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正しき魔王の旅記  作者: テケ
五章 勇者エンド
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002

 見ているあんさんらも、うすうす気づいてるやろ?すべては設定された舞台で描かれる歌劇。

 おかしいとは思はんか?なんで魔王と勇者の名前を誰もよばない。

 なんでそれを主人公は知ろうとしない。

 

 そもそも――それを誰もおかしく思わない。

 

 

 おかしいやろ?主人公は勇者や魔王の存在を知った時に名前を訊いてもおかしくなかった。

 なんせ、同じ日本からきてるんやからな。少しは気になってもおかしくあらへん。でも――訊きやせん。

 

 おかしいんや。いや――それが正常なんやけどな。

 つじつま合わないのは正常。

 

 何故やって?

 

 当たり前やろ。あんさんら、シンデレラの王様の名前知っとるかえ?

 

 知らんやろ?

 つまりはそういうこと。

 

 役に名前が決まっていないならそんなものあらへん。

 それが正常。

 

 世界の秩序、一つのルールとなってるんやから誰も気にしない。そういう認識なんや。

 

 それがこの歌劇。

 あの勇者がウチの邪魔して物語にしても、ウチの歌劇のルールが少しでも介入している状態。

 

 やからちぐはぐなんや。物語も何もかも。

 

 で?だったら、詰まらなければ好きな話に変えればいいやないかって?

 せやな――そりゃそうや。

 

 そうあんさんらが思うのも無理もない。

 

 

 けど、それはできん。

 

 なんでってゆうても、まあただこの歌劇はウチのお気に入りやからなんやけどな。

 

 ほら――好きな映画だって、2,3ってシリーズが続いたら見るやろ。

 それや。

 

 最初はウチの歌劇やったんや。

 

 それがいつの間にかこんなんにな。あの勇者勝手にウチが見れんように規制かけやがったんや。

 それを、こうしてようやく見れるようになったらこうや。

 

 話しはぐっちゃぐちゃ。

 

 やで、こうしてウチがちゃんとした歌劇に戻すんや。

 もどして面白い話にする。ウチがな。

 

 

 ただ、そう思って干渉したにも関わらず、女神はそうは思っておらんみたいや。

 せやから――あんな主人公いらへん。

 

 ウチが欲しいのはあの勇者がウチのとこまで来ること。

 あんな主人公は消えることを願っとる。いらん。あの妖精と主人公は……。

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