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正しき魔王の旅記  作者: テケ
四章 偽善ヴァイス
146/175

055

  

「エリザベート、エリーゼ。お前たち自分を犠牲にしすぎだ」



「はう!?」

 

「いッ……!?」

 

 

 ペシンッっと撫でていた右手と左手を外し、二人のおでこを俺はデコピンで弾いた。

 そうして、いたずらじみた笑顔でこういうのだ。


 

「だいたい――壊し過ぎだし、それじゃあ俺はよろこばねーよ」



「申し訳ありません……陛下……」



「そーいう、辛気臭いのもダメだ。ほら、顔上げろ?」



「はい……」


「うん……」



「あらためて――ありがとう」



 頭を再び撫でてやり、そうして顔を上げ周りを見ると、その光景を他の三人は微笑ましく見ていた。

 

 なんだかこっぱずかしいな。

 

 

「お姉さま方にはかないません」



「クリアも、それにフレデリカ、レアも。ありがとう」



「バカみたいバカみたい」



「ずるいですわぁ――アタクシも撫でてださぁい」



「ああ……ん?」



 言われて、キラキラと幸せモードにいつのまにか入っている二人から手を外すと、突然その手が二人からどちらの腕もそれぞれ細い手に握られた。

 

 

「そういえば陛下……どうして、わざわざあの者のと、疫病女神の前であのような事をしたのでしょうか?」


「なんでかな?お兄ちゃん」



 心なしか、俺の腕を握っている手の力が不自然に強いような……。

 

 

「あのような?」


 

 とはいえ、エリザベートとエリーゼ二人が指摘していることがさっぱり分からず首を傾げるが。


 

 ギリギリ……。

 

 


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