですね。
部屋に着くと、アンジェは兵士に掴まれました。腕を――。暴れないように、そしてそこから無理やりアンジェの服を引っ張り、アンジェから服を奪っていきました。上も、下も、それから下着も・・・。
もちろん、抵抗もしました、叫びました、嫌と言いました。それでもアンジェは無理やりひん剥かれました――いとも簡単に。
恥ずかしいです。もちろん、それでアンジェのそんな気を無視して、兵士たちは次の行動に出ます。
アンジェを無理やり押し倒して、足を開き、ズボンを脱いだ兵士がアンジェの体を突き刺しました。何が起こったのか分かりません。すごく、すごく、股が痛かったです。何度も何度も突かれて、色んな兵士がアンジェの体を突き刺しました。
もちろん、騒ぎましたし、暴れました。それでも彼らは無理やりに、ねじ込んでアンジェをいじめました。殴られもしたし、蹴られもしました。
その日、アンジェはそれが終わると牢へと放りこまれました。一緒に布が放り込まれたのは何かの情けなのでしょうか。分かりません――それでも、アンジェはそれを取って頭からかぶり牢の隅っこにうずくまりました。
すごく、怖くて、痛くて、気持ち悪い、体験をしました。体が、ガタガタ震え止まりません。起きたことを思い出すと頭痛がして。涙が出ます。体が裂けるように痛いです。顔が突き刺すように痛いです。痛い・・・いたい・・・いたい・・・。
寒くもない体は震え、アンジェはアンジェではなくなるような感じがして、フワッと自分の意識が痛みでもどってくる。そんな繰り返しが一晩中続きました。
――寝れませんでした。
気づいた時には朝です、日の光が射してました。
そして、兵士が牢へ入って生きて寝不足のアンジェの体に触れました。もちろん、暴れます。もう、男の人が怖くなっています。どんなに疲れていても、体が拒絶反応を起こします。
それでも、やはりアンジェの力では兵士の男の力に勝てません。当たり前です。だから、抱きかかえられ連れていかれました。
また、アンジェはいじめられるのでしょうか?
そう思いましたし、実際そうでした。
別の部屋に移動したアンジェじゃ投げ飛ばされ、昨日と同じように地面に押さえつけられました。
痛いです――でもそれ以上に怖かった。
今日の部屋は昨日の部屋と違います。別の部屋でした。
だからなのでしょう。昨日、別の部屋につれてかれたお兄さんがいました。
居ました言うのでしょうか?捨ててあったというのでしょうか?お兄さんは頭に鉄の剣が刺さったままその場で倒れいました。
投げ飛ばされたアンジェが倒れたのはそのお兄さんの目の前です。
目の前に、真っ黒な動かない見開いた両目が、どこを見る訳でもなくありました。だから怖かったです。
――昨日お兄さんはどうやら、殺されていたようだったみたいです。
でも、このお兄さんを見て、アンジェも殺されるのだと思いました。昨日のようにいじめられれるのではなく、殺してくれるのだと思いました。
もう、男の人に体を突かれるのも嫌ですし、殴られるのも、蹴られるのも嫌でした。だから――そうなのか、うれしく思ったのです。思って見たけれども、違うようでした。
昨日と同じ、兵士が何人も入れ替えでアンジェを突いて熱い何かをアンジェの中に出します。
ひどく、痛いです。でも、もう――涙も出ないです・・・枯れたのでしょうか?
悲鳴も、声も出ないです。出そうとしても、痛みのあまり声にならないぐらいの叫びになります。抜けた声というはこういうモノなのでしょう。アンジェはされるがまま、横で死んでいるお兄さんを見ました。
うつろな黒目はアンジェと目が合いました。すごく怖いです。でも、兵士を見ているよりずっと怖くありませんでした。
だから、なのでしょうか。お兄さんが助けてくれる、そんなことを思いました。思うというより願いました。ええ――もちろん、そんなことありません。お兄さんはこの通り死んでいるのですから、アンジェを助ける訳も、動くわけもありません。
夢見がちも甚だしいです。きっと、痛くて、辛いからそんなことを思ったのでしょう。王子様が、お姫様をかっこよく助けるようなそんな展開を期待、想像しました。想いました。夢をみました。
けれど・・・、それは全部ありえない。夢です、願望です。
だから続きました。アンジェの体をなぶるのは終わりません。
その日は、気づくと牢に寝ていました。
夜です。いのまにか気絶していたのでしょう。
布を取って、牢の淵へとうずくまります。
もう――なにも考えたくありません。
それでも、お腹はすいて空腹を感じました。食べ物を食べたいともいました。食べ物だけじゃなく何よりもお水が欲しいです。兵士に口になにか入れられました。それが乾きぱさぱさします気持ち悪いです。へんな味もしています。
吐き出しそうでした。実際――吐きもしました、もちろん、何も出ません。
ああ、女神様――アンジェの探している女神様・・・。
助けてください・・・。
生きることをあきらめていたことを謝ります。
悲しむ人なんていないなんて思ったのを謝ります。
アンジェは、悪い子でした・・・。謝りますから・・・。
たすけて・・・。