052
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「預けるか……」
渦を巻く魔力を穴とした次元の裂け目が収まり消えて、時よ止まれと言う奴の覇道支配が消えて行くのを見て俺はそう呟いて二人の女神を剣から元の姿へと戻した。
「はわ~、疲れたの~」
「きゃぴーん……」
精緻な黒のゴスロリ服の人形の闇の女神。オレンジのポニーテールにアイドル衣装のような服装の活発な幼女の雷の女神。二人は、ソレそれを代表する漆黒と紫電の光の粒子から体を元のその姿へ戻すと、途端に膝を着いてお互い背中合わせに地べたにへばった。
それと俺も――
「だぁあああっ、疲れだぁ~ッ」
途端、同じように地べた座りこみ足を延ばし両手で後ろに倒れそうな体を抑える。
三人、先ほどの戦闘での緊張感を吹き飛ばすかのように脱力して、やる気が消える。
マジでやっとれん!
俺は本来こんな配役なんて嫌なんだけど……どうしてこうなった。
そう――自分のここでの今回の一連のことを思い返してみると、演じていた自分が嫌なになる。
あーあ、嫌いだ。
なにが、意味ありげに語る性分だ、バカじゃねえの?そう自分が言ったことに自分で嫌気が刺す。
とは言え――勇者というしての風格を見せつける必要もあったし、なによりこんな状況になった以上、奴に舐められる訳にもいかない。
だからと言って、他にもっとやりようがったんじゃないかと、自分の演技力の無さとアホなのに思い出せば思い出すほど気が滅入ってくる。
はあ~……。
「ご主人様」
そんな、久々にカッコつけた割には久しぶり過ぎて空回りした公開していると、申子三人とエリーゼとエリザベートが俺の近くへと寄って来ていた。
「ん?」
声をかけてきたクリアを見上げる。
それに、クリアはペコリと礼儀正しく頭を下げ。
「お変わりなくて嬉しゅうございまし。そんなとこで座りこんではお召し物が汚れてしまいましてよ……」
「ああ……」
言われて俺は立ち上がった。
「おケガはありませんか?」
「大丈夫だよ」
優しく返事を返し、俺を囲むように立つ彼女達を見据えて静かに目を瞑る。